
渓流のそばに生育するタニウツギ、一般に日本海側で多く見られるが富士山北麓でも見られる。
山梨南部富士川支流の十谷を歩きました。甲府盆地の西部から南東にかけての山々は広く新生代新第三紀の玄武岩を中心とした中央構造線外帯の付加体でできています。観察されたシダを紹介します。この谷では不思議なことにカナワラビ類・ベニシダ類・イタチシダ類はお目にかかりませんでした。

①②中央構造線外帯の付加体、南の海からやってきた玄武岩
イワヒバ Selaginella tamariscina
イワヒバ科 イワヒバ属
渓流沿いの岩壁には普通に見られた。その他カタヒバも観察された。

渓流沿いの岩壁に群生するイワヒバ
クジャクシダ Adiantum pedatum
イノモトソウ科 ホウライシダ属
エビラシダ Gymnocarpium oyamense
ナヨシダ科 ウサギシダ属
林内、脆い玄武岩質の崖に数株が生育。それほど多くない。季節が早いせいかまだ胞子のう群は確認できなかった。

脆い玄武岩質の崖に生育するエビラシダ
チャセンシダ Asplenium trichomanes subsp. quadrivalens
チャセンシダ科 チャセンシダ属
ウエットな苔むした石組みに生育。

ウエットな苔むした石組みに生育するチャセンシダ

①チャセンシダ、葉身
②チャセンシダ、羽片裏側および胞子のう群
トキワトラノオ Asplenium pekinense
チャセンシダ科 チャセンシダ属
石垣などにコバノヒノキシダと共に生育。

石垣に生育するトキワトラノオ
クモノスシダ Asplenium ruprechtii
チャセンシダ科 チャセンシダ属
苔むした玄武岩質の岩壁や石組みに群生。ときどき目にすることがあった。付加体の玄武岩地帯には石灰岩が付随することもあり、クモノスシダが生育しやすい環境が生じるのかもしれない。

岩壁に群生するクモノスシダ
テリハヤブソテツ(羽片が切れ込む) Cyrtomium laetevirens
オシダ科 ヤブソテツ属
渓流の流れのそばの岩割れ目に生育。テリハヤブソテツの個体変異か。

渓流の流れのそばの岩割れ目に生育する羽片が切れ込むテリハヤブソテツ

①羽片が切れ込むテリハヤブソテツ、葉身
②羽片が切れ込むテリハヤブソテツ、葉身下部

①羽片が切れ込むテリハヤブソテツ、羽片辺縁
②羽片が切れ込むテリハヤブソテツ、包膜
イワオモダカ Asplenium ruprechtii
ウラボシ科 ヒトツバ属
この辺りに広く点在して生育。クモノスシダ同様好石灰岩性のシダ。玄武岩質中心の付加体の中に石灰岩質がわずかでも含まれているのでしょうか。

石垣に生育するイワオモダカ
オウレンシダ Asplenium ruprechtii
コバノイシカグマ科 イヌシダ属
石灰岩地帯では群生することがあるが、ここでは、時々目にする程度で群生は見られなかった。

カラクサシダ Pleurosoriopsis makinoi
ウラボシ科 カラクサシダ属
渓流のそばではないがウエットな苔むした石組みに群生していた。

ウエットな苔むした石組みに群生するカラクサシダ
サジラン Loxogramme duclouxii
ウラボシ科 サジラン属
渓流沿いの切り立った岩壁や大木の樹幹に生育。胞子のう群は確認できなかったが、葉柄基部はえんじ色~紫褐色を帯びている。

渓流沿いに生育する夏緑広葉樹の樹幹に生育するサジラン










