渓流のそばに生育するタニウツギ。山梨 十谷 2025年5月13日
渓流のそばに生育するタニウツギ、一般に日本海側で多く見られるが富士山北麓でも見られる。

山梨南部富士川支流の十谷を歩きました。甲府盆地の西部から南東にかけての山々は広く新生代新第三紀の玄武岩を中心とした中央構造線外帯の付加体でできています。観察されたシダを紹介します。この谷では不思議なことにカナワラビ類・ベニシダ類・イタチシダ類はお目にかかりませんでした。
黒っぽい玄武岩(玄武岩の角礫や丸みを帯びた礫を含む玄武岩質凝灰岩)。山梨 十谷 2025年5月13日 黒っぽい玄武岩(玄武岩の角礫や丸みを帯びた礫を含む玄武岩質凝灰岩)。山梨 十谷 2025年5月13日
①②中央構造線外帯の付加体、南の海からやってきた玄武岩


イワヒバ Selaginella tamariscina
イワヒバ科 イワヒバ属

渓流沿いの岩壁には普通に見られた。その他カタヒバも観察された。
渓流沿いの岩壁に群生するイワヒバ。山梨 十谷 2025年5月13日
渓流沿いの岩壁に群生するイワヒバ




クジャクシダ Adiantum pedatum
イノモトソウ科 ホウライシダ属

新葉が美しいクジャクシダ。山梨 十谷 2025年5月13日
新葉が美しいクジャクシダ




エビラシダ Gymnocarpium oyamense
ナヨシダ科 ウサギシダ属

林内、脆い玄武岩質の崖に数株が生育。それほど多くない。季節が早いせいかまだ胞子のう群は確認できなかった。
脆い玄武岩質の崖に生育するエビラシダ。山梨 十谷 2025年5月13日
脆い玄武岩質の崖に生育するエビラシダ

エビラシダ、葉身。山梨 十谷 2025年5月13日 エビラシダ葉身裏側、胞子のう群はまだ形成されていない。山梨 十谷 2025年5月13日
①エビラシダ、葉身
②エビラシダ、葉身裏側




チャセンシダ Asplenium trichomanes subsp. quadrivalens
チャセンシダ科 チャセンシダ属

ウエットな苔むした石組みに生育。
ウエットな苔むした石組みに生育するチャセンシダ。山梨 十谷 2025年5月13日
ウエットな苔むした石組みに生育するチャセンシダ

チャセンシダ、葉身。山梨 十谷 2025年5月13日 チャセンシダ、羽片裏側および胞子のう群。山梨 十谷 2025年5月13日
①チャセンシダ、葉身
②チャセンシダ、羽片裏側および胞子のう群

チャセンシダ、中軸背軸側(裏側)には翼は無い。山梨 十谷 2025年5月13日 チャセンシダ、チャセンシダ、中軸背軸側(裏側)には翼は無い。山梨 十谷 2025年5月13日
①②チャセンシダ、中軸背軸側(裏側)には翼は無い




トキワトラノオ Asplenium pekinense
チャセンシダ科 チャセンシダ属

石垣などにコバノヒノキシダと共に生育。
石垣に生育するトキワトラノオ。山梨 十谷 2025年5月13日
石垣に生育するトキワトラノオ

トキワトラノオ、葉身下部の羽片。山梨 十谷 2025年5月13日
トキワトラノオ、葉身下部の羽片




クモノスシダ Asplenium ruprechtii
チャセンシダ科 チャセンシダ属

苔むした玄武岩質の岩壁や石組みに群生。ときどき目にすることがあった。付加体の玄武岩地帯には石灰岩が付随することもあり、クモノスシダが生育しやすい環境が生じるのかもしれない。
岩壁に群生するクモノスシダ。山梨 十谷 2025年5月13日
岩壁に群生するクモノスシダ

クモノスシダ、胞子のう群。山梨 十谷 2025年5月13日
クモノスシダ、胞子のう群




テリハヤブソテツ(羽片が切れ込む) Cyrtomium laetevirens
オシダ科 ヤブソテツ属

渓流の流れのそばの岩割れ目に生育。テリハヤブソテツの個体変異か。
渓流の流れのそばの岩割れ目に生育する羽片が切れ込むテリハヤブソテツ。山梨 十谷 2025年5月13日
渓流の流れのそばの岩割れ目に生育する羽片が切れ込むテリハヤブソテツ

羽片が切れ込むテリハヤブソテツ、葉身。山梨 十谷 2025年5月13日 羽片が切れ込むテリハヤブソテツ、葉身下部。山梨 十谷 2025年5月13日
①羽片が切れ込むテリハヤブソテツ、葉身
②羽片が切れ込むテリハヤブソテツ、葉身下部

羽片が切れ込むテリハヤブソテツ、羽片辺縁は重鋸歯縁。山梨 十谷 2025年5月13日 羽片が切れ込むテリハヤブソテツ、包膜は白っぽい。山梨 十谷 2025年5月13日
①羽片が切れ込むテリハヤブソテツ、羽片辺縁
②羽片が切れ込むテリハヤブソテツ、包膜




イワオモダカ Asplenium ruprechtii
ウラボシ科 ヒトツバ属

この辺りに広く点在して生育。クモノスシダ同様好石灰岩性のシダ。玄武岩質中心の付加体の中に石灰岩質がわずかでも含まれているのでしょうか。
石垣に生育するイワオモダカ。山梨 十谷 2025年5月13日
石垣に生育するイワオモダカ

イワデンダやイワヒバと共に岩壁の上方に群生するイワオモダカ。山梨 十谷 2025年5月13日
イワデンダやイワヒバと共に岩壁の上方に群生するイワオモダカ




オウレンシダ Asplenium ruprechtii
コバノイシカグマ科 イヌシダ属

石灰岩地帯では群生することがあるが、ここでは、時々目にする程度で群生は見られなかった。
林床に生育するオウレンシダ。山梨 十谷 2025年5月13日




カラクサシダ Pleurosoriopsis makinoi
ウラボシ科 カラクサシダ属

渓流のそばではないがウエットな苔むした石組みに群生していた。
ウエットな苔むした石組みに群生するカラクサシダ。山梨 十谷 2025年5月13日
ウエットな苔むした石組みに群生するカラクサシダ

カラクサシダ、胞子のう群。山梨 十谷 2025年5月13日
カラクサシダ、胞子のう群




サジラン Loxogramme duclouxii
ウラボシ科 サジラン属

渓流沿いの切り立った岩壁や大木の樹幹に生育。胞子のう群は確認できなかったが、葉柄基部はえんじ色~紫褐色を帯びている。
渓流沿いに生育する夏緑広葉樹の樹幹に着生するサジラン。山梨 十谷 2025年5月13日
渓流沿いに生育する夏緑広葉樹の樹幹に生育するサジラン

渓流沿い大きな転石上に生育するサジラン。山梨 十谷 2025年5月13日 サジラン、葉柄基部はえんじ色~紫褐色。山梨 十谷 2025年5月13日
①渓流沿い大きな転石上に生育するサジラン
②サジラン、葉柄基部はえんじ色~紫褐色