釜無山石灰岩地帯 その2

標高1600~1700m、渓谷沿いに生育するシダ類。2019年7月13日 釜無川支流
秩父や奥多摩の石灰岩地帯と同じく、釜無山東部には中央構造線外帯に属する中生代の石灰岩地帯が構造線に沿って帯状に存在している。
今回は、この石灰岩地帯を含む地域を歩いた。いろいろな環境に生育するシダを観察する目的で、釜無川のひとつの支流から山頂を目指した。たくさんのシダを見ることはできたが、初めてのコースで同行の方々には悪路を共にしていただくこととなり、ご迷惑をおかけすることとなった。
標高1600~1700m、渓谷に住むヤマトイワナ。2020年5月17日 釜無川支流
ヤマトイワナ
再訪時、同行の淡水魚を調べている方が、表紙写真の場所で観察(その後リリース) 
最近はアユなど稚魚の放流に伴い、ヤマトイワナに限らず交雑化や混生が進み、純粋な天然分布が分かりにくくなっているとのことである。

ヒカゲノカズラ科 ヒカゲノカズラ属

明るい林縁内や陽当たりのよい林縁斜面にヒカゲノカズラ、大きいヒカゲノカズラ、アスヒカズラが生育。

ヒカゲノカズラ Lycopodium clavatum var. nipponicum
ヒカゲノカズラ科 ヒカゲノカズラ属

胞子嚢穂葉2~4㎝。
ヒカゲノカズラ。2019年7月13日 釜無山 ヒカゲノカズラ、胞子嚢穂。2019年7月13日 釜無山
(1)ヒカゲノカズラ
(2)ヒカゲノカズラ、胞子嚢穂

ヒカゲノカズラ、胞子嚢穂。2019年7月13日 釜無山 
ヒカゲノカズラ、胞子嚢穂




ヒカゲノカズラ(大形) Lycopodium clavatum var. nipponicum
ヒカゲノカズラ科 ヒカゲノカズラ属

主茎・側枝および葉が、生育環境によって大きくなったヒカゲノカズラかもしれない。胞子嚢穂はヒカゲノカズラよりも短く1.0~1.5㎝であった(これから成長するのかもしれない)。
大きいヒカゲノカズラ。2019年7月13日 釜無山 大きいヒカゲノカズラ、胞子嚢穂。2019年7月13日 釜無山
(1)大きいヒカゲノカズラ
(2)大きいヒカゲノカズラ、胞子嚢穂

大きいヒカゲノカズラ。2019年7月13日 釜無山 大きいヒカゲノカズラ、胞子嚢穂。2019年7月13日 釜無山
(1)(2)大きいヒカゲノカズラ、側枝

大きいヒカゲノカズラ。2019年7月13日 釜無山 大きいヒカゲノカズラ、胞子嚢穂。2019年7月13日 釜無山
(1)(2)大きいヒカゲノカズラ、主茎
(1)(2)大きいヒカゲノカズラ、側枝

大きいヒカゲノカズラ、胞子嚢穂。2019年7月13日 釜無山 ヒカゲノカズラの胞子嚢穂(左)と大きいヒカゲノカズラ、胞子嚢穂(右)。2019年7月13日 釜無山 
(1)大きいヒカゲノカズラ、胞子嚢穂 
(2)ヒカゲノカズラの胞子嚢穂(左)と大きいヒカゲノカズラ、胞子嚢穂(右)
※大きいヒカゲノカズラの胞子嚢穂はこれからまだ成長するのかもしれない。

ヒカゲノカズラの側枝(上)と大きいヒカゲノカズラ、側枝(下)。2019年7月13日 釜無山 ヒカゲノカズラの側枝(右)は2㎜弱、大きいヒカゲノカズラ、側枝(左)は3㎜弱。2019年7月13日 釜無山 
(1)ヒカゲノカズラ、側枝(上)と大きいヒカゲノカズラ、側枝(下)
(2)ヒカゲノカズラ、側枝の茎径(左)と大きいヒカゲノカズラ、茎径(右)




アスヒカズラ Diphasiastrum complanatum
ヒカゲノカズラ科 アスヒカズラ属

水はけはよいが、ウエットな林縁斜面に生育。
アスヒカズラ。2019年7月13日 釜無山 アスヒカズラ。2019年7月13日 釜無山 
アスヒカズラ
林縁の斜面に群生するアスヒカズラ

アスヒカズラ、胞子嚢穂。2019年7月13日 釜無山 アスヒカズラ、胞子嚢穂。2019年7月13日 釜無山
(1)(2)アスヒカズラ、胞子嚢穂

アスヒカズラ、葉。2019年7月13日 釜無山 アスヒカズラ、葉。2019年7月13日 釜無山
(1)(2)アスヒカズラ、葉





2020年5月17日再訪時観察。

ハナヤスリ科 オオハナワラビ属

ヤマハナワラビ Sceptridium multifidum
ハナヤスリ科 オオハナワラビ属

標高1600~1700m、表紙の渓谷のそばの陽光地にシバやシロバナヘビイチゴが生育する丈の低い草地に点在して生育。葉はやや厚く光沢がある。裂片の先は鈍頭で辺縁の鋸歯は目立たず鋭くない。
標高1600~1700m、渓谷沿いの明るい草地に生育するヤマハナワラビ 。2020年5月17日 釜無山 ヤマハナワラビ、葉はやや厚く光沢があり裂片の先は鈍頭で辺縁の鋸歯は目立たず鋭くない 。2020年5月17日 釜無山
(1)(2)標高1600~1700m、表紙の渓谷のそばの陽光地に生育するヤマハナワラビ

ヤマハナワラビ、葉はやや厚く光沢があり裂片の先は鈍頭で辺縁の鋸歯は目立たず鋭くない 。2020年5月17日 釜無山 ヤマハナワラビ、葉はやや厚く光沢があり裂片の先は鈍頭で辺縁の鋸歯は目立たず鋭くない 。2020年5月17日 釜無山
(3)(4)標高1600~1700m、表紙の渓谷のそばの陽光地に生育するヤマハナワラビ

標高1600~1700m、渓谷沿いの明るい草地に生育するヤマハナワラビ 。2020年5月17日 釜無山 標高1600~1700m、渓谷沿いの明るい草地に生育するヤマハナワラビ。2020年5月17日 釜無山
(5)(6)標高1600~1700m、表紙の渓谷のそばの陽光地に生育するヤマハナワラビ




ゼンマイ科 ヤマドリゼンマイ属

ヤマドリゼンマイ Osmundastrum cinnamomeum var. fokien
ゼンマイ科 ヤマドリゼンマイ属


渓谷沿いの陽当たりのよい草地に高茎草本と共に群生。




コバノイシカグマ科 コバノイシカグマ属

オウレンシダ Sitobolium wilfordii
コバノイシカグマ科 イヌシダ属

石灰岩地帯では大群落を形成し普通種であるが、ほかではまばらに見られる程度。
石灰岩の岩屑上に群生するオウレンシダ。2019年7月13日 釜無山
オウレンシダ




コバノイシカグマ科 オオフジシダ属

フジシダ Monachosorum maximowiczii
コバノイシカグマ科 オオフジシダ属

岩屑上に群生するフジシダ。2019年7月13日 釜無山 フジシダ。2019年7月13日 釜無山
(1)(2)フジシダ

フジシダ、羽片。2019年7月13日 釜無山 フジシダ、胞子嚢群。2019年7月13日 釜無山
(1)フジシダ、羽片
(2)フジシダ、胞子嚢群

フジシダ、芽立ち。2019年6月22日 釜無山
フジシダ、芽立ち




イノモトソウ科 イワガネゼンマイ属

イワガネゼンマイ Coniogramme intermedia
イノモトソウ科 イワガネゼンマイ属

山頂付近石灰岩地帯では羽片のスリムなイワガネゼンマイがタチヒメワラビと共に群生していた。

タチヒメワラビ(中央)と一緒に生育する羽片のスリムなイワガネゼンマイ。2019年7月13日 釜無山 林縁斜面に群生する羽片のスリムなイワガネゼンマイ。2019年7月13日 釜無山
(1)(2)羽片のスリムなイワガネゼンマイ




イノモトソウ科 ホウライシダ属

ハコネシダ Adiantum monochlamys
イノモトソウ科 ホウライシダ属

クジャクシダ Adiantum pedatum
イノモトソウ科 ホウライシダ属





ナヨシダ科 ナヨシダ属

ナヨシダ Cystopteris fragilis
ナヨシダ科 ナヨシダ属

石灰岩地帯、石灰岩上に生育。薄暗い林内~多少樹木はあるが明るい環境。

片側が開けた石灰岩の明るい崖に生育するナヨシダ。2019年7月13日 釜無山 片側が開けた石灰岩の明るい崖に生育するナヨシダ。2019年7月13日 釜無山
(1)(2)石灰岩の明るい崖に生育するナヨシダ

樹林内の石灰岩の岩壁に生育するナヨシダ。2019年7月13日 釜無山 樹林内の石灰岩の岩壁に生育するナヨシダ。2019年7月13日 釜無山
(1)(2)樹林内の石灰岩上に生育するナヨシダ

胞子嚢群にバンダナを巻いたような包膜。2019年7月13日 釜無山 包膜からあふれる胞子嚢群。2019年7月13日 釜無山
(1)(2)ナヨシダ、胞子嚢群

包膜は片側に開く。2019年7月13日 釜無山 包膜は膜質・半透明。2019年7月13日 釜無山
(1)(2)ナヨシダ、包膜

胞子数は60個程度確認でき有性生殖種。2019年7月13日 釜無山
ナヨシダ、1つの胞子嚢を壊したようす

ナヨシダシダ、胞子上面。2019年7月13日 釜無山 ナヨシダシダ、胞子側面。2019年7月13日 釜無山
(1)ナヨシダ、胞子上面
(2)ナヨシダ、胞子上面

ナヨシダシダ、胞子上面。2019年7月13日 釜無山 ナヨシダシダ、胞子側面。2019年7月13日 釜無山
(1)ナヨシダ、胞子上面
(2)ナヨシダ、胞子上面




ヤマヒメワラビ Cystopteris sudetica
ナヨシダ科 ナヨシダ属

樹林内を流れ下る渓谷沿いの岩上に生育。根茎は長く這い、間隔をあけて葉をつける。葉柄や中軸は瑞々しく柔らかい。葉柄には黒褐色・膜質の鱗片をまばらにつける。包膜は一部開いて胞子嚢をのぞかせる。包膜上には腺点のような突起が見られた。北岳3000m付近で観察されたヤマヒメワラビと同じものかどうか改めて調べる必要がある。

渓谷の岩上にコケ類と共に葉を広げるヤマヒメワラビ。2019年7月13日 釜無山 暗い岩壁に群生するヤマヒメワラビ。2019年7月13日 釜無山
(1)渓谷の岩上にコケ類と共に葉を広げるヤマヒメワラビ
(2)暗い岩壁に群生するヤマヒメワラビ

ヤマヒメワラビ、葉身。2019年7月13日 釜無山 ヤマヒメワラビ、胞子嚢群。2019年7月13日 釜無山  
(1)ヤマヒメワラビ、葉身
(2)ヤマヒメワラビ、胞子嚢群

ヤマヒメワラビ、根茎は長く這い間隔をあけて葉をつける。2019年7月13日 釜無山 ヤマヒメワラビ、葉柄・中軸・羽片は瑞々しく柔らかい。2019年7月13日 釜無山 
(1)(2)ヤマヒメワラビ、根茎・葉柄

ヤマヒメワラビ、胞子嚢群。2019年7月13日 釜無山 ヤマヒメワラビ、胞子嚢群。2019年7月13日 釜無山 
(1)(2)ヤマヒメワラビ、胞子嚢群

ヤマヒメワラビ、包膜は片側に開く。2019年7月13日 釜無山 ヤマヒメワラビ、包膜上には突起がある。2019年7月13日 釜無山 
(1)(2)ヤマヒメワラビ、包膜

ヤマヒメワラビ、胞子数は60個近く確認でき有性生殖種。2019年7月13日 釜無山 
ヤマヒメワラビ、1つの胞子嚢を壊したようす

ヤマヒメワラビ、胞子上面。2019年7月13日 釜無山 ヤマヒメワラビ、胞子側面。2019年7月13日 釜無山 
(1)ヤマヒメワラビ、胞子上面
(2)ヤマヒメワラビ、胞子側面

ヤマヒメワラビ、胞子上面。2019年7月13日 釜無山 ヤマヒメワラビ、胞子側面。2019年7月13日 釜無山 
(1)ヤマヒメワラビ、胞子上面
(2)ヤマヒメワラビ、胞子側面




ナヨシダ科 ウサギシダ属

イワウサギシダ Gymnocarpium robertianum
ナヨシダ科 ウサギシダ属

山頂近くの陽当りのよい石灰岩の岩屑上や岩壁に生育。

明るい石灰岩の岩屑上に群生するイワウサギシダ。2019年7月13日 釜無山 明るい石灰岩の岩屑上に群生するイワウサギシダ。2019年7月13日 釜無山
(1)(2)明るい石灰岩の岩屑上に群生するイワウサギシダ

陽当りのよい石灰岩の岩壁に生育するイワウサギシダ。2019年7月13日 釜無山 陽当りのよい石灰岩の岩壁に生育するイワウサギシダ(栄養葉)。2019年7月13日 釜無山
(1)(2)陽当りのよい石灰岩の岩壁に生育するイワウサギシダ




チャセンシダ科 チャセンシダ属

アオチャセンシダ Asplenium viride
チャセンシダ科 チャセンシダ属

石灰岩の岩壁、岩の割れ目などに生育する。

陽当りのよい石灰岩の岩壁の割れ目に生育するアオチャセンシダ。2019年7月13日 釜無山 樹林内の石灰岩上に生育するアオチャセンシダ。2019年7月13日 釜無山
(1)(2)石灰岩上に割れ目に生育するアオチャセンシダ

アオチャセンシダ、葉身。2019年7月13日 釜無山 アオチャセンシダ、葉身裏側。2019年7月13日 釜無山
(1)アオチャセンシダ、葉身
(2)アオチャセンシダ、葉身裏側

アオチャセンシダ、胞子嚢群。2019年7月13日 釜無山 アオチャセンシダ、胞子嚢群と包膜。2019年7月13日 釜無山
(1)(2)アオチャセンシダ、胞子嚢群




コタニワタリ Asplenium scolopendrium
チャセンシダ科 チャセンシダ属

石灰岩の岩の割れ目に生育する。

石灰岩の岩の割れ目に生育するコタニワタリ。2019年7月13日 釜無山 コタニワタリ、胞子嚢群。2019年7月13日 釜無山
(1)石灰岩の岩の割れ目に生育するコタニワタリ
(2)コタニワタリ、胞子嚢群




ヒメシダ科 タチヒメワラビ属

タチヒメワラビ Pseudophegopteris microstegia
ヒメシダ科 タチヒメワラビ属

釜無山上部、石灰岩地帯に広がる針葉樹林の林縁、ある程度腐植が堆積していると思われる草原斜面にはイワガネゼンマイを含む高茎草本が生い茂る。共に生育しているイワガネゼンマイは羽片の幅が狭い。
 標高1200~1300mの釜無山中腹、同じ石灰岩地帯、カラマツ林内でもタチヒメワラビを観察。

林縁に広がる高茎草本の草原斜面に群生するタチヒメワラビ。2019年7月13日 釜無山 タチヒメワラビ、葉身上部。2019年7月13日 釜無山
(1)(2)林縁に広がる高茎草本の草原斜面に群生するタチヒメワラビ

タチヒメワラビ、最下羽片。2019年7月13日 釜無山 タチヒメワラビ、羽片。2019年7月13日 釜無山
(1)タチヒメワラビ、最下羽片
(2)タチヒメワラビ、羽片

タチヒメワラビ、羽片裏側。2019年7月13日 釜無山 タチヒメワラビ、中軸。2019年7月13日 釜無山
(1)タチヒメワラビ、羽片裏側
(2)タチヒメワラビ、中軸

タチヒメワラビ、胞子嚢群。2019年7月13日 釜無山
タチヒメワラビ、胞子嚢群




ヒメシダ科 ミヤマワラビ属''

ミヤマワラビ Phegopteris connectilis
ヒメシダ科 ミヤマワラビ属

釜無山では山頂付近まで普通に観察される。




イワデンダ科 イワデンダ属

イワデンダ Woodsia polystichoides
イワデンダ科 イワデンダ属

釜無川支流、チャートや砂岩などの岩壁に生育。




トガクシデンダ Woodsia glabella
イワデンダ科 イワデンダ属

釜無山上部、石灰岩上に生育。樹林内の石灰岩上にはナヨシダも生育しており、よく似ているので区別に注意が必要。

明るい石灰岩上に生育するトガクシデンダ。2019年7月13日 釜無山 明るい石灰岩上に生育するトガクシデンダ。2019年7月13日 釜無山 
(1)(2)明るい石灰岩上に生育するトガクシデンダ(同一個体)

樹林内の石灰岩上に生育するトガクシデンダ。2019年7月13日 釜無山 樹林内の石灰岩上に生育するトガクシデンダ(右および左下)とアオチャセンシダ(左)。2019年7月13日 釜無山 
(1)(2)樹林内の石灰岩上に生育するトガクシデンダ

トガクシデンダ、葉の裏側の包膜の毛が羽片からはみ出す。2019年7月13日 釜無山 トガクシデンダ、羽片裏側。2019年7月13日 釜無山 
(1)トガクシデンダ、羽片
(2)トガクシデンダ、羽片裏側

トガクシデンダ、胞子嚢群および包膜。2019年7月13日 釜無山 トガクシデンダ、胞子嚢群および包膜。2019年7月13日 釜無山 
(1)(2)トガクシデンダ、胞子嚢群および包膜




シシガシラ科 ヒリュウシダ属

オサシダ Spicantopsis amabilis
シシガシラ科 シシガシラ属

標高1500m前後で観察。成育する標高の範囲は不明。針葉樹を中心とした自然林の樹林帯の中を流れる渓谷沿いの切り立った岩場に成育。

渓谷沿いの樹林帯の岩上に成育するオサシダ。2020年5月22日 釜無山中腹 オサシダ、新芽。2020年5月22日 釜無山中腹 
(1)渓谷沿いの樹林帯内の岩壁に成育オサシダ。標高1500~1700mで観察。
(2)オサシダ、新芽




メシダ科 メシダ属

イッポンワラビ Athyrium crenulatoserrulatum
メシダ科 メシダ属

釜無川支流、渓谷沿いで普通に見られる。
イッポンワラビ、釜無川支流の沢沿いで観察。2019年7月13日 釜無山 
(写真の映りが今一ですみません)

イッポンワラビ、胞子嚢群はほぼ円形で小さい。2019年7月13日 釜無山 イッポンワラビ、包膜はない。2019年7月13日 釜無山
(1)(2)イッポンワラビ、胞子嚢群




タカネサトメシダ Athyrium pinetorum
メシダ科 メシダ属

釜無山高所石灰岩地帯で観察。針葉樹林下林床に生育。葉柄は長く、葉身と同長かそれよりも長い。葉柄基部には淡褐色・膜質・広披針形の鱗片をつける。葉の大きさは45~55㎝、卵状三角形、草質、2回~3回羽状に分かれる。胞子嚢群は中肋寄りにつき、包膜の端は和紙を裂いたようにほつれる。

針葉樹林林床に生育するタカネサトメシダ。2019年7月13日 釜無山 針葉樹林林床に生育するタカネサトメシダ。2019年7月13日 釜無山 
(1)(2)針葉樹林林床に生育するタカネサトメシダ

タカネサトメシダ、羽片。2019年7月13日 釜無山 タカネサトメシダ、芽立ち。2019年7月13日 釜無山 
(1)(2)タカネサトメシダ、羽片
(1)(2)タカネサトメシダ、新芽の芽立ち

タカネサトメシダ、葉柄。2019年7月13日 釜無山 タカネサトメシダ、葉柄の鱗片。2019年7月13日 釜無山 
(1)(2)タカネサトメシダ、葉柄
(1)(2)タカネサトメシダ、葉柄の鱗片

タカネサトメシダ、包膜。2019年7月13日 釜無山 タカネサトメシダ、包膜。2019年7月13日 釜無山 
(1)(2)タカネサトメシダ、包膜




ミヤマヘビノネゴザタカネサトメシダに似た小形のシダ Athyrium rupestre''
メシダ科 メシダ属

釜無山高所石灰岩地帯で観察。針葉樹林下、朽ちた倒木上にコケ類と共に林床に生育。外観は小さなヘビノネゴザに似る。葉柄は3~6㎝で葉身の1/3程度。葉柄には褐色・膜質の鱗片をつける。葉身は草質・黄緑色で柔らかく2回羽状、12~16㎝。小羽片は羽軸に広く合着する。包膜の端は和紙を裂いたようにほつれる。付近にはイワウサギシダやタカネサトメシダが生育。

訂正※最初ミヤマヘビノネゴザとしその後タカネサトメシダに似た小形のシダとした。今回再度、ミヤマヘビノネゴザする2024年2月2日};

針葉樹林下朽ちた倒木上に生育するミヤマヘビノネゴザ''<del>タカネサトメシダに似た小形のシダ</del>。2019年7月13日 釜無山 ミヤマヘビノネゴザ''<del>タカネサトメシダに似た小形のシダ</del>、葉身。2019年7月13日 釜無山
(1)針葉樹林下朽ちた倒木上に生育するミヤマヘビノネゴザ''タカネサトメシダに似た小形のシダ
(2)ミヤマヘビノネゴザ''タカネサトメシダに似た小形のシダ、葉身

ミヤマヘビノネゴザ''<del>タカネサトメシダに似た小形のシダ</del>、葉柄基部。2019年7月13日 釜無山 
ミヤマヘビノネゴザ''タカネサトメシダに似た小形のシダ、葉柄基部

ミヤマヘビノネゴザ''<del>タカネサトメシダに似た小形のシダ</del>、葉柄。2019年7月13日 釜無山 ミヤマヘビノネゴザ''<del>タカネサトメシダに似た小形のシダ</del>、葉柄鱗片。2019年7月13日 釜無山
(1)ミヤマヘビノネゴザ''タカネサトメシダに似た小形のシダ、葉柄
(2)ミヤマヘビノネゴザ''タカネサトメシダに似た小形のシダ、葉柄鱗片

タカネサトメシダに似た小形のシダ、羽片。2019年7月13日 釜無山 タカネサトメシダに似た小形のシダ、羽片。2019年7月13日 釜無山
(1)(2)ミヤマヘビノネゴザ''タカネサトメシダに似た小形のシダ、羽片

ミヤマヘビノネゴザ''<del>タカネサトメシダに似た小形のシダ</del>、羽片基部には褐色の鱗片や毛が生える。2019年7月13日 釜無山
ミヤマヘビノネゴザ''タカネサトメシダに似た小形のシダ、羽片基部

ミヤマヘビノネゴザ''<del>タカネサトメシダに似た小形のシダ</del>、包膜。2019年7月13日 釜無山 ミヤマヘビノネゴザ''<del>タカネサトメシダに似た小形のシダ</del>、包膜。2019年7月13日 釜無山
(1)(2)ミヤマヘビノネゴザ''タカネサトメシダに似た小形のシダ、包膜




ミヤマメシダ Athyrium melanolepis
メシダ科 メシダ属

釜無山中腹渓谷沿い(標高およそ1400m)~釜無山上部(標高およそ2000m)まで観察。
葉の大きさは40~70㎝、黄緑色。葉柄および中軸の鱗片は黒に近い黒褐色。
ミヤマメシダ。2019年7月13日 釜無川支流 ミヤマメシダ。2019年7月13日 釜無山 
(1)(2)ミヤマメシダ

ミヤマメシダ、葉身下部。2019年7月13日 釜無山 ミヤマメシダ、葉柄。2019年7月13日 釜無山 
(1)(2)ミヤマメシダ、葉身下部
(1)(2)ミヤマメシダ、葉柄




メシダ科 シケシダ属

オオメシダ Deparia pterorachis
メシダ科 シケシダ属

釜無川支流渓谷沿いおよび釜無山高所沢沿いで観察。林内~林縁、沢沿いのウエットな環境に生育。この季節まだ葉身は展開しつつあり150㎝程度あった。完全に展開すると2m程度になると思われる。

林縁の急な谷筋に生育するオオメシダ。2019年7月13日 釜無山 オオメシダ、展開しつつある葉身。2019年7月13日 釜無山
(1)林縁の急な谷筋に生育するオオメシダ
(2)展開しつつあるオオメシダの葉

オオメシダ、葉柄の鱗片。2019年7月13日 釜無山 
(1)オオメシダ、葉柄の鱗片

オオメシダ、羽片。2019年7月13日 釜無山 オオメシダ、小羽片。2019年7月13日 釜無山
(1)オオメシダ、羽片
(2)オオメシダ、小羽片



幼株 釜無山中腹で観察
釜無川支流渓谷で見られたオオメシダの幼株。2019年7月13日 釜無山 釜無川支流渓谷で見られたオオメシダの幼株。2019年7月13日 釜無山
(1)オオメシダの幼株
(2)オオメシダの幼株、葉身

釜無川支流渓谷で見られたオオメシダの幼株。2019年7月13日 釜無山 釜無川支流渓谷で見られたオオメシダの幼株。2019年7月13日 釜無山
(1)オオメシダの幼株、最下羽片
(2)オオメシダの幼株、羽片

オオメシダの幼株の葉柄、短毛があり幅の広い褐色の鱗片を貼り付くようにつける。2019年7月13日 釜無山
(1)オオメシダの幼株、葉柄




メシダ科 ノコギリシダ属

標高1500m前後では樹林内ではミヤマシダ、狭い渓谷沿いの草原の林縁ではキヨタキシダが観察された。釜無山上部の石灰岩地帯ではキタノミヤマシダが観察された。

キヨタキシダ Diplazium squamigerum
メシダ科 ノコギリシダ属

樹林内にはミヤマシダが生育するが、両側の山が迫った狭い河原に高茎草本と共に生育していた。
渓谷沿いの河原に生育するキヨタキシダ。2019年7月13日 釜無山




ミヤマシダ Diplazium sibiricum var. glabrum
メシダ科 ノコギリシダ属

釜無川支流渓谷沿いでは樹冠に覆わた暗い林道沿いでイッポンワラビと共に普通に見られる。

暗い林道沿いの崖に生育するミヤマシダ。2019年6月22日 釜無山 暗い林道沿いの崖に生育するミヤマシダ。2019年6月22日 釜無山 
(1)(2)暗い林道沿いの崖に生育するミヤマシダ

ミヤマシダ、胞子嚢群。2019年6月22日 釜無山 ミヤマシダ、胞子嚢群。2019年6月22日 釜無山 
(1)(2)ミヤマシダ、胞子嚢群




キタノミヤマシダ Diplazium sibiricum
メシダ科 ノコギリシダ属

釜無山高所石灰岩地帯で観察。針葉樹林下林床に生育。葉柄には黒褐色の鱗片がやや密につく。葉の大きさは30~40㎝(葉身は20~25㎝)、3回羽状に深裂し裂片には鈍鋸歯がある。中軸裏側や羽軸裏側・小羽軸裏側には毛が生える。胞子嚢群は裂片中肋と辺縁の中間につく。包膜の端には鋸歯がある。

針葉樹林林床に生育するキタノミヤマシダ。2019年7月13日 釜無山 キタノミヤマシダ、葉身。2019年7月13日 釜無山 
(1)針葉樹林林床に生育するキタノミヤマシダ
(2)キタノミヤマシダ、葉身

キタノミヤマシダ、葉柄の鱗片。2019年7月13日 釜無山 キタノミヤマシダ、葉柄基部の鱗片。2019年7月13日 釜無山 
(1)キタノミヤマシダ、葉柄の鱗片
(2)キタノミヤマシダ、葉柄基部の鱗片

キタノミヤマシダ、羽片。2019年7月13日 釜無山 キタノミヤマシダ、羽片。2019年7月13日 釜無山 
(1)(2)キタノミヤマシダ、羽片

キタノミヤマシダ、小羽片裏側の毛。2019年7月13日 釜無山 キタノミヤマシダ、小羽片裏側の毛。2019年7月13日 釜無山 
(1)(2)キタノミヤマシダ、小羽片裏側

キタノミヤマシダ、包膜。2019年7月13日 釜無山 キタノミヤマシダ、包膜。2019年7月13日 釜無山 
(1)(2)キタノミヤマシダ、包膜

キタノミヤマシダ、胞子数は50個程度確認でき有性生殖種。2019年7月13日 釜無山 キタノミヤマシダ、胞子数は55個程度確認でき有性生殖種。2019年7月13日 釜無山 
(1)(2)キタノミヤマシダ、1つの胞子を壊したようす

キタノミヤマシダ、胞子上面。2019年7月13日 釜無山 キタノミヤマシダ、胞子側面。2019年7月13日 釜無山 
(1)キタノミヤマシダ、胞子上面
(2)キタノミヤマシダ、胞子側面

キタノミヤマシダ、胞子上面。2019年7月13日 釜無山 キタノミヤマシダ、胞子側面。2019年7月13日 釜無山 
(1)キタノミヤマシダ、胞子上面
(2)キタノミヤマシダ、胞子側面




オシダ科 カナワラビ属''

シノブカグマ Arachniodes mutica
オシダ科 カナワラビ属




オシダ科 オシダ属''

オシダ Dryopteris crassirhizoma
オシダ科 オシダ属

シラネワラビ Dryopteris expansa
オシダ科 オシダ属




オシダ科 イノデ属''

ジュウモンジシダ、ツルデンダ、ホソイノデ、イワシロイノデ、トヨグチイノデを観察。

ジュウモンジシダ Polystichum tripteron
オシダ科 イノデ属

渓谷沿いで普通に見られる。

ツルデンダ Polystichum craspedosorum
オシダ科 イノデ属

1株観察。意外に石灰岩地帯の岩場ではあまり生えていなかった。標高が高いためであろうか。

イワシロイノデ Polystichum ovatopaleaceum var. coraiense
オシダ科 イノデ属

釜無川支流渓谷沿い樹林内ではやや普通に見られる。胞子嚢群は葉身上側・羽片先からつくが、葉身中部の胞子嚢群はやや辺縁寄りにつき、葉身上部では中間につく。
釜無山中腹(~1800m)の樹林林帯林床に生育するイワシロイノデ。2019年7月13日 釜無山 イワシロイノデ、羽片。2019年7月13日 釜無山
(1)渓谷沿いの林床に生育するイワシロイノデ
(2)イワシロイノデ、羽片

イワシロイノデ、葉柄上部。2019年7月13日 釜無山 イワシロイノデ、葉柄下部。2019年7月13日 釜無山
(1)イワシロイノデ、葉柄上部
(2)イワシロイノデ、葉柄下部

イワシロイノデ、中軸の鱗片。2019年7月13日 釜無川支流 
イワシロイノデ、中軸の鱗片

イワシロイノデ、葉身中部~上部の胞子嚢群は中間につく。2019年7月13日 釜無山 イワシロイノデ、葉身中部の胞子嚢群はやや辺縁寄りにつく。2019年7月13日 釜無山
(1)葉身中部~上部の胞子嚢群は中間につくイワシロイノデイ
(2)葉身中部の胞子嚢群はやや辺縁寄りにつくイワシロイノデ

標本2
釜無山中腹(~1800m)の樹林林帯林床に生育するイワシロイノデ。2019年7月13日 釜無山 イワシロイノデ胞子嚢群、上部では中間に、葉身中部つき始めでは辺縁寄りにつく。2019年7月13日 釜無山
(1)渓谷沿いの林床に生育するイワシロイノデ
(2)イワシロイノデ、胞子嚢群

イワシロイノデ、葉身中部の胞子嚢群はやや辺縁寄りにつく。2019年7月13日 釜無山
葉身中部の胞子嚢群はやや辺縁寄りにつくイワシロイノデ

イワシロイノデ、葉柄鱗片。2019年7月13日 釜無山 イワシロイノデ、中軸鱗片。2019年7月13日 釜無山
(1)イワシロイノデ、葉柄鱗片
(2)イワシロイノデ、中軸鱗片



ホソイノデ Polystichum braunii
オシダ科 イノデ属

釜無山中腹~かけて。樹林林帯を流れる渓谷沿い、岩場や腐食の少ない林床に生育するホソイノデ。2019年7月13日 釜無川支流 ホソイノデ、羽片。2019年7月13日 釜無川支流
(1)渓谷沿いの林床に生育するホソイノデ
(2)ホソイノデ、羽片

ホソイノデ、葉柄基部の鱗片。2019年7月13日 釜無川支流 ホソイノデ、中軸の鱗片。2019年7月13日 釜無川支流
(1)ホソイノデ、葉柄基部の鱗片
(2)ホソイノデ、中軸の鱗片

ホソイノデ、葉身下部。2019年7月13日 釜無川支流 ホソイノデ、葉身下部裏側。2019年7月13日 釜無川支流
(1)ホソイノデ、葉身下部
(2)ホソイノデ、葉身下部裏側

ホソイノデ、胞子嚢群。2019年7月13日 釜無川支流 ホソイノデ、包膜。2019年7月13日 釜無川支流
(1)(2)ホソイノデ、胞子嚢群

ホソイノデ、胞子数は60個以上確認できる。有性生殖種。2019年7月13日 釜無川支流 ホソイノデ、胞子数は60個以上確認できる。有性生殖種。2019年7月13日 釜無川支流
(1)(2)ホソイノデ、1つの胞子嚢を壊したようす

ホソイノデ、胞子上面。2019年7月13日 釜無山 ホソイノデ、胞子側面。2019年7月13日 釜無山 
(1)ホソイノデ、胞子上面
(2)ホソイノデ、胞子側面

ホソイノデ、胞子上面。2019年7月13日 釜無山 ホソイノデ、胞子側面。2019年7月13日 釜無山 
(1)ホソイノデ、胞子上面
(2)ホソイノデ、胞子側面

ホソイノデ、小さな成株(葉の長さ18~25㎝。2019年7月13日 釜無山 
(1)ホソイノデ、小さな成株




トヨグチイノデ Polystichum ohmurae
オシダ科 イノデ属

樹林帯内石灰岩上やその周辺の林床に生育。6株程度観察。葉の大きさは20~30㎝。葉身の先は鋭くなく鈍頭。胞子嚢群は辺縁寄り。

釜無山上部石灰岩地帯、樹冠に覆われた石灰岩の岩壁の周辺や腐食が載った岩棚に生育するトヨグチイノデ。2019年7月13日 釜無山 
石灰岩地帯の樹林内に生育するトヨグチイノデ

トヨグチイノデ、葉身。2019年7月13日 釜無山 トヨグチイノデ、羽片。2019年7月13日 釜無山
(1)トヨグチイノデ、葉身
(2)トヨグチイノデ、羽片

トヨグチイノデ、葉柄の鱗片。2019年7月13日 釜無山 トヨグチイノデ、中軸の鱗片。2019年7月13日 釜無山
(1)トヨグチイノデ、葉柄の鱗片
(2)トヨグチイノデ、中軸の鱗片

トヨグチイノ、胞子嚢群は辺縁寄りにつく。2019年7月13日 釜無山 トヨグチイノ、胞子嚢群は辺縁寄りにつく。2019年7月13日 釜無山
(1)(2)トヨグチイノデ、胞子嚢群




ウラボシ科 ノキシノブ属''

ナガオノキシノブ Lepisorus rufofuscus
ウラボシ科 ノキシノブ属

樹林内の石灰岩上に生育。胞子嚢群をつけた株は観察できなかった。

岩壁に生育するナガオノキシノブ。2019年7月13日 釜無山 岩壁に生育するナガオノキシノブ。2019年7月13日 釜無山
(1)(2)岩壁に生育するナガオノキシノブ




ミヤマノキシノブ Lepisorus ussuriensis var. distans
ウラボシ科 ノキシノブ属

岩壁に生育するミヤマノキシノブ(中央)とイワデンダ。2019年7月13日 釜無山 ミヤマノキシノブ、葉身は艶が無くマットな質感。2019年7月13日 釜無山
(1)岩壁に生育するミヤマノキシノブ
(2)ミヤマノキシノブ、葉身

根茎は長く這い間隔をあけて葉をつける。2019年7月13日 釜無山 
ミヤマノキシノブ、根茎

ミヤマノキシノブ、胞子嚢群をつけた葉の表面。2019年7月13日 釜無山 ミヤマノキシノブ、胞子嚢群。2019年7月13日 釜無山
(1)ミヤマノキシノブ、胞子嚢群をつけた葉の表面
(2)ミヤマノキシノブ、胞子嚢群




ウラボシ科 エゾデンダ属''

オシャグジデンダ Polypodium fauriei
ウラボシ科 エゾデンダ属

冬緑性。1400~1500m、いくつかの石組みや岩壁で観察。ちょうどこの季節、葉が枯れる時期であった。葉の大きさは10~20㎝。

林道の石組みに生育するオシャグジデンダ。2019年7月13日 釜無山 垂直の岩壁の途中に生育するオシャグジデンダ。2019年7月13日 釜無山
(1)(2)林道の石組みに生育するオシャグジデンダ
(1)(2)岩壁に生育するオシャグジデンダ

オシャグジデンダ、葉の裏側。2019年7月13日 釜無山
オシャグジデンダ、葉の裏側





エゾデンダあるいはオシャグジデンダ
夕方近く下山を急いでいたので葉柄基部の鱗片に栗色が入るかどうか・葉の裏側に毛があるかどうかなど確認できていない。前項のオシャグジデンダよりも標高の高いおよそ標高1800mに生育、葉は枯れていなかったのでエゾデンダの可能性が考えられる。樹林帯斜面に留まる大きな角張った転石の切り立った側面に20株程度間隔をあけて群生。岩上にはオシダやシラネワラビなどいろいろなシダが生育していた(岩上なので鹿の食害を免れているのであろうか)。葉は1枚も枯れておらず常緑性(この季節、オシャグジデンダは枯れ始めている)。
エゾデンダあるいはオシャグジデンダ。2019年7月13日 釜無山 エゾデンダあるいはオシャグジデンダ、樹林内の巨岩の側面に生育。2019年7月13日 釜無山
(1)樹林内の巨岩の側面に生育するエゾデンダあるいはオシャグジデンダ
(2)エゾデンダあるいはオシャグジデンダが生育する巨岩

エゾデンダあるいはオシャグジデンダ、羽片裏側。2019年7月13日 釜無山
エゾデンダあるいはオシャグジデンダ、羽片裏側




ウラボシ科 カラクサシダ属

カラクサシダ Pleurosoriopsis makinoi
ウラボシ科 カラクサシダ属

渓谷沿い、滝のような落差がある流れのそばの岩上に成育。冬緑生。
渓谷沿いの流れのそばの岩上に成育するカラクサシダ。2020年5月22日 釜無山中腹 カラクサシダ。2020年5月22日 釜無山中腹 
(1)渓谷沿いの流れのそばの岩上に成育するカラクサシダ
(2)カラクサシダ



そのほかの植物

バイカウツギ          ベニバナイチヤクソウ
他の石灰岩地帯でもよく見かけるバイカウツギ。2019年7月13日 釜無山 ベニバナイチヤクソウ。2019年7月13日 釜無山
(1)バイカウツギ
(2)ベニバナイチヤクソウ

ニシキウツギタニウツギか
ニシキウツギ<del>タニウツギか</del>。標高2000m近くの石灰岩上に生育。2019年7月13日 釜無山
ニシキウツギタニウツギか
※詳しい方に教えていただき、訂正いたします。2021年6月28日

シロバナニシキウツギ不明なウツギの仲間あるいはウコンウツギ
シロバナニシキウツギ<del>不明なウツギの仲間あるいはウコンウツギ</del>知られているウコンウツギの分布域と異なるが。2019年7月13日 釜無山 
シロバナニシキウツギ不明なウツギの仲間あるいはウコンウツギ
※詳しい方に教えていただき、訂正いたします。2021年6月28日

タカネバラ
タカネバラ、石灰岩上に生育。2019年7月13日 釜無山 タカネバラの実。2019年7月13日 釜無山
(1)(2)石灰岩壁に生育するタカネバラ

ヒロハヘビノボラズ
明るい林縁に生育するヒロハヘビノボラズ。2019年7月13日 釜無山 ヒロハヘビノボラズ、葉。2019年7月13日 釜無山
(1)(2)ヒロハヘビノボラズ

クリンソウ
釜無川支流渓谷沿いに生育するクリンソウ。2019年7月13日 釜無川支流渓谷 クリンソウ。2019年7月13日 釜無川支流渓谷
(1)(2)クリンソウ

トガスグリ
釜無山上部林縁のブッシュに生育するトガスグリ。2019年7月13日 釜無山 トガスグリの実。2019年7月13日 釜無山
(1)(2)トガスグリ
※標高1,500m~1600mの釜無川支流渓谷沿いではスグリ(日本固有種)も観察された。

ヤハズハハコ
ヤハズハハコ。石灰岩上に生育。2019年7月13日 釜無山 ヤハズハハコ、葉の基部は次第に細くなり、茎に沿って狭く翼状に流れる。2019年7月13日 釜無山
(1)(2)ヤハズハハコ

シロバナヘビイチゴ
陽当たりのよいよい砂礫地に群生するシロバナヘビイチゴ。2019年7月13日 釜無山 シロバナヘビイチゴの実。2019年7月13日 釜無山
(1)(2)シロバナヘビイチゴ

ホソバキリンソウか
石灰岩上に生育するホソバキリンソウか。2019年7月13日 釜無山 ホソバキリンソウか。2019年7月13日 釜無山
(1)(2)ホソバキリンソウか

ミネウスユキソウ
石灰岩上に生育するミネウスユキソウ。左はホソバキリンソウか2019年7月13日 釜無山 
ミネウスユキソウ

テガタチドリとタチヒメワラビ。2019年7月13日 釜無山 林内石灰岩周辺に生育するササバギンランか。2019年7月13日 釜無山
(1)テガタチドリとタチヒメワラビ
(2)ササバギンランか(ピンボケですみません) 

ホソバミズゴケか。2019年7月13日 釜無山 たぶんコツボゴケ。2019年7月13日 釜無山
(1)ホソバミズゴケか
(2)たぶんコツボゴケ
※詳しい方に教えていただきました。2021年6月28日

クロームイエローのニカワタケか。2019年7月13日 釜無山 石灰岩の残土の上に咲くルリニワセキショウ。2019年7月13日 釜無山
(1)クロームイエローのニカワタケか
(2)石灰岩の残土の上に咲くルリニワセキショウ