戸田の滝。2026年1月24日 伊豆 戸田
 伊豆戸田の谷を皆さんでシダを観察しながら歩きました。川沿いにはシダが繁茂する崖もあちこちで見られました。




コケシノブ科 ハイホラゴケ属

・イズハイホラゴケ Vandenboschia orientalis

川沿いの切り立った崖の下部に群生。川沿いであるがそれほどウエットな崖ではない。葉の大きさは15~20㎝、3~4回羽状に分かれる。葉身はスリム。包膜は反り返っていない。胞子数は50~60個程度確認でき、大きさ・形も整っており有性生殖種と推定できる。
川沿いの切り立った高い崖の下部に群生するイズハイホラゴケ。2026年1月24日 伊豆 戸田
川沿いの切り立った高い崖の下部に群生するイズハイホラゴケ

イズハイホラゴケ、葉身。2026年1月24日 伊豆 戸田 イズハイホラゴケ、羽片。2026年1月24日 伊豆 戸田
①イズハイホラゴケ、葉身
②イズハイホラゴケ、羽片

イズハイホラゴケ、胞子を観察した葉。2026年1月24日 伊豆 戸田 イズハイホラゴケ、胞子嚢。2026年1月24日 伊豆 戸田
①イズハイホラゴケ、胞子を観察した葉
②イズハイホラゴケ、胞子嚢

イズハイホラゴケ、胞子数は52個程度確認。胞子の大きさ・形は整う。2026年1月24日 伊豆 戸田 イズハイホラゴケ、胞子数は58個程度確認。胞子の大きさ・形は整う。2026年1月24日 伊豆 戸田
①イズハイホラゴケ、1つの胞子のうを壊したようす
②イズハイホラゴケ、1つの胞子のうを壊したようす




コバノイシカグマ科 フモトシダ属

・フモトカグマ Microlepia pseudostrigosa

戸田にはいくつかの滝があり、一つの滝の周りの斜面ではフモトカグマが広範囲に疎に群生していた。個体数は多い。
フモトカグマ、葉は毛深く2回羽状に切れ込む。2026年1月24日 伊豆 戸田
フモトカグマ、葉身

滝周辺の急斜面に広範囲に疎に群生するフモトカグマ。2026年1月24日 伊豆 戸田 フモトカグマ、胞子のう群は葉縁よりわずかに内側につく。2026年1月24日 伊豆 戸田
①滝周辺の急斜面に生育するフモトカグマ
②フモトカグマ、胞子のう群




チャセンシダ科 チャセンシダ属

・チャセンシダ Asplenium trichomanes subsp. quadrivalens

棚田周辺の乾燥気味の石垣に生育。
棚田周辺の石垣の隙間に生育するチャセンシダ。2026年1月24日 伊豆 戸田
棚田周辺の石垣の隙間に生育するチャセンシダ

チャセンシダ、羽片。2026年1月24日 伊豆 戸田
チャセンシダ、羽片



・コウザキシダ Asplenium ritoense

ゴルジュになった狭い渓谷の岸壁面や滝周で観察。
ゴルジュの岩壁に生育するコウザキシダ。2026年1月24日 伊豆 戸田
ゴルジュの岩壁に生育するコウザキシダ

コウザキシダ、胞子のう群。2026年1月24日 伊豆 戸田
コウザキシダ、胞子のう群




・ヌリトラノオ Asplenium normale

渓流沿いの崖や斜面林床に生育、時々目にした。途中で切れた形の葉身の先に大きなむかごをつける。
渓流沿いの崖に生育するヌリトラノオ。2026年1月24日 伊豆 戸田
渓流沿いの崖に生育するヌリトラノオ

ヌリトラノオ、途中で切れた葉身の先にむかごをつける。2026年1月24日 伊豆 戸田
ヌリトラノオ、途中で切れた葉身の先につくむかご




・クルマシダ Asplenium wrightii

渓谷沿いの道の脇や滝周辺などウエットな所ではよく見られた。
渓谷沿いの道の脇に群生するクルマシダとシロヤマシダ(下)。2026年1月24日 伊豆 戸田
渓谷沿いの道の脇に群生するクルマシダとシロヤマシダ(下)




ヒメシダ科 ミゾシダ属

・アラゲミゾシダ Leptogramma mollissima f. pilosissima

植物体全に非常に毛深いミゾシダが沢沿いの崖(幅10~15m)に群生していた。その場所以外では目にすることはなかった。アラゲミゾシダか毛深いミゾシダかはよくわからない。
川沿いの崖に群生するアラゲミゾシダ。2026年1月24日 伊豆 戸田
川沿いの崖に群生するアラゲミゾシダ

アラゲミゾシダ、葉身下部。2026年1月24日 伊豆 戸田 
①アラゲミゾシダ、葉身下部

アラゲミゾシダ、中軸および羽片。2026年1月24日 伊豆 戸田 アラゲミゾシダ、中軸および羽片。2026年1月24日 伊豆 戸田
①②アラゲミゾシダ、中軸および羽片(拡大)

アラゲミゾシダ、胞子のう群。2026年1月24日 伊豆 戸田 アラゲミゾシダ、葉裏側の毛。2026年1月24日 伊豆 戸田
①アラゲミゾシダ、胞子のう群
②アラゲミゾシダ、葉裏側の毛




メシダ科 ノコギリシダ属

・シロヤマシダ Diplazium hachijoense

渓流沿いの崖や崖下に群生。大きいものでは1m近い葉を広げていた。葉柄下部の鱗片は無いあるいは落ちやすい鱗片がはりつくようにつく。胞子のう群は裂片の中肋と辺縁の中間につく。
渓流沿いの崖下に群生シロヤマシダ。2026年1月24日 伊豆 戸田
渓流沿いの崖下に群生シロヤマシダ

シロヤマシダ、胞子のう群は裂片の中肋と辺縁の中間につく。2026年1月24日 伊豆 戸田
シロヤマシダ、胞子のう群




オシダ科 カナワラビ属

・ツクシカナワラビ Arachniodes x clivolum

「ホソバカナワラビとコバノカナワラビのゲノムを有していながら有性生殖をする2倍体のカナワラビ」と言われている。
フィールドでいちいち根茎を掘り起こしてようすを調べるわけにはいかないが、地表から見てもコバノカナワラビに比べ葉をやや間隔を空けてつけている。また、雑種のホソコバカナワラビ(ホソバカナワラビ×コバノカナワラビ)とは頂羽片の有無で区別するとよい。
 頂羽片は無く一見コバノカナワラビに似るが葉はコバノカナワラビより細身。最下羽片後側小羽片は発達する。根茎は細長く這い、コバノカナワラビに比べ葉をつける間隔が長い。胞子数は60個程度確認でき、大きさ・形も整っており有性生殖種と推定できる。

ホソバカナワラビが生育する乾燥気味の崖に生育するツクシカナワラビ(栄養葉)。2026年1月24日 伊豆 戸田
ホソバカナワラビが生育する乾燥気味の崖に生育するツクシカナワラビ(栄養葉)

ツクシカナワラビ、胞子葉。2026年1月24日 伊豆 戸田 ツクシカナワラビ、胞子葉。2026年1月24日 伊豆 戸田
①②ツクシカナワラビ、胞子葉

ツクシカナワラビ、細長く伸びる根茎。葉をつける間隔は長い。2026年1月24日 伊豆 戸田 ツクシカナワラビ、根茎(拡大)には明るい褐色~黒褐色の鱗片をつける。2026年1月24日 伊豆 戸田
①細長く根茎を伸ばし、葉をつける間隔は長いツクシカナワラビ
②根茎には明るい褐色~黒褐色の鱗片をつけるツクシカナワラビ

ツクシカナワラビ、胞子を観察した葉。2026年1月24日 伊豆 戸田 ツクシカナワラビ、胞子嚢群および包膜。2026年1月24日 伊豆 戸田
①ツクシカナワラビ、胞子を観察した葉
②ツクシカナワラビ、胞子嚢群および包膜

ツクシカナワラビ、胞子数は60個程度確認。胞子の大きさ・形は整い有性生殖種と推定される。2026年1月24日 伊豆 戸田 ツクシカナワラビ、胞子数は62個程度確認。胞子の大きさ・形は整い有性生殖種と推定される。2026年1月24日 伊豆 戸田
①ツクシカナワラビ、1つの胞子のうを壊したようす
②ツクシカナワラビ、1つの胞子のうを壊したようす

ツクシカナワラビ、胞子上面。2026年1月24日 伊豆 戸田 ツクシカナワラビ、胞子側面。2026年1月24日 伊豆 戸田
①ツクシカナワラビ、胞子上面
②ツクシカナワラビ、胞子側面




・オオカナワラビ(羽片・小羽片込み合う)

変わったオオカナワラビに出会った。葉は光沢は乏しく革質で厚みがあり、羽片・小羽片葉込み合ってつける。
羽片・小羽片が込み合うオオカナワラビ。2026年1月24日 伊豆 戸田
羽片・小羽片が込み合うオオカナワラビ

革質、羽片・小羽片が込み合う。2026年1月24日 伊豆 戸田
革質、羽片・小羽片が込み合う




ウラボシ科 オキノクリハラン属

・イワヒトデ Leptochilus ellipticus

ゴルジュになった渓谷の岸壁に生育。
ゴルジュの岩壁に生育するイワヒトデ。2026年1月24日 伊豆 戸田
ゴルジュの岩壁に生育するイワヒトデ

イワヒトデ、胞子のう群。2026年1月24日 伊豆 戸田
イワヒトデ、胞子のう群




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