Top / 旅の地のシダ / 平成27年8月6日(木)~10日(月)八丈島


三原山山麓から八丈富士を望む。大坂トンネル

以前、八丈島に移住されていたひろちょん氏に案内していただき、八丈島の各所を巡りいろいろなシダを観察しました。観察したシダの一覧の次におおよその生育環境を分けてシダを紹介いたします。また、機会があれば、時間をかけてゆっくり歩いてみたいところばかりでした。今回は、胞子を観察していないので、同定には限界がありました。もし、また訪れる機会があれば胞子のようすも探察したいと思います。
ここでは順次いろいろなシダを紹介させていただきたいと思います。

科名属名種名
ヒカゲノカズラ科 LYCOPODIACEAEコスギラン属 HuperziaトウゲシバHuperzia serrata
ヒロハトウゲシバHuperzia serrata f. intermedia
オニトウゲシバHuperzia serrata var. longipetiolataヒロハトウゲシバに訂正
ナンカクランHuperzia fordii
ヒカゲノカズラ属 Lycopodiumヒカゲノカズラ Lycopodium clavatum
ミズスギ属PalhinhaeaミズスギPalhinhaea cernua
イワヒバ科 SELAGINELLACEAEイワヒバ属 Selaginellaイヌカタヒバ Selaginella moellendorffii
ヒメムカデクラマゴケSelaginella lutchuensis
タチクラマゴケSelaginella nipponica
オニクラマゴケSelaginella doederleinii
コウズシマオニクラマゴケSelaginella doederleinii Hieron. var. opaca Seriz.
トクサ科 EQUISETACEAEトクサ属 EquisetumスギナEquisetum arvense
イヌスギナEquisetum palustre
ハナヤスリ科 OPHIOGLOSSACEAEハナワラビ属 BotrychiumシチトウハナワラビBotrychium atrovirens
ハナヤスリ属 Ophioglossumコヒロハハナヤスリ Ophioglossum petiolatum
マツバラン科 PSILOTACSAEマツバラン属 Psilotumマツバラン Psilotum nudum
リュウビンタイ科 MARATTIACEAEリュウビンタイ属AngiopterisリュウビンタイAngiopteris lygodiifolia
ゼンマイ科 OSMUNDACEAEゼンマイ属 OsmundaゼンマイOsmunda japonica
コケシノブ科 HYMENOPHYLLAコケシノブ属 HymenophyllumコウヤコケシノブHymenophyllum barbatum
ホソバコケシノブHymenophyllum polyanthos
コケシノブ Hymenophyllum wrightii
アオホラゴケ属 CrepidomanesウチワゴケCrepidomanes minutum
アオホラゴケCrepidomanes latealatum
ハイホラゴケ属 VandenboschiaハイホラゴケVandenboschia kalamocarpa
オオハイホラゴケ Vandenboschia striata
ウラジロ科GLEICHENIACEAEコシダ属DicranopterisコシダDicranopteris linearis
ウラジロ属GleicheniaウラジロGleichenia japonica
ヤブレガサウラボシ科 DIPTERIDACEAEスジヒトツバ属 Cheiropleuriaスジヒトツバ Cheiropleuria integrifolia
カニクサ科 LYGODIACEAEカニクサ属 LygodiumカニクサLygodium japonicum
サンショウモ科 SALVINIACEAEサンショウモ属 Salviniaサンショウモ Salvinia natans
キジノオシダ科 PLAGIOGYRIACEAEキジノオシ属 PlagiogyriaキジノオシダPlagiogyria japonica
タカサゴキジノオPlagiogyria adnata
オオキジノオPlagiogyria euphlebia
ヘゴ科CYATHEACEAEヘゴ属Cyatheaヘゴ Cyathea spinulosa
ヒカゲヘゴ Cyathea lepifera
マルハチ Cyathea mertensiana
ホングウシダ科LINDSAEACEAEエダウチホングウシダ属 LindsaeaエダウチホングウシダLindsaea chienii
シンエダウチホングウシダ Lindsaea orbiculata var. commixta
ホラシノブ属Odontosoriaホラシノブ Odontosoria chinensis
ハマホラシノブOdontosoria biflora
ホングウシダ属 OsmolindsaeaホングウシダOsmolindsaea odorata
サイゴクホングウシダ Osmolindsaea japonica
コバノイシカグマ科 DENNSTAEDTIACEAEコバノイシカグマ属 DennstaedtiaコバノイシカグマDennstaedtia scabra
ユノミネシダ属HistiopterisユノミネシダHistiopteris incisa
イワヒメワラビ属Hypolepisイワヒメワラビ Hypolepis punctata
フモトシダ属 Microlepiaイシカグマ Microlepia strigosa
ワラビ属Pteridiumワラビ Pteridium aquilinum subsp. japonicum
イノモトソウ科PTERIDACEAEイノモトソウ属Pterisナチシダ Pteris wallichiana
ハチジョウシダPteris fauriei
アマクサシダ Pteris semipinnata
ホウライシダ属 Adiantumホウライシダ Adiantum capillus-veneris
シシラン属 Haplopterisシシラン Haplopteris flexuosa
チャセンシダ科 ASPLENIACEAEチャセンシダ属 Aspleniumナンカイヌリトラノオヌリトラノオ Asplenium serratipinnae
ヌリトラノオ?Asplenium normale
オオタニワタリ Asplenium antiquum
コウザキシダ Asplenium ritoense
ホウビシダ属 HymenaspleniumナンゴクホウビシダHymenasplenium murakami-hatanakae
ヒメシダ科 THELYPTERIDACEAEヒメワラビ属 MacrothelypterisヒメワラビThelypteris torresiana var. calvata
アラゲヒメワラビThelypteris torresiana var. torresiana
ヒメシダ属 ThelypterisケホシダThelypteris parasitica
アイノコホシダ(ケホシダ×ホシダ)Thelypteris acuminata×T parasitica
ハシゴシダ Thelypteris glanduligera
コハシゴシダ Thelypteris angustifrons
ハリガネワラビの仲間(八丈島type Thelypteris japonica
ヤワラシダ Thelypteris laxa
ミゾシダThelypteris pozoi subsp. mollissima
シシガシラ科BLECHNACEAEシシガシラ属Blechnumシシガシラ Blechnum niponicum
コモチシダ属WoodwardiaハチジョウカグマWoodwardia orientalis var. formosana
メシダ科 ATHYRIACEAEウラボシノコギリシダ属 Anisocampiumイヌワラビ Anisocampium niponicum
メシダ属Athyriumホソバイヌワラビ Athyrium iseanum
トガリバイヌワラビ Athyrium iseanum
タニイヌワラビ Athyrium otophorum
ヤマイヌワラビ Athyrium vidalii
ツクシイヌワラビAthyrium kuratae
サトメシダ Athyrium deltoidofrons
シケシダ属Deparia八丈島のシケシダ属は大変面白い。低地ではナチシケシダが優勢であるが山地ではいろいろなシケシダの仲間が見られ、それぞれが関係しあって雑種を作っているようである。あらためていろいろなシケシダ属の仲間について胞子のようすも調べてみたい。
ホソバシケシダ Deparia conilii
セイタカシケシダ Deparia dimorphophylla
シケシダ Deparia japonica
シケシダあるいはタマシケシダ(フモトシケシダ×シケシダ)
ヘラシダ Deparia lancea
ナチシケシダ Deparia petersenii
コシケシダ(ナチシケシダ4倍体)Deparia petersenii var. grammitoides
フモトシケシダ Deparia pseudoconilii
サツマシケシダか(ナチシケシダ×シケシダ)Deparia ×birii
コサツマシケシダか(コシケシダ×シケシダ)Deparia japonica x D. petersenii var. grammitoides
セイタカナチシケシダ(セイタカシケシダ×ナチシケシダ)Deparia dimorphophylla x D. petersenii
ノコギリヘラシダ(ヘラシダ×ナチシケシダ)Deparia ×tomitaroanum
ナチフモトシケシダか(フモトシケシダ×ナチシケシダ)Deparia petersenii x D. pseudoconilii
ナチフモトシケシダか(フモトシケシダ×ナチシケシダ)Deparia petersenii x D. pseudoconilii
ノコギリシダ属Diplaziumノコギリシダ Diplazium wichurae
シロヤマシダ(平地および低山type) Diplazium hachijoense
ミハラシロヤマシダ:仮称(三原山山頂)
ヒロハノコギリシダ Diplazium dilatatum
オシダ科 DRYOPTERIDACEAEヤブソテツ属 Cyrtomium科学博物館の研究では八丈島には3倍体無融合生殖種のオニヤブソテツと2倍体ヒメオニヤブソテツの仲間の2種類のオニヤブソテツの仲間が生育している。外観や生育環境から以下4形に区別を試みたが全てまだ胞子のようすを調べていない。次回訪れる機会があればぜひ胞子のようすを観察してみたい。
オニヤブソテツの仲間Ⅰ(小形・海食崖生育)
オニヤブソテツの仲間Ⅱ(最下羽片未発達・鋸歯小・海岸)
オニヤブソテツの仲間Ⅲ(最下羽片発達・鋸歯あり・海岸)
オニヤブソテツの仲間Ⅳ(ナガバヤブソテツ似・林内生育)
イノデ属 Polystichumイノデ Polystichum polyblepharum
ミウライノデPolystichum ×miuranum
ジュウモンジシダPolystichum tripteron
カナワラビ属 Arachniodes
オオカナワラビArachniodes amabilis var. fimbriata
ハチジョウカナワラビArachniodes davalliaedormis
リョウメンシダ
ホソバカナワラビArachniodes aristata
オシダ属 Dryopterisハチジョウベニシダ Dryopteris caudipinna
ベニシダDryopteris etythrosora
トウゴクシダ Dryopteris nipponensis
キノクニベニシダ Dryopteris kinokuniensis
イワイタチシダ Dryopteris saxifraga
イヌイワイタチシダ Dryopteris saxifragivaria
ナンカイイタチシダDryopteris varia
ヤマイタチシダ Dryopteris bissetiana
オオイタチシダ Dryopteris pacifica
・アツバオオイタチシダtype
・アオニオオイタチシダtype
・ツヤナシオオイタチシダtype
オオイタチシダ似のナンカイイタチシダの仲間
ベニオオイタチシダDryopteris erythrovaria
ナガバノイタチシダ Dryopteris sparsa
イヌタマシダ Dryopteris hayatae
リュウキュウイタチシダDryopteris sparsa var. ryukyuensis
カツモウイノデ属 Ctenitisカツモウイノデ Ctenitis subglandulosa
アツイタ属 Elaphoglossumアツイタ Elaphoglossum yoshinagae
ヒロハアツイタ Elaphoglossum tosaense
タマシダ科NEPHROLEPIDACEAEタマシダ属Nephrolepisタマシダ Nephrolepis cordifolia
ウラボシ科 POLYPODIACEAEミツデウラボシ属Crypsinusミツデウラボシ Selliguea hastata
ヒトツバ属 PyrrosiaヒトツバPyrrosia lingua
マメヅタ属 LemmaphyllumマメヅタLemmaphyllum macrophyllum
ヤノネシダ属Lepidomicrosoriumヌカボシクリハラン Lepidomicrosorium superficiale
ノキシノブ属LepisorusノキシノブLepisorus thunbergianus
ハチジョウウラボシ Lepisorus hachijoensis
オオクボシダ属Micropolypodiumオオクボシダ Micropolypodium okuboi
ヒメウラボシ属Oreogrammitisヒロハヒメウラボシ Oreogrammitis nipponica

目次

海岸線で           

生育環境
いろいろなオニヤブソテツの仲間
オニヤブソテツの仲間A
オニヤブソテツの仲間B
ハマホラシノブ
アイホラシノブ
ホウライシダ

海岸寄りの渓谷で           

生育環境
ケホシダ
アイノコホシダ
ナチフモトシケシダ
オオハイホラゴケ葉柄・中軸波打つtype
ナンゴクホウビシダ
イシカグマ
ノコギリヘラシダ
リュウビンタイ
オオタニワタリ
ヘゴ
タマシダ

山地中流域の渓谷で           

生育環境
シロヤマシダ
セイタカナチシケシダ
ジュウモンジシダ
ノコギリシダ
アカメクジャク(ノコギリシダ×イヨクジャク)
サイゴクホングウシダ
オニクラマゴケコウズシマクラマゴケ
タチクラマゴケ
タカサゴキジノオ
オオキジノオ
オオカナワラビ
オオカナワラビ(最下羽片未発達・葉身下部小羽片全縁・包膜有毛)
イヌタマシダ
コウヤコケシノブ
ウチワゴケ

中流域の滝で           

生育環境
コシケシダ(ナチシケシダ4倍体)
シケシダ
コサツマシケシダ※仮称(コシケシダ×シケシダ)}
ユノミネシダ
コシダ

山の裾野や海岸付近の疎林で       

生育環境
オニヤブソテツの仲間C
ヒメムカデクラマゴケ(ハチジョウヒメムカデクラマゴケ※仮称)
シチトウハナワラビ
ナチシダ
ミウライノデ
毛の長いヒメワラビか
ハチジョウシダ
ヤマイタチシダ
ナンカイイタチシダ

山地林床で           

生育環境
トウゲシバ
オニヤブソテツの仲間D
イノデ
キジノオシダ
エダウチホングウシダ
シンエダウチホングウシダ
アマクサシダ
スジヒトツバ
ヒトツバ
ハチジョウベニシダ
ベニオオイタチシダ
オオイタチシダ
コハシゴシダ
ハチジョウカナワラビ
ナガバノイタチシダ ?
シシガシラ
マメヅタ
ウラジロ

水辺で           

生育環境
オオサンショウモ
サンショウモ

民家の周辺で           

生育環境
カツモウイノデ
ハチジョウカグマ
ヘラシダ
ナチシケシダ
ホラシノブ
ミゾシダ
スギナ
ホシダ
コヒロハハナヤスリ

八丈富士、外側で           

生育環境
マツバラン  
ナンカクラン
コウザキシダ
ヒロハノコギリシダ
ホングウシダ
ミズスギ

山地上部で(三原山・八丈富士)           

生育環境
オニトウゲシバ
不明な大形のノコギリシダの仲間
ヌカボシクリハラン
シシラン
ナンカイヌリトラノオヌリトラノオ
トウゴクシダキノクニベニシダ
ハシゴシダ
タニイヌワラビ
ツクシイヌワラビ
ハチジョウウラボシ
オオハイホラゴケ
ヒロハアツイタ
アツイタ
イワイタチシダ
イヌイワイタチシダ
タマシケシダ(シケシダ×フモトシケシダ)
ナチフモトシケシダ(ナチシケシダ×フモトシケシダ)
フモトシケシダ 包膜細鋸歯 (ナチフモトシケシダの可能性もある)
フモトシケシダ 包膜全縁
サトメシダ
ホソバイヌワラビ
ヤマイヌワラビ(羽片の柄の長いtype)
ヤワラシダ(包膜が辺縁寄りにつくtype)
ヒロハヒメウラボシ

高層湿原など湿潤な環境で         

生育環境
コケシノブ
オオクボシダ
ハリガネワラビ(胞子のう群は中間・包膜の毛は長いtype)
コバノイシカグマ
ヒカゲノカズラ

八丈富士中央火口丘内、2重のクレータの中「小穴」で  

生育環境
いつか歩いてみたいです。


おわりに                      [#z2de550c]

八丈島へ




 

海岸線で              
波打ち際の岩壁には巨大なヒメオニヤブソテツ(ハチジョウヒメオニヤブソテツ:仮称)やハマホラシノブが生育する 南部海岸
八丈島の海岸は砂浜はほとんどないようです。岩壁や大小の岩や石がゴロゴロした海岸が多いようです。外海に面した岩壁では包膜の白いオニヤブソテツの仲間(ハチジョウヒメオニヤブソテツ:仮称)、ハマホラシノブ、ホウライシダなどが見られました。





いろいろなオニヤブソテツの仲間

八丈島ではいろいろな環境でオニヤブソテツの仲間を観察しました。どれも胞子は観察していないので、正確なところは分かりません。外観だけで分けると個体変異が多くて切りがありませんが、ここでは生育環境の違いなどを考慮して大きく4グループに括りました。各グループの中にも撮影した個体が違う場合は標本1、標本2などと分けました。

オニヤブソテツの仲間A:海岸岩場・崖
オニヤブソテツの仲間B:海岸周辺の石垣・防波堤など構造物周辺
オニヤブソテツの仲間C:海岸林内林床
オニヤブソテツの仲間D:山地樹林内林床

八丈島には文献では2倍体有性生殖種・3倍体無融合生殖種が観察されています。ただし、文献にも記載されているように八丈島の2倍体有性生殖種は本州の2倍体有性生殖種とは様子が少し違うようで、この点も興味深いところです。また4倍体有性生殖種は今まで確認されいませんでしたが、今回、外観が4倍体有性生殖種に酷似する個体を観察することができました(ただし包膜の中心は黒くなく白色)。これらの種を親とする雑種も生育していることが考えられます。ここでは観察した個体の特徴とその生育環境を紹介します。いつかそれぞれの個体の胞子を調べてみたいと思います。





オニヤブソテツの仲間A

海岸の切り立った崖や岩場に生育。30~40㎝程度やや小形で、葉は厚く光沢あり、鋸歯は少ない。包膜白色。

オニヤブソテツの仲間A。2015年8月7日 八丈島 海岸 オニヤブソテツの仲間A、葉身。2015年8月7日 八丈島 海岸
(1)オニヤブソテツの仲間A
(2)オニヤブソテツの仲間A、葉身





オニヤブソテツの仲間B

低木や灌木がまばらに生える海岸周辺の斜面の草付き地に生育。60~80㎝程度大形で、葉は厚く光沢あり、鋸歯がある。最下羽片はあまり発達しない。包膜白色。

オニヤブソテツの仲間B。2015年8月6日 八丈島 海岸 オニヤブソテツの仲間B、葉身下部羽片。2015年8月6日 八丈島 海岸
(1)オニヤブソテツの仲間B
(2)オニヤブソテツの仲間B、葉身下部羽片





ハマホラシノブ

海岸の岩壁~海岸から500mほど離れた範囲、溶岩や凝灰岩の崖に群生していました。扇形に広がる裂片の幅が広く、葉は非常に厚く硬いので触ればホラシノブとの違いが分かります。八丈島では内陸部~海岸部でホラシノブも観察できました。アイホラシノブは一見ハマホラシノブのように見えますが、葉の厚さはハマホラシノブの半分ほどで島内では見比べられるので区別が容易です。アイホラシノブだけを見ると裂片の幅が広いのでハマホラシノブにしてしまいそうです。
岩壁に群生するハマホラシノブ 南部海岸 ハマホラシノブ 南部海岸
岩壁に群生するハマホラシノブ(上左)
ハマホラシノブ(上右)

ハマホラシノブ、裂片の断面は厚く、包膜は筒状 南部海岸 同じ岩壁に生育するホラシノブ(左)とハマホラシノブ(右) 裏見ヶ滝
ハマホラシノブ、包膜(上左)
一緒に生育するホラシノブアイホラシノブ:左(2015年12月訂正)とハマホラシノブ:右(上右)



ホウライシダ

海岸のややウエットな岩場や海岸近くの日陰の崖で見られました。葉身は10㎝程度で、葉身の基部だけが2回羽状に分かれ、あとは単羽状の小さな株がほとんどでした。
海岸の岩壁に群生するホウライシダ 南部海岸 ホウライシダ、葉身 南部海岸
海岸の岩壁に群生するホウライシダ(上左)
ホウライシダ、葉身(上右)

林内の崖に生育するホウライシダ 黒砂海岸 ホウライシダ、根茎 黒砂海岸
林内の崖に生育するホウライシダ(上左)
ホウライシダ、根茎(上右)

ホウライシダ、羽片 南部海岸 ホウライシダ、胞子のう群 南部海岸
ホウライシダ、羽片(上左)
ホウライシダ、胞子のう群(上右)






海岸近くの渓谷で                           
滝の周辺の薄暗い岩壁に群生するナンゴクホウビシダ。南部海岸
八丈島は海岸近くまで溶岩が流れ下り、海岸付近で台地上になっているところが多く見られました。溶岩の台地を削って海の近くまで渓谷が続いているところでは、滝や急流があり、ウエットな空間を作り出しています。遠くから見てもそれと分かるヘゴの林が目につきます。そのほかの大型のシダとしてはリュウビンタイやオオタニワタリが生育し、ウエットな岩壁にはナンゴクホウビシダやハイホラゴケなどが見られました。林床に生育するものはケホシダやアイノコケホシダを見ることができました。ナチフモトシケシダやノコギリヘラシダも観察できました。そのほかハチジョウシダやハチジョウカグマ、ハチジョウカナワラビが見られました。ここではイシカグマはあたり一帯に群生するわけではなく、個体数はそれほど多くありませんでした。



ケホシダ

ケホシダとアイノコホシダは同じ範囲に生えていました。
ケホシダ。南部海岸 ケホシダ、葉の先端では毛が目立つ。南部海岸 
(1)ケホシダ
(2)ケホシダ、葉の先端




アイノコホシダ

ケホシダとホシダの雑種と推定される。両親の特徴がよく表れている。頂羽片がはっきりし、葉の表面にはケホシダほどではないが短毛が生える。胞子は不充実なようで胞子嚢ははじけず固まっている。
アイノコホシダ、葉身 南部海岸 アイノコホシダ、胞子のうははじけないで固まる。南部海岸
(1)アイノコホシダ
(2)アイノコホシダ 、はじけない胞子のう




ナチシケシダあるいはナチフモトシケシダ

三原山と硫黄滝への登山道や裏見ヶ滝などで見られました。シケシダの仲間は外観だけでは判断が難しいですが、ナチフモトシケシダは多いように思います。
ナチシケシダあるいはナチフモトシケシダ、最下羽片が発達しない葉も見られる 三原山海岸渓谷 ナチシケシダあるいはナチフモトシケシダ、葉身下部 三原山海岸渓谷
ナチシケシダあるいはナチフモトシケシダ(上左)
ナチシケシダあるいはナチフモトシケシダ、葉身下部(上右)
 
ナチフモトシケシダ、葉柄下部 三原山海岸渓谷 ナチフモトシケシダ、葉柄下部の鱗片 三原山海岸渓谷
ナチシケシダあるいはナチフモトシケシダ、葉柄下部(上左)
ナチシケシダあるいはナチフモトシケシダ、葉柄下部の鱗片(上右)

ナチフモトシケシダ、羽片裏側 三原山海岸渓谷 ナチフモトシケシダ、胞子のう群 三原山海岸渓谷
ナチシケシダあるいはナチフモトシケシダ、羽片裏側(上左)
ナチシケシダあるいはナチフモトシケシダ、胞子のう群(上右)
 
ナチシケシダあるいはナチフモトシケシダ、包膜の辺縁には鋭い鋸歯があり、包膜上には毛がある 三原山海岸渓谷 ナチシケシダあるいはナチフモトシケシダ、包膜の辺縁には鋭い鋸歯があり、包膜上には毛がある 三原山海岸渓谷 
ナチシケシダあるいはナチフモトシケシダ、包膜(上左、上右)




オオハイホラゴケ

海岸近くの滝の周辺、岩壁の基部に群生。大きさは12~15㎝。根茎の毛は長く、赤褐色~黒褐色で密に生える。
次に訪れる機会があれが、胞子の観察を行い、有性生殖種か無融合生殖種あるいは雑種であるか確認してみたい。

オオハイホラゴケ、ウエットな岩壁面に群生 三原山海岸渓谷 ハイホラゴケの仲間、葉の大きさは10~15㎝。三原山海岸渓谷  
(1)(2)オオハイホラゴケ






ホウビシダナンゴクホウビシダ

三原山海岸近くの滝やホタル水路の岩場などで観察。胞子のう群は辺縁寄りにつくが辺縁に接するとまではいかない。羽片の形も含め本土のもの(神武寺産)とそれほど変わらないように見える。八丈島のシダリストにナンゴクホウビシダが記載されているので、とりあえずナンゴクホウビシダとする。
標本1 海岸近くの滝の周辺の岩壁
薄暗い岩壁に群生するナンゴクホウビシダ 三原山海岸渓谷 
ナンゴクホウビシダ

ナンゴクホウビシダ、羽片 三原山海岸渓谷 ナンゴクホウビシダ、胞子のう群 三原山海岸渓谷
ナンゴクホウビシダ、羽片(上左)
ナンゴクホウビシダ、胞子のう群(上右)






イシカグマ

イシカグマ 八丈富士南麓 イシカグマ、包膜の毛はあまり目立たない 八丈富士南麓
(1)イシカグマ
(2)イシカグマ、包膜






ノコギリヘラシダ(ヘラシダ×ナチシケシダ)

ノコギリヘラシダはヘラシダとナチシケシダの雑種と推定される。八丈島はナチシケシおよびヘラシダがいたるところに繁茂しています。三原山登山道、ほたる水路などところどころで観察することができました。
ナチシケシダやヘラシダと共に生育するノコギリヘラシダ。南部海岸林 ノコギリヘラシダ、新芽。南部海岸林 
ノコギリヘラシダ(上左)
ノコギリヘラシダ、新芽(上右)

ノコギリヘラシダ、胞子のう群 南部海岸林 ノコギリヘラシダ、包膜 南部海岸林
ノコギリヘラシダ、胞子のう群(上左)
ノコギリヘラシダ、包膜(上右)





オオタニワタリ

オオタニワタリ ビジターセンター オオタニワタリ、葉身裏側  裏見ヶ滝
オオタニワタリ(上左)
オオタニワタリ、葉身裏側(上右)






リュウビンタイ

リュウビンタイ 三原山海岸渓谷 リュウビンタイ、幼株。三原山海岸渓谷





ヘゴ

ヘゴの幼株 三原山北西山麓 ヘゴ、羽片 三原山北西山麓
ヘゴの幼株(上左)
ヘゴ、羽片(上右)

ヘゴ、葉柄には鋭い刺がある ビジターセンター 成長したヘゴ 2015年8月7日 南部海岸渓谷
ヘゴ、葉柄(上左)
成株のヘゴ(上右)





タマシダ

タマシダ 三原山登山道 
タマシダ(上左)

タマシダ、幼株 南部海岸渓谷 タマシダ、幼株 南部海岸渓谷
タマシダ、幼株(上左)
タマシダ、幼株の羽片(上右)





山地・中流域の渓谷で                           
海岸線より中に入った中流域の渓谷ではシロヤマシダが大群落を形成していました。大きいものでは2m近くなります。そのほかナチシケシダ、セイタカナチシケシダ、最下羽片の発達しないオオカナワラビ、ノコギリシダやアカメクジャク(ノコギリシダ×イヨクジャク)などが見られました。
ややウエットな林床や山道沿いの土手ではコウズシマクラマゴケ・タチクラマゴケ・タカサゴキジノオ・アイキジノオ(タカサゴキジノオ×キジノオシダ)・シシガシラ・ウラジロなどが見られました。
渓谷沿いの大きな転石の水際にはサイゴクホングウシダが群生していました。

シロヤマシダ

島内の低地から中流域まで普通に見られました。畑の端のウエットな林や中流域の渓谷沿いのウエットな林などで群生していました。大きな個体は2m近くに成長。
ウエットな林床に群生するシロヤマシダ  2015年8月8日 大坂トンネル シロヤマシダ、葉身は卵形~広卵形、羽片数は多い  2015年8月8日 中之郷観察路
①シロヤマシダ
②シロヤマシダ、葉身

シロヤマシダ、葉柄下部には褐色の鱗片が貼りつくようにつく 2015年8月8日 中之郷観察路 シロヤマシダ、裂片の側脈は個体差があり、2叉あるいは単脈 2015年8月8日 大坂トンネル
③シロヤマシダ、葉柄下部
④シロヤマシダ、羽軸および小羽片

シロヤマシダ、胞子のう群は中間につく。2015年8月8日 中之郷観察路
⑤シロヤマシダ、胞子のう群





セイタカナチシケシダ(セイタカシケシダ×ナチシケシダ)

セイタカシケシダとナチシケシダの雑種と推定される。山地の低部~上部まで広く見られる。セイタカシケシダに似て葉の表面は微毛が生えやや白っぽい緑色。葉身の幅・長さとも大きい。ある程度2形を示す。ナチシケシダに似て包膜の辺縁は激しくほつれる。

標本2
セイタカナチシケシダ、葉身な幅は広い。 八丈富士 セイタカナチシケシダ、胞子のう群  八丈富士
①セイタカナチシケシダ
②セイタカナチシケシダ、胞子のう群






ジュウモンジシダ

山地の中部~上部にかけての渓谷沿いやウエットな火山砂礫質の林床に生育。
ジュウモンジシダ  2015年8月8日 八丈富士





ノコギリシダ

渓谷沿いやウエットな林床でときどき見られる。
ノコギリシダ  三原山 ノコギリシダ  三原山南部中之郷
ノコギリシダ (上左、上右)


ノコギリシダ、羽片の鋸歯は上側にくらべ下側はあまり発達せず、羽片は先端に向けて徐々に細くなる。 三原山南部中之郷 ノコギリシダ、胞子のう群  三原山南部中之郷 
ノコギリシダ、羽片 (上左)
ノコギリシダ、胞子のう群 (上右)





葉形の変わったノコギリシダかアカメクジャク(ノコギリシダ×イヨクジャク)

アカメクジャク(ノコギリシダ×イヨクジャク)の可能性もあるが胞子を調べていないのでよくわからない。ノコギリシダとイヨクジャクの雑種と推定されます。ノコギリシダと共に観察しました。葉の質は硬く、イヨクジャクのもつ草質的な感触はありませんでしたのでアカメクジャクでよいのかどうか不安が残ります。観察された個体群は羽片の下側も浅~中裂し、羽片の中央で幅が広いなどイヨクジャクの特徴が見られます。
葉形の変わったノコギリシダか<del>アカメクジャク</del> 三原山南部中之郷
①葉形の変わったノコギリシダかアカメクジャク

葉形の変わったノコギリシダか<del>アカメクジャク</del>、羽片が波打つ個体  三原山南部中之郷 葉形の変わったノコギリシダか<del>アカメクジャク</del>、羽片の両側が浅~中裂する 三原山南部中之郷
②葉形の変わったノコギリシダかアカメクジャク、羽片が波打つ個体
③葉形の変わったノコギリシダかアカメクジャク、葉の色はノコギリシダよりの淡く黄緑色

葉形の変わったノコギリシダか<del>アカメクジャク</del>、羽片の下側も浅~中裂し、中央で幅が広くなる 2015年8月8日 三原山南部中之郷 葉形の変わったノコギリシダか<del>アカメクジャク</del>、耳垂にも胞子のう群がつく個体がよく見られる 三原山南部中之郷
④葉形の変わったノコギリシダかアカメクジャク、羽片
⑤葉形の変わったノコギリシダかアカメクジャク、胞子のう群





サイゴクホングウシダ

渓谷の水しぶきがかかるような岩壁に群生するサイゴクホングウシダ 2015年8月9日 三原山南部 サイゴクホングウシダ、胞子のう群 2015年8月9日 三原山南部
(1)渓谷の岩壁に群生するサイゴクホングウシダ
(2)サイゴクホングウシダ、胞子のう群
 





オニクラマゴケコウズシマクラマゴケ

八丈島ではオニクラマゴケとコウズシマクラマゴケの2種類が見れるそうです。オニクラマゴケにくらべるとコウズシマクラマゴケは少ないそうです。
オニクラマゴケ  2015年8月6日 オニクラマゴケ  2015年8月6日
(1)(2)オニクラマゴケコウズシマクラマゴケ






タチクラマゴケ

三原山の山地中~上部の林縁の崖面や八丈富士内の明るい林床の火山砂上で生育。胞子のうをつけた側枝は立ち上がり途中で枝分かれし分岐した枝にも胞子のうをつけ、胞子のう穂の形態はとらない。
黒い火山砂上に広がるタチクラマゴケ  八丈富士 タチクラマゴケ、胞子のう穂をつけた側枝は立ち上がり途中で分岐し、胞子のう穂の形態はとらない。  八丈富士
(1)タチクラマゴケ
(2)タチクラマゴケ、胞子のうをつけた側枝は立ち上がり途中で分岐する






オオキジノオ

オオキジノオ 三原山登山道 オオキジノオ こん沢林道 
オオキジノオ(上左、上右)





オオカナワラビ

オオカナワラビ ほたる水路 オオカナワラビ、小羽片の辺縁には鋸歯が目立つ ほたる水路
オオカナワラビ(上左)
オオカナワラビ、羽片(上右)

オオカナワラビ、小羽片の辺縁には鋸歯が目立つ ほたる水路 オオカナワラビ、胞子のう群は辺縁寄りにつく ほたる水路
オオカナワラビ、小羽片(上左)
オオカナワラビ、胞子のう群(上右)

オオカナワラビ、包膜上は無毛で辺縁には鋭い鋸歯がある 2015年8月9日 ほたる水路 オオカナワラビ、包膜上は無毛で辺縁には鋭い鋸歯がある 2015年8月9日 ほたる水路 
オオカナワラビ、包膜(上左、上右)





オオカナワラビ(最下羽片未発達・葉身下部小羽片全縁・包膜有毛)   [#cab8e562]

最下羽片が発達しないオオカナワラビ
特徴は①最下羽片はあまり発達しない。②下部羽片では下側小羽片は鋸歯が無く全縁。③包膜上に短い毛が生える。
オオカナワラビの仲間、葉の大きさは30~50㎝ 沢の小道
最下羽片が発達しないオオカナワラビ

オオカナワラビの仲間、胞子のう群は辺縁寄りにつく 沢の小道 オオカナワラビの仲間、包膜の辺縁には鋭い鋸歯があり、包膜上は有毛。沢の小道
最下羽片が発達しないオオカナワラビ、羽片(上左)
最下羽片が発達しないオオカナワラビ、包膜(上右)





イヌタマシダ

山地内、洞窟(芋穴?)入口やウエットで薄暗い岩壁の崖から垂れ下がって生育することが多い。大きさは15~40㎝。
イヌタマシダ 2015年8月8日 イヌタマシダ、包膜は胞子のう群を深く包み込む 2015年8月8日
(1)イヌタマシダ 
(2)イヌタマシダ、若い包膜






コウヤコケシノブ

ウエットな岩壁に群生する。海の近くの渓谷~山の上部の岩壁まで広く見られる。胞子のう群は葉身の先端につける場合と葉身の中につける場合がある。
コウヤコケシノブ、葉身の先端に房状に胞子のう群をつける個体 三原山 コウヤコケシノブ、葉身の途中の裂片の先に胞子のう群をつける個体 八丈富士
(1)コウヤコケシノブ、葉身の先端に房状に胞子のう群をつける個体
(2)コウヤコケシノブ、葉身の途中の裂片の先に胞子のう群をつける個体






ウチワゴケ

海岸沿いの渓谷~山の上の岩壁まで広く見られる。
コウヤコケシノブ、胞子のう群 三原山上部





中流域の滝周辺で          
中~上流域の滝周辺のシダを紹介します。滝までの登山道ではいろいろなシダを観察することができました。滝壺の周辺は特殊な環境で、日差しは強いのですが常に滝からの風や水しぶきがかかるウエットな岩場・岩壁です。この岩場や切り立った岩壁に以下の3種の小さなシケシダの仲間がまとまって生育していました。コシケシダ(ナチシケシダ4倍体)・シケシダ・コサツマシケシダ※仮称(コケシダ×シケシダ)の3種です。コサツマシケシダを含めどのシダもまだ胞子のようすを観察できていません。これら3種とも渓谷沿いの岩場という生育環境の影響のためか全て小形でした。
そのほかミズスギ、ユノミネシダも見られました。近くでは硫黄の採掘がおこなわれていた跡があり今でも硫黄が見られるそうです。渓谷や滝の周辺の疎林や岩場ではオニクラマゴケコウズシマクラマゴケやコシダやウラジロの群生も見られました。

コシケシダ(ナチシケシダ4倍体)

コシケシダ、ホソバシケシダのような形になるが2形性は示さない。 2015年8月6日 コシケシダ、包膜の辺縁には鋭い鋸歯がある 2015年8月6日 
(1)コシケシダ
(2)コシケシダ、包膜




シケシダ

シケシダ、大きさは10~20㎝。2形性は示さない。2015年8月6日 シケシダ(右下)やコシケシダとその雑種(中央)2015年8月6日
(1)シケシダ(上左)
(2)滝のそばの岩壁に生育するシケシダ(上右)




コサツマシケシダ(コシケシダ×シケシダ)※仮称

※まだ胞子は確認できていません。コシケシダ(ナチシケシダ4倍体)とシケシダの雑種と推定されるのでサツマシケシダとは異なる名前を付けたほうが良いと思います。ここではコサツマシケシダと仮称します。
コサツマシケシダ、葉の大きさは10~20㎝ 2015年8月6日 コサツマシケシダ、胞子嚢群。2015年8月6日
(1)滝のそばの岩場に群生するコサツマシケシダ
(2)コサツマシケシダ、胞子嚢群






ユノミネシダ

溶岩が風化した崖に生育するユノミネシダ、付近には硫黄の採掘抗がある 2015年8月6日 ユノミネシダ、羽片 2015年8月6日
ユノミネシダ(上左)
ユノミネシダ、羽片(上右)

ユノミネシダ、根茎 2015年8月6日 ユノミネシダ、新芽 2015年8月6日
ユノミネシダ、根茎(上左)
ユノミネシダ、新芽(上右)





コシダ

コシダやウラジロが風化した溶岩の崖に群生していました。
コシダ 2015年8月6日
コシダ






山の裾野や海岸付近の疎林で                           
海岸近くの森ではハチジョウカグマ、オオイタチシダやナンカイイタチシダ、ハチジョウシダ、シチトウハナワラビ、ヘラシダ、イノデの仲間、カツモウイノデなどが見られました。乾燥気味の海岸近くの森は植生に乏しくナチシダ、ヒメワラビ、オオイタチシダ、ヤマイタチシダ、ナンカイイタチシダなどのイタチシダの仲間が見られました。イノデの仲間はイノデ・アスカイノデ・ミウライノデが見られました。ハチジョウカグマ・カツモウイノデはいたるところで見られました。ハチジョウカグマはややウエットなところでは大きいものでは3m近くの葉を広げていました。
林縁の、火山灰が粘土化したような明るい崖にはハチジョウヒメムカデクラマゴケ(仮称)がみられました。





オニヤブソテツの仲間C

海岸周辺の中低木の海岸林林床に生育。40~50㎝程度で、葉は厚く光沢あり、鋸歯がある。葉身下部の羽片は幅がありそれほど短縮しない。包膜白色。
オニヤブソテツの仲間C。2015年8月9日 八丈島 東海岸 オニヤブソテツの仲間C、葉身。2015年8月9日 八丈島 東海岸 
(1)オニヤブソテツの仲間C
(2)オニヤブソテツの仲間C、葉身





ハチジョウヒメムカデクラマゴケ※仮称

ヒメムカデクラマゴケに似ていますが2点ほど様子が異なるところがあります。一つは、腹葉・背葉の辺縁の長い毛について。腹葉・背葉の辺縁には長い毛が粗くつきますが琉球列島産のヒメムカデクラマゴケの腹葉では前側にしか長い毛がつきませんが、八丈島産の個体では腹葉の両側に長い毛が確認できます(画像がピンボケですみません)。2つめは胞子葉の形態について。琉球列島産では胞子葉は2形を示すだけですが、八丈島産では胞子のう穂の下のほうは2形を示し、上部はほぼ2形を示さず細かく尖った葉をまとまって棒状に伸ばします。
ハチジョウヒメムカデクラマゴケ(※仮称)の特徴:①葉(腹葉)の大きさは1.0~1.5㎜、クラマゴケの1/2程度。主茎や側枝の茎も非常に細い。②背葉・腹葉はやや偏った卵形で、先は鋭頭で先端はノギ状に伸びる。③腹葉・背葉の辺縁には小さな鋸歯があり長い毛が粗くはえる。葉の前側・後側の両側に生える。④背葉の辺縁には明瞭な白膜がある。⑤胞子のう穂を形成。胞子のう穂の下部の葉は2形を示し細長いお椀状で背葉は腹葉よりも幅が広く見え徐々に尖り、腹葉はやや急に狭くなり尖る。胞子のう穂の上部の葉は短く尖りほぼ2形はなさず棒状になり斜上する(クラマゴケの胞子のう穂のよう)。⑤陽当たりのよいところでは紅葉する。
琉球列島産のヒメムカデクラマゴケをまだ実際に観察したことがありません。胞子葉の形態が八丈島産の個体と同様であればヒメムカデクラマゴケに訂正したいと思います。

参考画像 ヒメムカデクラマゴケ(屋久島産)?

ハチジョウヒメムカデクラマゴケ、腹葉・背葉は非常に小さく腹葉の大きさは1.0~1.5mm 黒砂海岸 ハチジョウヒメムカデクラマゴケ(仮称)、背葉の辺縁には長い毛が確認でき、背葉の辺縁には白膜がある。黒砂海岸
ハチジョウヒメムカデクラマゴケ(仮称)(上左)
ハチジョウヒメムカデクラマゴケ(仮称)、背葉の毛および背葉辺縁の白膜(上右)

ハチジョウヒメムカデクラマゴケ(仮称)、胞子のう穂下部は背葉は横に広く張り出し上部は背葉・腹葉同形で四角柱状になる。黒砂海岸
ハチジョウヒメムカデクラマゴケ(仮称)、胞子のう穂






シチトウハナワラビ

シチトウハナワラビ 2015年8月7日 島南部海岸林 シチトウハナワラビ 2015年8月7日 大坂トンネル
シチトウハナワラビ(上左、上右)


シチトウハナワラビ、裂片 2015年8月7日 大坂トンネル シチトウハナワラビ、裂片 2015年8月7日 大坂トンネル
シチトウハナワラビ、裂片(上左、上右)





ナチシダ

ナチシダ 2015年8月7日 ほたる水路  





ミウライノデ

ミウライノデ 2015年8月6日 南部海岸林 ミウライノデ、葉柄上部の鱗片 2015年8月6日 南部海岸林
(1)ミウライノデ
(2)ミウライノデ、葉柄上部の鱗片
 





アラゲヒメワラビ毛の長いヒメワラビか

アラゲヒメワラビ<del>毛の長いヒメワラビか </del> 2015年8月6日 ホタル水路 
(1)アラゲヒメワラビ毛の長いヒメワラビか

アラゲヒメワラビ<del>毛の長いヒメワラビか </del>、小羽軸の毛。 2015年8月6日 ホタル水路 アラゲヒメワラビ<del>毛の長いヒメワラビか </del>、裂片中肋上の毛。2015年8月6日 ホタル水路 
(1)(2)アラゲヒメワラビ毛の長いヒメワラビか 、小羽軸や裂片中肋上の毛






ハチジョウシダ

ハチジョウシダ 2015年8月8日 南部海岸林 ハチジョウシダ 2015年8月6日 中之郷
ハチジョウシダ(上左、上右)

 
ハチジョウシダ、羽軸上の刺が目立つ個体 2015年8月8日 南部海岸林 ハチジョウシダ、胞子のう群 2015年8月6日 三原山登山道 
ハチジョウシダ、羽軸上の刺(上左)
ハチジョウシダ、胞子のう群(上右)





・ 

ナンカイイタチシダ

ナンカイイタチシダ 北部海岸 オアサ根 ナンカイイタチシダ 北部海岸 オアサ根
乾燥気味の海岸林林床に生育するナンカイイタチシダ(上左)
ナンカイイタチシダ、最下羽片(上右)  





山地林床で                           
稜線沿いの林床は乾燥気味。
丘陵地の稜線や尾根沿いの林床ではキジノオシダ、ヒトツバ、スジヒトツバ、エダウチホングウシダ、数は少ないそうですがシンエダウチホングウシダ、ヘラシダ、ハチジョウカナワラビ、オオイタチシダ(アオニオオイタチtype・ツヤナシオオイタチtype)、イタチベニシダ(ベニオオイタチtype)などが見られました。
山道沿いの洞窟の入口や岩の窪みにはイヌタマシダが見られた。よく似たナガバノイタチシダは樹林下の林床に生育していた。





トウゲシバ

照葉樹の森やスギ植林地林床で見られる。葉は倒披針形であるが葉の幅には変化がある。地表付近で枝分かれし、立ち上がった根茎はあまり枝分かれしない。
トウゲシバ。2015年8月7日 八丈島





オニヤブソテツの仲間D 包膜は白いが葉の薄さなど本州のナガバヤブソテツに酷似する。

オニヤブソテツの仲間D。2015年8月7日 八丈島 三原山 オニヤブソテツの仲間D、葉身上部。2015年8月7日 八丈島 三原山
(1)オニヤブソテツの仲間D
(2)オニヤブソテツの仲間D、葉身上部





イノデ

山麓から山頂近くまで広い範囲で見られる。
イノデ  2015年8月9日 イノデ、葉柄  2015年8月9日
(1)イノデ
(2)イノデ、葉柄





キジノオシダ

キジノオシダ  2015年8月9日
キジノオシダ

キジノオシダ、葉身  2015年8月9日 キジノオシダ、頂羽片  2015年8月9日
キジノオシダ、葉身および羽片
キジノオシダ、頂羽片





エダウチホングウシダ

エダウチホングウシダ  2015年8月9日 エダウチホングウシダ、包膜 2015年8月6日
(1)エダウチホングウシダ
(2)エダウチホングウシダ、包膜





シンエダウチホングウシダ

シンエダウチホングウシダ 2015年8月8日 シンエダウチホングウシダ、羽片 2015年8月8日  
シンエダウチホングウシダ(上左)
シンエダウチホングウシダ、羽片(上右)

シンエダウチホングウシダ、包膜 2015年8月8日
シンエダウチホングウシダ、包膜

エダウチホングウシダ(左)とシンエダウチホングウシダ 2015年8月8日
エダウチホングウシダ(左)とシンエダウチホングウシダ





スジヒトツバ

スジヒトツバ2015年8月6日  三原山登山道 スジヒトツバ、胞子葉 2015年8月6日  三原山登山道
スジヒトツバ(上左)
スジヒトツバ、胞子葉(上右)





ヒトツバ

ヒトツバ  裏見ヶ滝   ヒトツバ  裏見ヶ滝
ヒトツバ(上左)
群生するヒトツバ(上右)





ハチジョウベニシダ

山麓~山地上部まで観察された。ただし、胞子葉観察していない。ベニシダも生育しているのでオオシマベニシダ(ハチジョウベニシダ×ベニシダ)も一緒に生育していると考えられる。オオシマベニシダ(ハチジョウベニシダ×ベニシダ)はハチジョウベニシダに似るが葉の厚味は中間的。いずれにしても胞子を見なければ正確な判断はできない。

ハチジョウベニシダ 2015年8月8日  三原山上部
ハチジョウベニシダ

ハチジョウベニシダ 2015年8月8日  三原山上部 ハチジョウベニシダ、上の羽片は下の羽片に覆いかぶさるような感じ 2015年8月8日  三原山上部 ハチジョウベニシダ、小羽片は長く伸びる 2015年8月8日  三原山上部
ハチジョウベニシダ、葉身(上左)
ハチジョウベニシダ、羽片(上中)
ハチジョウベニシダ、下部羽片(上右)

標本2
三原山中腹の滝周辺の森で
ハチジョウベニシダ 2015年8月6日  三原山滝の森 ハチジョウベニシダ、小羽片の基部はそれほど膨らまず先端まで徐々に細くなる 2015年8月6日  三原山滝の森
ハチジョウベニシダ(上左)
ハチジョウベニシダ、下部羽片(上右)  





ベニオオイタチシダ

低山~山地中腹で確認。尾根近くの乾燥気味の照葉樹林林床斜面に生育
ベニオオイタチシダ。2015年8月8日 ベニオオイタチシダ。2015年8月8日
(1)(2)ベニオオイタチシダ






ヤマイタチシダ

海岸林林床で見られた。最下羽片後側第1小羽片がやや長めであった。
ヤマイタチシダ%%オオイタチシダ(アツバオオイタチシダtype)%%。2015年8月8日 三原山登山道
ヤマイタチシダ%%オオイタチシダ(アツバオオイタチシダtype)%%





オオイタチシダの仲間

乾燥気味の林床や崖に生育。今回歩いたところでは海岸林林床ではアツバオオイタチシダtypeがよく見られ、ナンカイイタチシダ似のオオイタチシダの仲間も見られた。山地の崖ではアオニオオイタチシダtypeやツヤナシオオイタチシダtypeが観察された。
オオイタチシダアツバtype<del>ナンカイイタチシダ似のオオイタチシダの仲間</del>。2015年8月8日 南部海岸林 オオイタチシダ(アオニオオイタチシダtype)2015年8月8日 三原山登山道 
(1)オオイタチシダ(アツバオオイタチシダtype)ナンカイイタチシダ似のオオイタチシダの仲間
(2)オオイタチシダ(アオニオオイタチシダtype)

オオイタチシダ(ツヤナシオオイタチシダtype)2015年8月8日 三原山登山道 
(3)オオイタチシダ(ツヤナシオオイタチシダtype)






アマクサシダ

乾燥気味の林床からウエットな森の道沿いの崖などでちらほら観察された。
アマクサシダ 2015年8月8日





コハシゴシダ

乾燥気味の尾根沿いに生育。
コハシゴシダ 三原山登山道 コハシゴシダ、葉身 八丈富士
コハシゴシダ(上左)
コハシゴシダ、葉身(上右)


コハシゴシダ、羽片 八丈富士 コハシゴシダ、胞子のう群 八丈富士
コハシゴシダ、羽片(上左)
コハシゴシダ、胞子のう群は(上右)





ハチジョウカナワラビ

海岸付近渓谷の林床斜面から山地尾根沿いまで広く見られる。ホソバカナワラビに似るが頂羽片はそれほどはっきりしない。最下羽片下側第1小羽片は発達し、羽片は3回羽状に分かれる。葉の質はゴワゴワと硬く裂片の先は反り返る。
ハチジョウカナワラビ 2015年8月6日 三原山登山道 ハチジョウカナワラビ、羽片 2015年8月6日 三原山登山道 
ハチジョウカナワラビ (上左)
ハチジョウカナワラビ、羽片(上右)

ハチジョウカナワラビ、胞子のう群 2015年8月6日 三原山登山道
ハチジョウカナワラビ、胞子のう群





ナガバノイタチシダ

樹林林縁の三原山登山道沿いや三原山外輪山内スギ林林床に生育。大きさは45~55㎝。
ナガバノイタチシダ  2015年8月6日、三原山登山道 ナガバノイタチシダ、最下羽片  2015年8月6日、三原山上部
ナガバノイタチシダ (上左)
ナガバノイタチシダ、最下羽片(上右)


ナガバノイタチシダ、羽軸の溝は中軸の溝に流れる  2015年8月6日、三原山上部 ナガバノイタチシダ  2015年8月6日、三原山上部
ナガバノイタチシダ、羽軸・中軸の溝(上左)
ナガバノイタチシダ、胞子のう群 (上右)






トウゴクシダ

トウゴクシダ 2015年8月6日 三原山登山道 トウゴクシダ、最下羽片 2015年8月6日 三原山登山道
トウゴクシダ(上左)
トウゴクシダ、最下羽片(上右)





シシガシラ

シシガシラ 2015年8月6日 三原山登山道





マメヅタ

マメヅタ 2015年8月6日 三原山登山道





ウラジロ

ウラジロ 2015年8月6日 三原山登山道




水辺で                          
八丈島にも少しだけ田んぼがあるのですが、そこではなにも確認できず、公園の水瓶のなかで、オオサンショウモとサンショウモを観察しました。八丈島ではオオサンショウモも越冬できるようです。





オオサンショウモ

八丈島では屋外で越冬できるようです。
オオサンショウモ 2015年8月6日 歴史民俗資料館
オオサンショウモ





サンショウモ

サンショウモ 2015年8月6日 歴史民俗資料館
サンショウモ






民家の周辺で                         
道沿いではナチシケシダやその雑種、ハチジョウカグマが繁茂する。
民家の周りの林縁や林の中、道沿いでは、ナチシケシダ、セイタカナチシケシダ、ヘラシダ、ハチジョウカグマ、カツモウイノデ、ハチジョウシダ、ホシダ、ミゾシダ、ホラシノブなどが普通に見られました。
ヘラシダの群生の中でときどきノコギリヘラシダ(ヘラシダ×ナチシケシダ)が顔を出していました。3~4ヶ所で観察されましたが、この2つの親は八丈島では最も普通に見られ、よく一緒に生えているシダですがその雑種はそんなによく出現しません。
よく除草が行われている陽当たりのよい草地ではコヒロハハナヤスリが見られました。





カツモウイノデ

カツモウイノデ 2015年8月7日 島南部海岸林 カツモウイノデ 2015年8月7日 島南部海岸林
カツモウイノデ(上左、上右)


カツモウイノデ、中軸背軸側 2015年8月7日 島南部海岸林 カツモウイノデ、葉柄基部および根茎 2015年8月7日 島南部海岸林
カツモウイノデ、中軸背軸側
カツモウイノデ、葉柄基部および根茎





ハチジョウカグマ

ハチジョウカグマ、ややウエットな環境に生育する個体は3mに達する 2015年8月7日 島中部 
ハチジョウカグマ

ハチジョウカグマ、個体によっては無性芽をつけていた 2015年8月7日 島中部 ハチジョウカグマ、大変多くの無性芽をつける 2015年8月7日 島中部
ハチジョウカグマ、葉身先端(上左)
ハチジョウカグマ、無性芽(上右)

ハチジョウカグマ、葉柄基部には明るい褐色の鱗片を密につける 2015年8月7日 島中部 ハチジョウカグマ、新芽はピンク~オレンジ色 2015年8月7日 島中部 
ハチジョウカグマ、葉柄基部鱗(上左)
ハチジョウカグマ、新芽(上右)

ハチジョウカグマ、裂片は長く伸びる 2015年8月7日 島中部 ハチジョウカグマ、胞子のう群 2015年8月7日 島中部 ハチジョウカグマ、包膜 2015年8月7日 島中部
ハチジョウカグマ、裂片(上左)
ハチジョウカグマ、胞子のう群(上中)
ハチジョウカグマ、包膜(上右)





ヘラシダ

ヘラシダは島内の乾燥気味の林縁、林床からややウエット日陰の崖や土手など至る所で見られました。
ヘラシダ 2015年8月7日 三原山登山道 ヘラシダ、胞子のう群 2015年8月7日 三原山登山道
ヘラシダ(上左)
ヘラシダ、胞子のう群(上右) 





ナチシケシダ

八丈島では最も普通に見られるシケシダの仲間。雑種を作りやすく、いちいち包膜を調べなければ同定は難しい。
ナチシケシダは2形性を示さない 2015年8月7日 希望の村 ナチシケシダ、葉の表面の毛は目立たず羽片はやや厚みがある 2015年8月7日 希望の村
ナチシケシダ(上左)
ナチシケシダ、羽片(上右)


ナチシケシダ、包膜の辺縁は激しくほつれる 2015年8月7日 希望の村 ナチシケシダ、包膜は無毛、葉脈上の毛が目立つ 2015年8月7日 希望の村
ナチシケシダ、胞子のう群(上左)
ナチシケシダ、羽片(上右)

ホラシノブ






ホラシノブ

林縁の畑の土手に生育するホラシノブ 2015年8月7日 三原山山麓住宅地 ホラシノブ、羽片 2015年8月7日 三原山山麓住宅地 
ホラシノブ(上左)
ホラシノブ、羽片(上右)

ホラシノブ、羽片 2015年8月7日 三原山山麓住宅地 ホラシノブ、包膜および胞子のう群 2015年8月7日 三原山山麓住宅地
ホラシノブ、小羽片(上左)
ホラシノブ、胞子のう群(上右)

ホラシノブ、包膜はコップ状 2015年8月7日 三原山山麓住宅地
ホラシノブ、包膜および胞子のう群





ミゾシダ

ミゾシダ 2015年8月7日 三原山山麓住宅地





コヒロハハナヤスリ

コヒロハハナヤスリ 2015年8月7日 三原山山麓住宅地 コヒロハハナヤスリ 2015年8月7日 三原山山麓住宅地
コヒロハハナヤスリ (上左、上右)





八丈富士、外側で                           
八丈富士の登りは急で頂上からは足下に太平洋を見下ろすことができる。
八丈富士の裾野部分ではタブやヒサカキなどの照葉樹林の鬱蒼とした森がが広がっています。青木ヶ原の樹海よりも成立が新しいのでしようか開拓されていない林床は荒削りの溶岩がそのまま積み重なったような状態です(山の南側)。(現在開拓されたところは大変な労力を注いで作物を作れる耕作地にしたことがうかがえます。)ところどころには溶岩のすき間があり溶岩が流れた跡の洞窟のようになっています。その岩に貼りつくようにナンカクラン、コウザキシダ、マツバラン、高木が茂る林内でやや腐食が堆積している林床ではハチジョウベニシダ、ヒロハノコギリシダ、イノデの仲間、イシカグマなどが生育していました。イシカグマは裏見ヶ滝でも見ましたがそこらじゅうに生えているという感じではなくポツンポツンと生えている状態でした。ところどころスギの植林が見られましたが低地では生長が早くあまりよい材にはならないようです。
八丈富士は標高854mあり、きれいな円錐形の富士山を小さくしたような火山です。山頂に登る途中、山頂に近づくあたりではミズスギやホングウシダが見られました。

マツバラン

マツバラン、溶岩地帯では普通に見られる。他にも樹木に着生。 2015年8月7日 八丈富士裾野登山口周辺 マツバラン、葉身は2叉を繰り返しほうき状 2015年8月7日 八丈富士裾野登山口周辺
溶岩に着生するマツバラン(上左、上右)


マツバラン、胞子のう群 2015年8月7日 八丈富士裾野登山口周辺 マツバラン、胞子のう群 2015年8月7日 八丈富士裾野登山口周辺
マツバラン、胞子のう群(上左、上右)





ナンカクラン

ナンカクラン、溶岩地帯では普通に見られる。他にもウエットな森でも見られるそうです。2015年8月7日 八丈富士裾野登山口周辺
ナンカクラン 

ナンカクラン、植物体の先端が多少胞子のう穂化して垂れ下がる 2015年8月7日 八丈富士裾野登山口周辺 ナンカクラン、胞子のうは2枚貝状 2015年8月7日 八丈富士裾野登山口周辺
ナンカクラン、胞子のう穂
ナンカクラン、胞子のう



コウザキシダ

玄武岩質の荒々しい溶岩に着生するコウザキシダ 2015年8月7日 八丈富士裾野登山口周辺 コウザキシダ、葉柄および中軸は、中央がかまぼこ状にふくらむ  2015年8月7日 八丈富士裾野登山口周辺
コウザキシダ(上左)
コウザキシダ、葉柄および中軸(上右)

コウザキシダ、胞子のう群  2015年8月7日 八丈富士裾野登山口周辺 コウザキシダ、胞子のう群(上左)
コウザキシダ、包膜




ヒロハノコギリシダ

ヒロハノコギリシダ、高木林がよく茂った林床に生育、葉の大きさはおよそ150㎝。 2015年8月7日 八丈富士裾野登山口周辺 ヒロハノコギリシダ、葉身先端 2015年8月7日 八丈富士裾野登山口周辺
ヒロハノコギリシダ(上左)
ヒロハノコギリシダ、葉身先端(上右)

ヒロハノコギリシダ、葉柄基部の鱗片を密生させる 2015年8月7日 八丈富士裾野登山口周辺 ヒロハノコギリシダ、小羽片裏側、胞子のう群は中肋に接してつく 2015年8月7日 八丈富士裾野登山口周辺
ヒロハノコギリシダ、葉柄基部(上右)
ヒロハノコギリシダ、胞子のう群(上左)




ホングウシダ

八丈富士の上部、樹木の丈が低くなり樹林帯から草本類中心の草原になるあたりから見られる。明るい土手や崖などに草と共に生育。
ホングウシダ 2015年8月7日 八丈富士登山道周辺 
ホングウシダ

ホングウシダ、羽片 2015年8月7日 八丈富士登山道周辺 ホングウシダ、葉の裏側、端に沿って包膜がある 2015年8月7日 八丈富士登山道周辺
ホングウシダ、羽片(上左)
ホングウシダ、胞子のう群(上右)





ミズスギ [#ede0b9f

ミズスギ  2015年8月7日 八丈富士裾野登山口周辺 ミズスギ  2015年8月7日 八丈富士裾野登山口周辺
ミズスギ(上左、上右)


ミズスギ、側枝の先に胞子のう穂をつける  2015年8月7日 八丈富士裾野登山口周辺 崖を這うミズスギ  2015年8月7日 八丈富士裾野登山口周辺
ミズスギ(上左、上右)

ミズスギ、胞子のう穂 2015年8月7日 八丈富士裾野登山口周辺
ミズスギ、胞子のう穂  





山地上部(三原山・八丈富士)で                           
噴火口と中央火口丘 
八丈富士の山頂には直径およそ400mの外輪山(クレータ)があり、その中に小さいですか高層湿原を有する中央火口丘とさらに深いお椀のような「小穴」と呼ばれるクレータを有します。クレーターの中は丈は低いですがヒサカキを中心とした低木林(萌芽林)言い換えればパイオニア林であり原始林である林が鬱蒼と茂る森が広がります。ヒサカキをメインとしたヒメユズリハやヤマグルマ、タマアジサイなどが生育しています。林内は岩石や樹木には地衣類や何種類かの着生のラン科の植物が生育していました。




いろいろな着生植物が茂る。
三原山は10万年~1万年前に成立、八丈富士にくらべ土壌化は進んでいます。
植林のスギ林(たぶん)ですが外輪山の中に広がり屋久島の1000mあたりの雰囲気でコケの森。範囲は広く、中央火口丘は時間が無くて歩いていません。樹幹・樹上・岩上にはシダの仲間を含め多数の着生植物が生育していました。





オニトウゲシバ

照葉樹の低木林林内の岩礫地林床や岩壁にコケなどと共に生育。株は地上部でも2~3回枝分かれし末広がりの形状になる。
オニトウゲシバ。2015年8月7日 八丈島





ヌカボシクリハラン

三原山外輪山内や八丈富士山麓の照葉樹林内から山頂近くの低木林まで広く見られました。
ヌカボシクリハラン  2015年8月8日 三原山上部 樹幹を這いあがるヌカボシクリハラン  2015年8月8日 三原山上部
ヌカボシクリハラン(上左)
樹幹を這いあがるヌカボシクリハラン(上右)


ヌカボシクリハラン、葉の裏側  2015年8月8日 三原山上部 ヌカボシクリハラン、胞子のう群  2015年8月8日 三原山上部
ヌカボシクリハラン、葉の裏側(上左)
ヌカボシクリハラン、胞子のう群(上右)






シシラン

シシラン 2015年8月8日 三原山上部 樹幹に着生するシシラン 2015年8月8日 三原山上部
樹幹に着生するシシラン(上左、上右)


シシラン、葉の断面 2015年8月8日 三原山上部 
シシラン、葉の断面

シシラン、葉の表面 2015年8月8日 三原山上部 シシラン、葉の端が巻き込むようにして胞子のう群を包み込む 2015年8月8日 三原山上部 シシラン、葉の端が巻き込むようにして胞子のう群を包み込む 2015年8月8日 三原山上部 
シシラン、葉の表面(上左)
シシラン、葉の裏面(上中)
シシラン、胞子のう群(上右)






不明な大型のDiplazium(ノコギリシダ)の仲間

不明な大型のノコギリシダの仲間  三原山上部 不明な大型のノコギリシダの仲間、中軸および羽片  三原山上部  
不明な大型のノコギリシダの仲間
不明な大型のノコギリシダの仲間、中軸および羽片

不明な大型のノコギリシダの仲間、葉柄下部の鱗片  三原山上部 不明な大型のノコギリシダの仲間、若い株の葉柄基部鱗片  三原山上部 
不明な大型のノコギリシダの仲間、葉柄基部鱗片

不明な大型のノコギリシダの仲間、胞子のう群  三原山上部 
不明な大型のノコギリシダの仲間、胞子のう群






タカサゴキジノオ

タカサゴキジノオ 2015年8月8日 三原山上部 タカサゴキジノオ、葉身 2015年8月8日 三原山上部
タカサゴキジノオ(上左)
タカサゴキジノオ、葉身(上右)


タカサゴキジノオ、葉身上部 2015年8月8日 三原山上部 タカサゴキジノオ、葉身中部 2015年8月8日 三原山上部 タカサゴキジノオ、葉身下部 2015年8月8日 三原山上部
タカサゴキジノオ、葉身上部(上左)
タカサゴキジノオ、葉身中部(上中)
タカサゴキジノオ、葉身下部(上右)


タカサゴキジノオ、葉身下部の羽片基部の上部は広く中軸に流れる 2015年8月8日 三原山上部 タカサゴキジノオ、胞子葉の羽片 2015年8月8日 三原山上部
タカサゴキジノオ、葉身下部の羽片基部(上左)
タカサゴキジノオ、胞子葉の羽片(上右)





トウゴクシダキノクニベニシダ

 トウゴクシダ 2015年8月8日  三原山上部  トウゴクシダ、最下羽片 2015年8月8日  三原山上部 
(1)トウゴクシダキノクニベニシダ
(2)トウゴクシダキノクニベニシダ 、最下羽片





アツイタ

アツイタ 八丈島 アツイタ 八丈島
(1)アツイタ
(2)アツイタ、葉柄の鱗片





ヒロハアツイタ

ウエットな林内、樹幹に着生。葉の大きさは10~18㎝。葉の質はやや柔らかい革質、葉の表面には光沢が無く葉の辺縁には白膜がある。胞子のう群は胞子葉の全面につく。栄養葉・胞子葉は同形。
ヒロハアツイタ 八丈島 ヒロハアツイタ、下から見上げると辺縁の白膜が光に透ける 八丈島
(1),(2)ヒロハアツイタ

ヒロハアツイタ、葉柄基部、鱗片は膜質で明るい褐色 八丈島 
ヒロハアツイタ、葉柄基部





ナンカイヌリトラノオヌリトラノオ

苔むした切り株に群生するナンカイヌリトラノオ<del>ヌリトラノオ</del>  2015年8月8日  三原山上部 ナンカイヌリトラノオ<del>ヌリトラノオ</del>  2015年8月8日  三原山上部
苔むした切り株に群生するナンカイヌリトラノオヌリトラノオ(上左、上右)

ナンカイヌリトラノオ<del>ヌリトラノオ</del>、羽片は濃緑色でぬれたような透明感のある光沢がある  2015年8月8日  三原山上部 葉の先に無性芽をつけたナンカイヌリトラノオ<del>ヌリトラノオ</del>  2015年8月8日  三原山上部
ナンカイヌリトラノオヌリトラノオ、羽片(上左)
ナンカイヌリトラノオヌリトラノオ、無性芽(上右)

ナンカイヌリトラノオ<del>ヌリトラノオ</del>、中軸および羽片  2015年8月8日  三原山上部 ナンカイヌリトラノオ<del>ヌリトラノオ</del>、胞子のう群  2015年8月8日  三原山上部
ナンカイヌリトラノオヌリトラノオ、中軸および羽片(上左)
ナンカイヌリトラノオヌリトラノオ、胞子のう群(上右)





タニイヌワラビ

スギ林内、コケ類や背の低い林床植生がまばらに生えるきれいな林床にポツンポツンと生育。
タニイヌワラビ 2015年8月8日  八丈島 タニイヌワラビ、羽片 2015年8月8日  八丈島
タニイヌワラビ(上左)
タニイヌワラビ、羽片(上右)

タニイヌワラビ、葉柄基部の鱗片 2015年8月8日  八丈島 タニイヌワラビ、胞子のう群 2015年8月8日  八丈島
タニイヌワラビ、葉柄基部の鱗片(上左)
タニイヌワラビ、胞子のう群(上右)





ツクシイヌワラビ

案内していただいたところではタニイヌワラビと同じところに生育していました。スギ林内、コケ類や背の低い林床植生がまばらに生えるきれいな林床に生育。
ツクシイヌワラビ 2015年8月8日  八丈島 ツクシイヌワラビ、葉柄基部の鱗片は明褐色 2015年8月8日  八丈島
ツクシイヌワラビ(上左)
ツクシイヌワラビ、葉柄基部の鱗片(上右)

ツクシイヌワラビ、小羽片の先端は鈍頭 2015年8月8日  八丈島 ツクシイヌワラビ、胞子のう群 2015年8月8日 八丈島
ツクシイヌワラビ、羽片(上左)
ツクシイヌワラビ、胞子のう群(上右)






ハチジョウウラボシ

ハチジョウウラボシ  八丈富士 ハチジョウウラボシ  八丈富士
ハチジョウウラボシ (上左、上右)

ハチジョウウラボシ、葉の先に胞子のう群をつける  八丈富士
ハチジョウウラボシ、胞子のう群






オオハイホラゴケ

海岸近くの渓谷に生育するオオハイホラゴケにくらべ大きく25~30㎝はある。中軸の翼の幅は広い。ウエットな岩壁に群生。
オオハイホラゴケ、葉の大きさは25~30㎝。八丈富士 オオハイホラゴケ、ラッパ状の包膜には翼状の稜がつく。八丈富士
(1)オオハイホラゴケ
(2)オオハイホラゴケ、翼状の稜がつく包膜






イワイタチシダ

箱根仙石原同様ウエットな火山性砂礫地では林床に生育。岩壁面にも小さな株は生育しているが、林床では大きく30~45㎝ほどに成長。イタチシダの仲間はイワイタチシダ 以外にヤマイタチシダ・イヌイワイタチシダが見られた。
岩上に生える小形のイワイタチシダ。八丈富士 小形のイワイタチシダ、葉柄の鱗片。八丈富士
(1)イワイタチシダ
(2)イワイタチシダ、葉柄






イヌイワイタチシダ

葉の色など外観はヤマイタチシダに似るが葉柄の鱗片はイワイタチシダほど整わないが開出気味につける。イヌイワイタチシダは、胞子数は32個なのでいつか確認してみたい。

イヌイワイタチシダ 八丈富士 イヌイワイタチシダ、葉柄 八丈富士
(1)イヌイワイタチシダ
(2)イヌイワイタチシダ、葉柄





シケシダあるいはタマシケシダ(シケシダ×フモトシケシダ)%%

まだ胞子を観察していない。葉にはあっる程度艶があり包膜の辺縁は全縁でシケシダに似ているが、包膜上にまばらに毛が生えている。包膜上の毛はフモトシケシダが関わっている可能性がある。胞子が乱れていればタマシケシダ(シケシダ×フモトシケシダ)と考えられる。
シケシダとタマシケシダはよく似ていることがあり、フィールドでは、森の中で見つけたシケシダはタマシケシダの可能性があり、一応胞子のようすを確認したほうが良い。

シケシダあるいはタマシケシダ、2形性は見られない 八丈富士
シケシダあるいはタマシケシダ

シケシダあるいはタマシケシダ、包膜上には毛があり、包膜の辺縁は巻きこむ 八丈富士 シケシダあるいはタマシケシダ、包膜上には毛があり、包膜の辺縁は巻きこむ 八丈富士
(1)(2)シケシダあるいはタマシケシダ、包膜 





ナチフモトシケシダ(ナチシケシダ×フモトシケシダ)

ナチシケシダとフモトシケシダの雑種と推定される。八丈富士噴火口内ではよくみられました。包膜の辺縁が激しくほつれるところはナチシケシダ似。包膜上の毛はフモトシケシダ似。
ナチフモトシケシダ、葉は厚く最下羽片はやや発達する。唐滝川 ナチフモトシケシダ、包膜上には毛が確認できる。唐滝川
(1)渓谷の斜面に生育するナチフモトシケシダ
(2)ナチフモトシケシダ、包膜は有毛






ナチフモトシケシダか不明なシケシダの仲間 (フモトシケシダあるいはナチシケシダあるいはナチフモトシケシダ)

八丈富士の中央火口丘の周辺で観察された。八丈島は標高の低いところではナチシケシダやその雑種が多く、このシダは形が整ったシダであるがフモトシケシダあるいはナチシケシダあるいはナチフモトシケシダの可能性がある。
 
葉の大きさは35~45㎝。葉柄は葉身とほぼ同長、葉柄下部はえんじ色。最下羽片は発達する。包膜の辺縁には細鋸歯があり一部内曲している部分も認められる。包膜上には毛が生えている。

ナチフモトシケシダか<del>不明なシケシダの仲間</del>、葉柄はえんじ色で最下羽片は発達する。2015年8月7日 八丈富士 ナチフモトシケシダか<del>不明なシケシダの仲間</del>、包膜の辺縁は一部内曲し一部には細鋸歯が確認できる。2015年8月7日 八丈富士
(1)八丈富士中央火口丘内低木林林床に生育するナチフモトシケシダか不明なシケシダの仲間
(2)ナチフモトシケシダか不明なシケシダの仲間、包膜






フモトシケシダ2 包膜の辺縁が内曲する個体

葉の大きさは30~35㎝。葉柄は葉身とほぼ同長、葉柄下部はえんじ色。最下羽片は発達する。包膜はすべてシケシダのように内曲し包膜上には目立った毛は確認できない。標本2は包膜辺縁がすべて内曲するのでコヒロハシケシダの可能性も考えられる。
包膜辺縁内曲するフモトシケシダ。2015年8月7日 八丈富士 包膜。2015年8月7日 八丈富士
(1)包膜の辺縁が内曲するフモトシケシダ
(2)包膜辺縁内曲するフモトシケシダ、包膜





サトメシダ

サトメシダ、ウエットなやや明るい林床、高茎草本と共に生育  八丈富士 サトメシダ、包膜の辺縁は和紙を裂いたようにほつれる。 八丈富士
(1)ウエットなやや明るい林床、高茎草本と共に生育するサトメシダ
(2)サトメシダ、包膜






ホソバイヌワラビ

ウエットな林床に生育。
ホソバイヌワラビ 八丈富士 ホソバイヌワラビ、葉身 八丈富士
ホソバイヌワラビ(上左)
ホソバイヌワラビ、葉身(上右)

ホソバイヌワラビ、小羽軸上には刺がある 八丈富士
ホソバイヌワラビ、小羽軸上の刺

ホソバイヌワラビ、胞子のう群 八丈富士 ホソバイヌワラビ、包膜には馬蹄形が混ざる 八丈富士
ホソバイヌワラビ、胞子のう群
ホソバイヌワラビ、包膜





柄の長い羽片を持つヤマイヌワラビ

ウエットな明るい林床に生育。 本土の個体にくらべると羽片の柄は長い。包膜は短い棒状と馬蹄形が混ざる。包膜の辺縁は著しく裂ける。
ヤマイヌワラビ 八丈富士 ヤマイヌワラビ 八丈富士
ヤマイヌワラビ(上左、上右)


ヤマイヌワラビ、羽片の柄は本土の物よりも長い 八丈富士 ヤマイヌワラビ、中軸上部には刺がある 八丈富士
ヤマイヌワラビ、羽片の柄(上左)
ヤマイヌワラビ、中軸上の刺(上右)

ヤマイヌワラビ、包膜は馬蹄形が混ざる 八丈富士 ヤマイヌワラビ、包膜の辺縁は和紙を裂いたようにほつれる 八丈富士
ヤマイヌワラビ、胞子のう群(上左)
ヤマイヌワラビ、包膜(上右)





ヤワラシダ(包膜が辺縁寄りにつくtype)

本土のヤワラシダと同様と思い撮影。胞子のう群は裂片の辺縁寄りについていた。次回行った時には再度詳しく調べてみたい。
ハチジョウヤワラシダ 八丈富士
ヤワラシダ(包膜が辺縁寄りにつくtype)

ヤワラシダ(包膜が辺縁寄りにつくtype)、胞子のう群は辺縁寄りにつく 八丈富士 ヤワラシダ(包膜が辺縁寄りにつくtype)、胞子のう群は辺縁寄りにつく 八丈富士
ヤワラシダ(包膜が辺縁寄りにつくtype)、胞子のう群(上左、上右)

ヤワラシダ(包膜が辺縁寄りにつくtype)、包膜の辺縁には毛がある 八丈富士 ヤワラシダ(包膜が辺縁寄りにつくtype)、包膜の辺縁には毛がある 八丈富士
ハチジョウヤワラシダ、包膜(上左、上右)





ヒロハヒメウラボシ

一見ノキシノブの幼株のように見える。上部は樹冠に覆われているがやや明るくそれほどウエットではない切り立った岩壁に着生。植物体全体に褐色の長い毛が生える。
ヒロハヒメウラボシ 八丈島 ヒロハヒメウラボシ、胞子のう群 八丈島 
ヒロハヒメウラボシ(上左)
ヒロハヒメウラボシ、胞子のう群(上右)





'高層湿原など湿潤な環境で                        
池塘の周りはびっしりとオオミズゴケが茂り、クッションのようにふっくらふくらんでいる 八丈富士 
中央火口丘近くでは規模は小さいですがオオミズゴケが堆積した湿地を有する高層湿原が広がります。(この高層湿原内は、オオミズゴケが生育するする範囲ごくわずかで、まもなく湿地は終了しそうです)周辺の潅木林はヒサカキやイヌツゲが目につきました。林床にはサトメシダ・ヒカゲノカズラ・ハリガネワラビ・ヒロハトオゲシバ・ホソバイシカグマが生育し、岩場ではオオクボシダ・コケシノブ・コウヤコケシノブ・イワイタチシダ・イヌイワイタチシダなどが見られました。



コケシノブ

玄武岩質溶岩の切り立った岩壁面に群生。
コケシノブ 八丈富士 コケシノブ 八丈富士
コケシノブ(上左、上右)






オオクボシダ

オオクボシダ 八丈富士 オオクボシダ、葉身 八丈富士 
オオクボシダ(上左、上右)

オオクボシダ、胞子のう群 八丈富士
オオクボシダ、胞子のう群





ハリガネワラビの仲間八丈島type(中軸には褐色毛密生・胞子のう群は中間・包膜上には長毛と線毛)ハリガネワラビ

中央火口丘付近で観察したハリガネワラビの仲間ハリガネワラビは胞子のう群が中間につく個体が見られました。個体の特徴は葉の色が黄緑色、中軸には褐色の毛が密生。八丈島では普通のハリガネワラビも見られるので詳しく調べる必要があると思います。
ハリガネワラビの仲間<del>ハリガネワラビ</del> 八丈富士 ハリガネワラビの仲間<del>ハリガネワラビ</del>、葉身 八丈富士
ハリガネワラビの仲間ハリガネワラビ(上左)
ハリガネワラビの仲間ハリガネワラビ、葉身(上右)

ハリガネワラビの仲間<del>ハリガネワラビ</del>、葉柄 八丈富士 ハリガネワラビの仲間<del>ハリガネワラビ</del>、中軸 八丈富士
ハリガネワラビの仲間ハリガネワラビ、葉柄(上左)
ハリガネワラビの仲間ハリガネワラビ、中軸(上右)

ハリガネワラビの仲間<del>ハリガネワラビ</del>、胞子のう群 八丈富士 ハリガネワラビの仲間<del>ハリガネワラビ</del>、包膜 八丈富士
ハリガネワラビの仲間ハリガネワラビ、胞子のう群(上左)
ハリガネワラビの仲間ハリガネワラビ、包膜(上右) 





コバノイシカグマホソバイシカグマ

コバノイシカグマ  2015年8月7日 八丈富士 コバノイシカグマ、胞子のう群  2015年8月7日 八丈富士
コバノイシカグマホソバイシカグマ(上左)
コバノイシカグマホソバイシカグマ、胞子のう群(上右) 





オニトウゲシバtypeヒロハノトウゲシバ

オニトウゲシバ  2015年8月7日 八丈富士 
オニトウゲシバtypeヒロハノトウゲシバ

オニトウゲシバ 2015年8月7日 八丈富士 オニトウゲシバ、胞子のう  2015年8月7日 八丈富士
オニトウゲシバtypeヒロハノトウゲシバ 、頂生する新芽(上左)
オニトウゲシバtypeヒロハノトウゲシバ 、胞子のう(上右)



 

コウヤコケシノブ






ヒカゲノカズラ

中央火口丘の明るい潅木林の乾燥気味の林床に生育。
ヒカゲノカズラ  八丈富士 ヒカゲノカズラ  八丈富士
ヒカゲノカズラ(上左、上右)






'八丈富士中央火口丘内、2重のクレータの中「小穴」で        
2重のクレータの中、最も低いお椀小穴は深く30~40m下ります。底にもヒサカキを中心とした低木林が広がっているようです。お椀の底の中心部には本数は限られますがヤマグルマの大木が純林を形成しています。

いつか歩いてみたいと思います。

深く落ち込む「小穴」  八丈富士 「小穴」の最低部に群生するヤマグルマの純林  八丈富士
八丈富士「小穴」(上左、上右)






一度は八丈島へ       
我々シダ仲間3人組はひろちょんが親しくされている宿(希望の村)に宿泊しました。前日、宿のご主人が我々のため早朝、岸壁から大きなカンパチとアカハタを釣り上げごちそうしてくださいました。島の焼酎は香り高くその味は忘れがたいです。そのうちまた必ずシダを見に行きたいと思っています。島の魚、鳥、爬虫類、蝶、虫、きのこ、草花(シダ)を調べに一度はいらしてください。旅情豊かな船旅もいいですが、飛行機だと1時間足らずで着いてしまいます。
なお、またひろちょんが八丈島に行く時に、お願いすれば案内していただけるかもしれません。

島のヤモリ

夜、宿の網戸に虫を食べに現れたかわいいヤモリ
夜、部屋の中に現れたヤモリ 2015年8月6日 八丈島 希望の村 夜、部屋の中に現れたヤモリ 2015年8月6日 八丈島 希望の村

島のきのこ

美しい青いきのこ  2015年8月6日 三原山中腹 美しい青いきのこ  2015年8月6日 三原山中腹 美しい青いきのこ  2015年8月6日 三原山中腹 


ビジターセンターでは光るキノコを実際に見学しました。森の中でも光りそう?なキノコを見つけました。
実際に生育している光るキノコをビジターセンターで撮影  2015年8月6日 ビジターセンター 照葉樹林林床で生育、きっと光るキノコにちがいない!? 2015年8月6日 三原山登山道