
伊豆戸田の谷を皆さんでシダを観察しながら歩きました。川沿いにはシダが繁茂する崖もあちこちで見られました。
コケシノブ科 ハイホラゴケ属
・イズハイホラゴケ Vandenboschia orientalis
川沿いの切り立った崖の下部に群生。川沿いであるがそれほどウエットな崖ではない。葉の大きさは15~20㎝、3~4回羽状に分かれる。葉身はスリム。包膜は反り返っていない。胞子数は50~60個程度確認でき、大きさ・形も整っており有性生殖種と推定できる。

川沿いの切り立った高い崖の下部に群生するイズハイホラゴケ

①イズハイホラゴケ、胞子を観察した葉
②イズハイホラゴケ、胞子嚢

①イズハイホラゴケ、1つの胞子のうを壊したようす
②イズハイホラゴケ、1つの胞子のうを壊したようす
コバノイシカグマ科 フモトシダ属
・フモトカグマ Microlepia pseudostrigosa
戸田にはいくつかの滝があり、一つの滝の周りの斜面ではフモトカグマが広範囲に疎に群生していた。個体数は多い。

フモトカグマ、葉身

①滝周辺の急斜面に生育するフモトカグマ
②フモトカグマ、胞子のう群
チャセンシダ科 チャセンシダ属
・チャセンシダ Asplenium trichomanes subsp. quadrivalens
棚田周辺の乾燥気味の石垣に生育。

棚田周辺の石垣の隙間に生育するチャセンシダ
・コウザキシダ Asplenium ritoense
ゴルジュになった狭い渓谷の岸壁面や滝周で観察。

ゴルジュの岩壁に生育するコウザキシダ
・ヌリトラノオ Asplenium normale
渓流沿いの崖や斜面林床に生育、時々目にした。途中で切れた形の葉身の先に大きなむかごをつける。

渓流沿いの崖に生育するヌリトラノオ
・クルマシダ Asplenium wrightii
渓谷沿いの道の脇や滝周辺などウエットな所ではよく見られた。

渓谷沿いの道の脇に群生するクルマシダとシロヤマシダ(下)
ヒメシダ科 ミゾシダ属
・アラゲミゾシダ Leptogramma mollissima f. pilosissima
植物体全に非常に毛深いミゾシダが沢沿いの崖(幅10~15m)に群生していた。その場所以外では目にすることはなかった。アラゲミゾシダか毛深いミゾシダかはよくわからない。

川沿いの崖に群生するアラゲミゾシダ
メシダ科 ノコギリシダ属
・シロヤマシダ Diplazium hachijoense
渓流沿いの崖や崖下に群生。大きいものでは1m近い葉を広げていた。葉柄下部の鱗片は無いあるいは落ちやすい鱗片がはりつくようにつく。胞子のう群は裂片の中肋と辺縁の中間につく。

渓流沿いの崖下に群生シロヤマシダ
オシダ科 カナワラビ属
・ツクシカナワラビ Arachniodes x clivolum
「ホソバカナワラビとコバノカナワラビのゲノムを有していながら有性生殖をする2倍体のカナワラビ」と言われている。
フィールドでいちいち根茎を掘り起こしてようすを調べるわけにはいかないが、地表から見てもコバノカナワラビに比べ葉をやや間隔を空けてつけている。また、雑種のホソコバカナワラビ(ホソバカナワラビ×コバノカナワラビ)とは頂羽片の有無で区別するとよい。
頂羽片は無く一見コバノカナワラビに似るが葉はコバノカナワラビより細身。最下羽片後側小羽片は発達する。根茎は細長く這い、コバノカナワラビに比べ葉をつける間隔が長い。胞子数は60個程度確認でき、大きさ・形も整っており有性生殖種と推定できる。

ホソバカナワラビが生育する乾燥気味の崖に生育するツクシカナワラビ(栄養葉)

①②ツクシカナワラビ、胞子葉

①細長く根茎を伸ばし、葉をつける間隔は長いツクシカナワラビ
②根茎には明るい褐色~黒褐色の鱗片をつけるツクシカナワラビ

①ツクシカナワラビ、胞子を観察した葉
②ツクシカナワラビ、胞子嚢群および包膜

①ツクシカナワラビ、1つの胞子のうを壊したようす
②ツクシカナワラビ、1つの胞子のうを壊したようす
・オオカナワラビ(羽片・小羽片込み合う)
変わったオオカナワラビに出会った。葉は光沢は乏しく革質で厚みがあり、羽片・小羽片葉込み合ってつける。

羽片・小羽片が込み合うオオカナワラビ















