谷の奥、小さな沢のそばで観察されたヒダサンショウウオ<del>カスミサンショウウオ</del>。2024年12月14日 小松市 大杉谷川周辺
 この季節、関東や太平洋側が天気が良い日は、日本海側は曇っていることが多いです。その分関東などで感じる激しい乾燥は無く、針葉樹照葉樹が多いこともあり森や林床は緑が多く、空気が肌に優しく潤っている感じがします。山では雨に降られる覚悟でしたが、小雪混じりでしたがわずかに降っては止むといった感じで観察をすることができました。
 おもに石川県小松市大杉谷川・七尾市上沢石灰岩質シルト地帯でシダ植物を観察しました。七尾市のスギ林内では小株のアテ(ヒノキアスナロ)が多数生育していました。道すがらの岐阜県神岡・富山県猪谷、八尾にも立ち寄りました。
 小松市で淡水魚や水生および水辺の生物を調べておられる方に案内していただきました。今回小松市大杉谷川の渓流で観察できた生き物は陸封型のカジカ、ヒダサンショウウオカスミサンショウウオ、ナガレタゴガエルなどでした。

表紙の個体とは別の支流で観察された渋い紫色に金粉を散らしたようなヒダサンショウウオ<del>カスミサンショウウオ</del>。2024年12月14日 小松市 大杉谷川 ヒダサンショウウオ<del>カスミサンショウウオ</del>、体長11㎝程度。2024年12月14日 小松市 大杉谷川
①②ヒダサンショウウオカスミサンショウウオ

渓流の中に生息するナガレタゴガエル。2024年12月14日 小松市 大杉谷川 ナガレタゴガエル、後ろ足の水かき。2024年12月14日 小松市 大杉谷川
①ナガレタゴガエル
②ナガレタゴガエル、後ろ足


ハナヤスリの仲間 [#k1e70df8]

フユノハナワラビ、オオハナワラビ、アイフユノハナワラビが観察された。

アイフユノハナワラビか Sceptridium japonicum × S. ternatum
ハナヤスリ科 オオハナワラビ属

オオハナワラビが生育する林床で時々観察される。①葉はオオハナワラビ似で大きく、②葉は厚みがある。③葉の切れ込みはオオハナワラビよりももう1回多くフユノハナワラビ的。④葉縁に突起はあるがオオハナワラビほど鋭くない。胞子のようすは観察できていない。

林床に生育するアイフユノハナワラビか。2024年12月14日 小松市 大杉谷川
林床に生育するアイフユノハナワラビか

アイフユノハナワラビか、葉身中上部。2024年12月14日 小松市 大杉谷川
アイフユノハナワラビか、葉身中上部




オオハナワラビ Sceptridium japonicum
ハナヤスリ科 オオハナワラビ属

林床では時々観察される。最下羽片を除くと2回羽状に分かれる。葉縁には鋭い棘のような鋸歯がある。
標本1
林床に生育するオオハナワラビ。2024年12月14日 小松市 大杉谷川
林床に生育するオオハナワラビ




コケシノブ科の仲間

コウヤコケシノブ、ヒメハイホラゴケを観察。

ヒメハイホラゴケか Vandenboschia nipponica
コケシノブ科 ハイホラゴケ属

この仲間は外観で区別することが難しい。胞子のようすは充実した胞子が多く見られ有性生殖種と思われる。研究報告などで発表されている分布からヒメハイホラゴケとします。小松市 大杉谷川、富山市 八尾などで観察。林内の水が滴るような岩壁に群生していた。
日陰のウエットな崖に生育するヒメハイホラゴケ。2024年12月13日 富山市 八尾
日陰のウエットな崖に生育するヒメハイホラゴケ

日陰のウエットな崖に群生するヒメハイホラゴケ。2024年12月13日 富山市 八尾
日陰のウエットな崖に群生するヒメハイホラゴケ

ヒメハイホラゴケ、葉質は柔らかく裂片は細長い。2024年12月13日 富山市 八尾 ヒメハイホラゴケ、胞子のう群。2024年12月13日 富山市 八尾
①ヒメハイホラゴケ
②ヒメハイホラゴケ、胞子のう群

ヒメハイホラゴケ胞子のようす、充実した胞子が多く見られ有性生殖種と考えられる。2024年12月13日 富山市 八尾 ヒメハイホラゴケ、充実した胞子が多く見られ有性生殖種と考えられる。2024年12月13日 富山市 八尾
①②ヒメハイホラゴケ、1つの胞子のうを壊したようす 




キジノオシダの仲間

オオキジノオ、キジノオシダ、わずかにヤマソテツが見られた。

ヤマソテツ Plagiogyria matsumureana
キジノオシダ科 キジノオシダ属

標高200mに達しないが、深い谷の林床では時々観察されることがあった。標高が高くなると普通に見られるシダである。
深い谷の林床でときどき観察されるヤマソテツ。2024年12月14日 小松市 大杉谷川
深い谷の林床でときどき観察されるヤマソテツ

ヤマソテツ、栄養葉。2024年12月14日 小松市 大杉谷川
ヤマソテツ、栄養葉



イノモトソウの仲間 &aname(): ID too long;

富山、小松、七尾で個体数は多くないがオオバノハチジョウシダは見られた。オオバノアマクサシダは観察できなかった。

オオバノハチジョウシダ Dryopteris dickinsii
イノモトソウ科 イノモトソウ属

ウエットなスギ植林地林床に大きな葉を広げて生育していた。
ウエットなスギ植林地林床に生育するオオバノハチジョウシダ。2024年12月15日 七尾市 上沢
ウエットなスギ植林地林床に生育するオオバノハチジョウシダ




チャセンシダ科の仲間

チャセンシダ Asplenium trichomanes subsp. quadrivalens
チャセンシダ科 チャセンシダ属

林縁の石組みの間に生育していた。
林縁の石組みの間に生育するチャセンシダ。2024年12月13日 富山市 八尾
林縁の石組みの間に生育するチャセンシダ




コタニワタリ Asplenium scolopendrium
チャセンシダ科 チャセンシダ属

堆積岩およびその変成岩地帯でよく見られた。
石灰質シルト岩地帯のウエットな崖に生育するコタニワタリ。2024年12月15日 七尾市 上沢
石灰質シルト岩地帯のウエットな崖に生育するコタニワタリ

人家の古い石垣に群生するコタニワタリ。2024年12月13日 神岡鉱山
人家の古い石垣に群生するコタニワタリ




メシダ科 メシダ属の仲間 [#j8eb8f2e]

この季節、地上部が枯れているものが多かった。代わりに常緑・半常緑のものを見つけることは簡単である。

サキモリイヌワラビ Athyrium oblitescens
メシダ科 メシダ属

大杉谷川支流の谷で観察されました。常緑性のシダ。葉柄下部の鱗片は中央が黒褐色で辺縁が淡い色になる。葉は雨に濡れているとよくわかりませんが、葉は厚みがあり光沢が乏しい淡緑色。タニイヌワラビに似て小羽片の先は尖るがタニイヌワラビほどシャープではない。
沢沿いの林床に生育するサキモリイヌワラビ。2024年12月14日 小松市 大杉谷川
沢沿いの林床に生育するサキモリイヌワラビ

サキモリイヌワラビ、葉の表面が乾いている株。2024年12月14日 小松市 大杉谷川産 サキモリイヌワラビ、葉柄基部の鱗片。2024年12月14日 小松市 大杉谷川
サキモリイヌワラビ(葉の表面が濡れていないとき) 
サキモリイヌワラビ、葉柄基部の鱗片

サキモリイヌワラビ、羽片。2024年12月14日 小松市 大杉谷川 サキモリイヌワラビ、羽片(葉の表面が濡れていないとき)。2024年12月14日 小松市 大杉谷川
①サキモリイヌワラビ、羽片
②サキモリイヌワラビ、羽片(葉の表面が濡れていないとき)

サキモリイヌワラビ、新芽。2025年5月28日 小松市 大杉谷川産
サキモリイヌワラビ、新芽




ニセハツキイヌワラビ(ホソバイヌワラビ×サキモリイヌワラビ) Athyrium iseanum × A. oblitescensあるいは
ハツキイヌワラビ(ホソバイヌワラビ×タニイヌワラビ) Athyrium iseanum × A. otophorum

メシダ科 メシダ属

ホソバイヌワラビとサキモリイヌワラビの雑種と思われる。葉はそれほど厚くないが常緑性あるいは半常緑性。葉は光沢のない淡緑色。ハツキイヌワラビにくらべ①葉は白く、②小羽片の切れ込みは深く、③小羽軸上の棘もホソバイヌワラビ同様に明瞭に長い棘があり、④鈎型の包膜は混ざっていない。この森で観察できた常緑性のメシダ属はタニイヌワラビ・サキモリイヌワラビだけであった。
ウエットな林床に生育するニセハツキイヌワラビ。2024年12月14日 小松市 大杉谷川
ウエットな林床に生育するニセハツキイヌワラビ

ニセハツキイヌワラビ、葉身(葉の表面が濡れていないとき)。2024年12月14日 小松市 大杉谷川 
ニセハツキイヌワラビ、葉身(葉の表面が濡れていないとき)

ニセハツキイヌワラビ、葉柄基部の鱗片。2024年12月14日 小松市 大杉谷川 ニセハツキイヌワラビ、葉身中部。2024年12月14日 小松市 大杉谷川
①ニセハツキイヌワラビ、葉柄基部の鱗片
②ニセハツキイヌワラビ、葉身中部

ニセハツキイヌワラビ、小羽片上には鋭い棘が生える。2024年12月14日 小松市 大杉谷川 ニセハツキイヌワラビ、小羽片上には鋭い棘が生える。2024年12月14日 小松市 大杉谷川
①ニセハツキイヌワラビ、葉身下部小羽軸上の棘
②ニセハツキイヌワラビ、小羽片軸の棘

ニセハツキイヌワラビ、羽片・小羽片(葉の表面が濡れていないとき)。2024年12月14日 小松市 大杉谷川 ニセハツキイヌワラビ、小羽軸上の棘(葉の表面が濡れていないとき)。2024年12月14日 小松市 大杉谷川
①ニセハツキイヌワラビ、小羽片(濡れていないとき)
②ニセハツキイヌワラビ、小羽軸上の棘(濡れていないとき)

ニセハツキイヌワラビ、羽片裏側。2024年12月14日 小松市 大杉谷川 ニセハツキイヌワラビ、羽片裏側。2024年12月14日 小松市 大杉谷川 
①②ニセハツキイヌワラビ、羽片裏側




ハツキイヌワラビ(ホソバイヌワラビ×タニイヌワラビ) Athyrium iseanum × A. otophorum
メシダ科 メシダ属

ウエットな林床で採取。栽培する。葉の質はやや厚みがありは黄緑色~明るい緑色、やや光沢がある。(生育地の林内よりの明るいところで栽培したため黄緑色が強いかもしれない。)小羽軸上にはわずかに棘が生えるが目立たないので見過ごしやすい。包膜にはわずかに鈎型が混ざる。
タニイヌワラビの特徴:葉は厚みがある。
ホソバイヌワラビの特徴:葉の色が明るい緑色。小羽軸上にも棘(短い棘なのでよく見ないと見過ごしてしまう)がある。鈎型の包膜が混ざる。
ウエットな沢沿いの林床に生育するハツキイヌワラビ。2025年6月25日 小松市 大杉谷川産
ウエットな沢沿いの林床に生育するハツキイヌワラビ

ハツキイヌワラビ、葉身。2025年6月25日 小松市 大杉谷川産 ハツキイヌワラビ、葉柄基部の鱗片。2025年6月25日 小松市 大杉谷川産
①ハツキイヌワラビ、葉身
②ハツキイヌワラビ、葉柄基部の鱗片

ハツキイヌワラビ、葉身下部の羽片。2025年6月25日 小松市 大杉谷川産 ハツキイヌワラビ、葉身上部の羽片。2025年6月25日 小松市 大杉谷川産
①ハツキイヌワラビ、葉身下部の羽片
②ハツキイヌワラビ、葉身上部の羽片

ハツキイヌワラビ、小羽軸上には棘が生える。2025年6月25日 小松市 大杉谷川産 ハツキイヌワラビ、小羽軸上には棘が生える。2025年6月25日 小松市 大杉谷川産
①②ハツキイヌワラビ、小羽軸上の棘

ハツキイヌワラビ、胞子のう群。2025年6月25日 小松市 大杉谷川産 ハツキイヌワラビ、短い線形の包膜に混ざりわずかに鈎型の包膜が混ざる。2025年6月25日 小松市 大杉谷川産
①ハツキイヌワラビ、胞子のう群
②ハツキイヌワラビ、包膜

胞子嚢群にはわずかに黒褐色の胞子嚢が確認できるが正常な胞子嚢に比べ膨らんでいない。2025年6月25日 小松市 大杉谷川産 胞子嚢群にはわずかに黒褐色の胞子嚢が確認できるが正常な胞子嚢に比べ膨らんでいない。2025年6月25日 小松市 大杉谷川産
①②ハツキイヌワラビ、包膜をめくった胞子のう群のようす

胞子嚢群にはわずかに黒褐色の胞子嚢が確認できるが正常な胞子嚢に比べ膨らんでいない。2025年6月25日 小松市 大杉谷川産 胞子嚢群にはわずかに黒褐色の胞子嚢が確認できるが正常な胞子嚢に比べ膨らんでいない。2025年6月25日 小松市 大杉谷川産
①②ハツキイヌワラビ、包膜をめくった胞子のう群のようす




タニイヌワラビ Athyrium otophorum
メシダ科 メシダ属

ウエットな沢沿いの林床に生育。常緑性のシダ。時々目にすることがあり、場所によっては群生している。
ウエットな沢沿いの林床の岩の崖に生育するタニイヌワラビ。2024年12月14日 小松市 大杉谷川
ウエットな沢沿いの林床の岩の崖に生育するタニイヌワラビ

タニイヌワラビ、葉柄基部の鱗片。2024年12月14日 小松市 大杉谷川 

タニイヌワラビ、羽片。2024年12月14日 小松市 大杉谷川 タニイヌワラビ、胞子のう群。2024年12月14日 小松市 大杉谷川
①タニイヌワラビ、羽片
②タニイヌワラビ、胞子のう群

タニイヌワラビ、新芽。2025年5月22日 小松市 大杉谷川産
タニイヌワラビ、新芽




カラクサイヌワラビか Athyrium clivicola
メシダ科 メシダ属

ウエットな林床に生育。夏緑性のシダ。枯れていたので正確なところはわからない。
ウエットな林床に生育するカラクサイヌワラビか。2024年12月14日 小松市 大杉谷川
ウエットな林床に生育するカラクサイヌワラビか

カラクサイヌワラビか、羽片および胞子のう群。2024年12月14日 小松市 大杉谷川
カラクサイヌワラビか、胞子のう群




メシダ科 シケシダ属の仲間 [#c6ddc3a9]

夏緑性のシダで、すでに地上部は枯れているものが多い中オオヒメワラビやオオヒメワラビモドキの生育が確認された。

オオヒメワラビ Deparia okuboana
メシダ科 シケシダ属

スギ・ヒノキ植林地の林床に生育する。群生することはあまりなく単独あるいは点在して生育する。ウエットな林床ではやや普通に見られる。
林縁に生育するオオメワラビ。2024年12月15日 七尾市 上沢
林縁に生育するオオメワラビ

オオメワラビ、葉柄上部。2024年12月15日 七尾市 上沢 オオメワラビ、中軸。2024年12月15日 七尾市 上沢
①オオメワラビ、葉柄上部
②オオメワラビ、中軸

オオメワラビ、羽片(葉身下部)。2024年12月15日 七尾市 上沢 オオメワラビ、羽片。2024年12月15日 七尾市 上沢 
①オオメワラビ、羽片(葉身下部)
②オオメワラビ、羽片

オオメワラビ、羽軸の翼と小羽片。2024年12月15日 七尾市 上沢 オオメワラビ、羽軸の翼と小羽片。2024年12月15日 七尾市 上沢  
①②オオメワラビ、羽軸の翼と小羽片

オオメワラビ、小羽片裏側。2024年12月15日 七尾市 上沢 オオメワラビ、胞子のう群はオオヒメワラビモドキよりも大きい。2024年12月15日 七尾市 上沢  
①オオメワラビ、小羽片裏側
②オオメワラビ、胞子のう群





標本2
林内、高茎草本と共に生育するオオメワラビ。2024年12月15日 七尾市 上沢 オオメワラビ、羽片。2024年12月15日 七尾市 上沢  
①林内、高茎草本と共に生育するオオメワラビ
②オオメワラビ、羽片





オオヒメワラビモドキ(1)Deparia unifurcata
メシダ科 シケシダ属 (富山市 猪谷)

滝のそばの崖や林縁の水が滴るようなやや明るいウエットな崖にまとまって生育していた。
水が滴る崖に群生するオオヒメワラビモドキ。2024年12月13日 富山市 猪谷 
水が滴るような岩壁に生育するオオヒメワラビモドキ

水が滴る崖に群生するオオヒメワラビモドキ。2024年12月13日 富山市 猪谷 オオヒメワラビモドキ、葉柄。2024年12月13日 富山市 猪谷 
①水が滴るような岩壁に生育するオオヒメワラビモドキ 
②オオヒメワラビモドキ、葉柄

オオヒメワラビモドキ、葉柄下部の鱗片。2024年12月13日 富山市 猪谷 オオヒメワラビモドキ、葉柄上部の鱗片。2024年12月13日 富山市 猪谷
①オオヒメワラビモドキ、葉柄下部の鱗片
②オオヒメワラビモドキ、葉柄上部の鱗片

オオヒメワラビモドキ、中軸および羽片。2024年12月13日 富山市 猪谷 
オオヒメワラビモドキ、中軸および羽片

オオヒメワラビモドキ中軸および羽片、下部の小羽片には狭い翼が見られる。2024年12月13日 富山市 猪谷 オオヒメワラビモドキ中軸および羽片、下部の小羽片には狭い翼が見られる。2024年12月13日 富山市 猪谷  
①②オオヒメワラビモドキ、中軸および小羽片と羽軸の狭い翼

オオヒメワラビモドキ、胞子のう群。2024年12月13日 富山市 猪谷
②オオヒメワラビモドキ、胞子のう群





オオヒメワラビモドキ(1)Deparia unifurcata
メシダ科 シケシダ属 (富山市 八尾)

主にスギ林内の日陰でウエットな苔むした切り立った崖に生育。
林内の日陰でウエットな苔むした切り立った崖に生育するオオヒメワラビモドキ。2024年12月13日 富山市 八尾 
林内の日陰でウエットな苔むした切り立った崖に生育するオオヒメワラビモドキ

林内の日陰でウエットな苔むした切り立った崖に生育するオオヒメワラビモドキ。2024年12月13日 富山市 八尾 オオヒメワラビモドキ、胞子のう群。2024年12月13日 富山市 八尾 
①林内の日陰でウエットな苔むした切り立った崖に生育するオオヒメワラビモドキ 
②オオヒメワラビモドキ、胞子のう群





オオヒメワラビモドキ(3) Deparia unifurcata 谷戸奥平坦な河畔に生育する小形・幅広の株
メシダ科 シケシダ属 (石川県 七尾)

河畔に生育する株。谷戸の奥、水田に流れ込む小川の平坦な林縁の草原に生育・川沿いの草本類が少ない河畔ではやや幅広・小形のオオヒメワラビモドキが見られ、高茎草本が茂るところでは細長い葉のオオヒメワラビモドキが観察された。平坦な所に生育する株は、どちらも地面から葉を立ち上げるようにして生育。
流れのそばに平坦な河畔に生育するオオヒメワラビモドキ。2024年12月15日 七尾市 上沢 
林縁を流れる小川の畔に生育するオオヒメワラビモドキ

平坦な河畔に生育する株の葉は葉身は30~50㎝で幅が広い。2024年12月15日 七尾市 上沢 平坦な河畔に生育する株、羽片。2024年12月15日 七尾市 上沢 
②オオヒメワラビモドキ、葉身
②オオヒメワラビモドキ、羽片

流れのそばに平坦な河畔に群生するオオヒメワラビモドキ。2024年12月15日 七尾市 上沢 平坦な河畔に生育する株とオオヒメワラビ(左)。2024年12月15日 七尾市 上沢 
①林縁を流れる小川の畔に生育するオオヒメワラビモドキ 
②平坦な河畔に生育する株とオオヒメワラビ(左)

オオヒメワラビモドキ、葉柄基部には棘のように尖った鱗片が開出して密生する。2024年12月15日 七尾市 上沢 
オオヒメワラビモドキ、葉柄基部の鱗片

オオヒメワラビモドキ、胞子のう群はオオヒメワラビに比べ小さい。2024年12月15日 七尾市 上沢 オオヒメワラビモドキ、胞子のう群は中間~やや辺縁寄りにつく。2024年12月15日 七尾市 上沢
①②オオヒメワラビモドキ、胞子のう群





オオヒメワラビモドキ(4) Deparia unifurcata 谷戸奥平坦な河畔・高茎草本と共に生育する大形・スリムな株
メシダ科 シケシダ属 (石川県 七尾)

谷戸奥の平坦な河畔スゲ類等高茎草本と共に生育する株。細長い葉のオオヒメワラビモドキが観察された。葉の大きさは80~100㎝。平坦な所に生育する株は、どちらも地面から葉を立ち上げるようにして生育。(この季節、倒伏していたが)
小川の流れのそばに平坦な河畔・高茎草本が茂るブッシュに生育する細長いオオヒメワラビモドキ。2024年12月15日 七尾市 上沢 
高茎草本が茂るブッシュに生育する細長いオオヒメワラビモドキ

この季節、倒伏している。2024年12月15日 七尾市 上沢 オオヒメワラビモドキ、葉身下部。2024年12月15日 七尾市 上沢 
①高茎草本が茂るブッシュに生育する細長いオオヒメワラビモドキ
②高茎草本が茂るブッシュに生育する細長いオオヒメワラビモドキ、葉身下部

中軸および小羽片。2024年12月15日 七尾市 上沢 羽片裏側。2024年12月15日 七尾市 上沢 
①高茎草本が茂るブッシュに生育する細長いオオヒメワラビモドキ、中軸および小羽片
②高茎草本が茂るブッシュに生育する細長いオオヒメワラビモドキ、羽片裏側

胞子のう群はやや辺縁よりにつく。2024年12月15日 七尾市 上沢 胞子のう群はやや辺縁よりにつく。2024年12月15日 七尾市 上沢 
①②高茎草本が茂るブッシュに生育する細長いオオヒメワラビモドキ、胞子のう群





オオヒメワラビモドキ(5) Deparia unifurcata 石灰質シルトの岩壁に垂下生育する大形株
メシダ科 シケシダ属 (石川県 七尾)

林内、石灰質シルトの岩壁に垂下生育する大形株。水が滴るようなウエットな切り立った崖(石灰質シルト)に生育する。葉は120~150㎝(60~80㎝、葉身は80~100㎝)に達し、羽片は間隔を空けてつける。葉身下部の羽片では羽軸に狭い翼を形成する。
石灰質シルトの切り立った法面に生育するオオヒメワラビモドキとヒノキアスナロ(アテ)。2024年12月13日 七尾市 上沢
林内、石灰質シルトの切り立った法面に生育するオオヒメワラビモドキとヒノキアスナロ(アテ)

石灰質シルトの岩壁に垂下群生するオオヒメワラビモドキ(大形株)、葉の大きさは120~150㎝。2024年12月15日 七尾市 上沢 オオヒメワラビモドキ、葉の大きさは120~150㎝。2024年12月15日 七尾市 上沢 
石灰質シルト岩の岩壁に120~150㎝の葉をつけるオオヒメワラビモドキ(大形)

オオヒメワラビモドキ、葉柄上部。2024年12月15日 七尾市 上沢 オオヒメワラビモドキ、中軸。2024年12月15日 七尾市 上沢
①オオヒメワラビモドキ、葉柄上部
②オオヒメワラビモドキ、中軸

葉身下部羽片の羽軸および独立する小羽片。2024年12月15日 七尾市 上沢 オオヒメワラビモドキ、葉身下部羽片の羽軸および独立する小羽片。2024年12月15日 七尾市 上沢
①②オオヒメワラビモドキ、葉身下部羽片の羽軸および小羽片

オオヒメワラビモドキ、胞子のう群は小さい。2024年12月15日 七尾市 上沢 オオヒメワラビモドキ、葉身下部羽片の羽軸には狭い翼が見られる。2024年12月15日 七尾市 上沢
①②大形のオオヒメワラビモドキ、胞子のう群

オオヒメワラビモドキ、葉身下部羽片の羽軸の翼。2024年12月15日 七尾市 上沢
①②大形のオオヒメワラビモドキ、葉身下部羽片の羽軸の翼




メシダ科 ノコギリシダ属の仲間

キヨタキシダ、オニヒカゲワラビなどを観察。

シロヤマシダ Diplazium nipponicum
メシダ科 ノコギリシダ属

スギ植林地林床で見られた。ここではあまりたくさん目にすることはなかった。
スギ植林地林床に大きな葉を広げるシロヤマシダ。2024年12月14日 小松市 大杉谷川
スギ植林地に生育するシロヤマシダ

シロヤマシダ、鱗片は早落性で葉柄基部にはほとんど鱗片が見られない。2024年12月14日 小松市 大杉谷川 シロヤマシダ、胞子のう群は中間につく。2024年12月14日 小松市 大杉谷川
①シロヤマシダ、葉柄基部
②シロヤマシダ、胞子のう群




オニヒカゲワラビ Diplazium nipponicum
メシダ科 ノコギリシダ属

ウエットな谷沿いの林床に群生していた。1m近い葉を広げていた。
ウエットな谷沿いの林床に群生する1m近い葉を広げるオニヒカゲワラビ。2024年12月14日 富山市 八尾
ウエットな谷沿いの林床に群生するオニヒカゲワラビ

オニヒカゲワラビ、胞子のう群。2024年12月14日 富山市 八尾
オニヒカゲワラビ、胞子のう群




カナワラビ属の仲間 [#q33742b8]

リョウメンシダ、オニカナワラビ、オオカナワラビ、ナンゴクナライシダ、ヒロハナライシダが観察された。

ヒロハナライシダ Arachniodes quadripinnata subsp. fimbriata
オシダ科 カナワラビ属

大杉谷川の支流の渓流のそばの林床に生育していた。ナンゴクナライシダはいくつかの地点で観察されたがヒロハナライシダは1地点で10m四方にやや間隔を空けて群生していた。ナンゴクナライシダに似るが、側羽片の間隔が空いていること、羽片を形作る小羽片は混みあってつき小羽片が丸っこい。最下羽片後側第1小羽片は最大になるが、ほかのナライシダの仲間のように特に発達することはない。
沢沿いの林床に生育するヒロハナライシダ。2024年12月14日 小松市 大杉谷川
沢沿いの林床に生育するヒロハナライシダ

ヒロハナライシダ、葉身下部。2024年12月14日 小松市 大杉谷川 ヒロハナライシダ、最下羽片。2024年12月14日 小松市 大杉谷川
①ヒロハナライシダ、葉身下部
②ヒロハナライシダ、最下羽片

ヒロハナライシダ、羽片。2024年12月14日 小松市 大杉谷川 ヒロハナライシダ、胞子のう群。2024年12月14日 小松市 大杉谷川
①ヒロハナライシダ、羽片
②ヒロハナライシダ、胞子のう群

ヒロハナライシダ、葉柄下部の鱗片。2024年12月14日 小松市 大杉谷川 ヒロハナライシダ、葉の表面の毛。2024年12月14日 小松市 大杉谷川
①ヒロハナライシダ、葉柄下部の鱗片
②ヒロハナライシダ、葉の表面の毛




オニカナワラビ Arachniodes chinensis
オシダ科 カナワラビ属

林内、急傾斜の岩場。岩上や岩混じりの林床に生育。
沢沿い岩が露出する林床に生育するオニカナワラビ。2024年12月14日 小松市 大杉谷川
沢沿い岩が露出する林床に生育するオニカナワラビ

沢沿いの岩上に生育するオニカナワラビ。2024年12月14日 小松市 大杉谷川
沢沿いの岩上に生育するオニカナワラビ




イノデ属の仲間 [#j284246a]

サカゲイノデ、アイアスカイノデ、イノデモドキ、ドウリョウイノデ(アイアスカイノデ×イノデ)、不明なイノデなどが観察された。

サカゲイノデ Polystichum longifrons
オシダ科 イノデ属

日本海側では最も優勢なイノデの仲間である。
林縁の斜面に生育するサカゲイノデ。2024年12月13日 富山市 八尾
林縁の斜面に生育するサカゲイノデ

スギ植林地林床に生育するサカゲイノデ。2024年12月13日 富山市 八尾
スギ植林地林床に生育するサカゲイノデ




アイアスカイノデ Polystichum longifrons
オシダ科 イノデ属

スギ植林地林床に生育するアイアスカイノデ。2024年12月13日 富山市 八尾
スギ植林地林床に生育するアイアスカイノデ

アイアスカイノデ、葉柄下部の鱗片。2024年12月13日 富山市 八尾 アイアスカイノデ、葉身上部。2024年12月13日 富山市 八尾
①アイアスカイノデ、葉柄下部の鱗片
②アイアスカイノデ、葉身上部

アイアスカイノデ、羽片。2024年12月13日 富山市 八尾 アイアスカイノデ、胞子のう群。2024年12月13日 富山市 八尾
①アイアスカイノデ、羽片
②アイアスカイノデ、胞子のう群




アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)不明イノデ
オシダ科 イノデ属

※改めてよい季節に胞子を観察すると60個以上確認できる。最初、12月の観察で胞子のうが弾けていなかったのは「秋葉」の胞子のうであったためである。アイアスカイノデに訂正します。

アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)アイアスカイノデに似ているイノデの仲間。明るい疎林の岩屑がザレた急傾斜地で観察。小~中形で黒っぽい。葉は厚みがあり、色は暗緑色・光沢あり、葉は鋭く尖り先は尾状。葉柄~中軸には赤褐色の鱗片が密につく。(葉柄基部鱗片には栗色が入っていない。)羽片基部前側第1小羽片は葉の上部で特に大きくなる。胞子のう群はやや辺縁寄り。胞子のうは弾けていないように見えるのは雑種ではなく、遅く出た葉(秋葉)のせいであった。この辺りの山は旅の途中立ち寄っただけなので、今後機会があれば、ほかにどのようなイノデの仲間が生育しているか観察してみたい。
林縁の急斜面に生育するアイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)<del>不明イノデ</del>。2024年12月13日 富山市 猪谷
林縁の急斜面に生育するアイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)不明イノデ

アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)<del>不明イノデ</del>、葉。2024年12月13日 富山市 八尾
不明イノデ、葉

アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)<del>不明イノデ</del>、葉身。2024年12月13日 富山市 八尾 アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)<del>不明イノデ</del>、葉裏側。2024年12月13日 富山市 八尾
①アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)不明イノデ、葉身
②アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)不明イノデ、葉裏側

アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)<del>不明イノデ</del>葉先、羽片基部前側第1小羽片は発達する。2024年12月13日 富山市 八尾 アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)<del>不明イノデ</del>葉先裏側、羽片基部前側第1小羽片は発達する。2024年12月13日 富山市 八尾
①アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)不明イノデ、葉先
②アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)不明イノデ、葉先裏側

アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)<del>不明イノデ</del>、葉身下部。2024年12月13日 富山市 猪谷
アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)不明イノデ、葉身下部

アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)<del>不明イノデ</del>、葉柄基部の鱗片。2024年12月13日 富山市 猪谷 アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)<del>不明イノデ</del>、葉柄基部の鱗片。2024年12月13日 富山市 猪谷 アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)<del>不明イノデ</del>、葉柄基部の鱗片。2024年12月13日 富山市 猪谷
①②③アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)不明イノデ、葉柄基部の鱗片

アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)<del>不明イノデ</del>、葉柄基部の鱗片。2024年12月13日 富山市 猪谷 アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)<del>不明イノデ</del>、葉柄基部の鱗片。2024年12月13日 富山市 猪谷
①②アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)不明イノデ、葉柄基部の鱗片

アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)<del>不明イノデ</del>、葉柄上部の鱗片。2024年12月13日 富山市 猪谷 アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)<del>不明イノデ</del>、葉柄上部の鱗片。2024年12月13日 富山市 猪谷
①②アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)不明イノデ、葉柄上部の鱗片

アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)<del>不明イノデ</del>、中軸表側にも密に赤褐色の鱗片がつく。2024年12月13日 富山市 猪谷 アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)<del>不明イノデ</del>、羽片。2024年12月13日 富山市 猪谷 
①アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)不明イノデ、中軸表側の鱗片
②アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)不明イノデ、羽片

アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)<del>不明イノデ</del>、小羽片には芒が発達する。2024年12月13日 富山市 猪谷 アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)<del>不明イノデ</del>、小羽片には芒が発達する。2024年12月13日 富山市 猪谷 
①②アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)不明イノデ、小羽片の芒

アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)<del>不明イノデ</del>、中軸裏側の鱗片。2024年12月13日 富山市 猪谷 アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)<del>不明イノデ</del>、中軸裏側の鱗片。2024年12月13日 富山市 猪谷
①②アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)不明イノデ、中軸裏側の鱗片

アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)<del>不明イノデ</del>、中軸裏側の鱗片。2024年12月13日 富山市 猪谷
アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)不明イノデ、中軸裏側の鱗片

アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)<del>不明イノデ</del>、羽片裏側。2024年12月13日 富山市 猪谷
アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)不明イノデ、羽片裏側

アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)<del>不明イノデ</del>、秋葉のため胞子のう群は弾けていない。2024年12月13日 富山市 猪谷 アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)<del>不明イノデ</del>、秋葉のため胞子のう群は弾けていない。2024年12月13日 富山市 猪谷
①②アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)不明イノデ、胞子のう群




胞子を観察(2025年6月14日)
アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)、胞子のう群。2025年6月14日 富山市 猪谷産 胞子数葉64個程度確認。胞子の大きさ・形は整い有性生殖種と推定。2025年6月14日 富山市 猪谷産
①アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)、胞子のう群
②アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)、1つの胞子嚢を壊したようす

胞子数葉63個程度確認。胞子の大きさ・形は整い有性生殖種と推定。2025年6月14日 富山市 猪谷産 胞子数葉61個程度確認。胞子の大きさ・形は整い有性生殖種と推定。2025年6月14日 富山市 猪谷産
①②アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)、1つの胞子嚢を壊したようす

アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)、胞子の表面には毛のような突起が見られる。2025年6月14日 富山市 猪谷産 アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)、胞子の表面には毛のような突起が見られる。2025年6月14日 富山市 猪谷産
①②アイアスカイノデ(光沢・赤褐色鱗片)、胞子の表面




イノデモドキ Polystichum tagawanum
オシダ科 イノデ属

林内・林縁に生育。普通に見られる。
スギ林の崖に生育するイノデモドキ。2024年12月14日 小松市 大杉谷川
スギ林の崖に生育するイノデモドキ

イノデモドキ、葉柄下部の鱗片。2024年12月14日 小松市 大杉谷川 イノデモドキ、胞子のう群。2024年12月14日 小松市 大杉谷川
①イノデモドキ、葉柄下部の鱗片
②イノデモドキ、胞子のう群




オシダ属の仲間 [#wad795d1]

オオクジャクシダ、キヨズミオオクジャク、ベニシダの仲間などが観察された。

オオクジャクシダ Dryopteris dickinsii
オシダ科 オシダ属

スギ・ヒノキ植林地やや開けた谷部の林床に生育していた。多少まとまって生育したり単独で生育したりしていた。
スギ・ヒノキ植林地やや開けた谷部の林床に生育するオオクジャクシダ。2024年12月13日 富山市 猪谷
スギ・ヒノキ植林地やや開けた谷部の林床に生育するオオクジャクシダ

スギ・ヒノキ植林地やや開けた谷部の林床に生育するオオクジャクシダ。2024年12月13日 富山市 猪谷
スギ・ヒノキ植林地やや開けた谷部の林床に生育するオオクジャクシダ

オオクジャクシダ、葉柄基部には膜質・淡褐色の鱗片をつける。2024年12月13日 富山市 猪谷 オオクジャクシダ、中軸下部の鱗片。2024年12月13日 富山市 猪谷
オオクジャクシダ、冬芽および葉柄基部の鱗片
②オオクジャクシダ、中軸下部の鱗片

オオクジャクシダ、羽片。2024年12月13日 富山市 猪谷 オオクジャクシダ、羽片。2024年12月13日 富山市 猪谷
①②オオクジャクシダ、羽片

オオクジャクシダ、葉身中部の胞子のう群。2024年12月13日 富山市 猪谷 オオクジャクシダ、葉身上部の胞子のう群。2024年12月13日 富山市 猪谷
①オオクジャクシダ、葉身中部の胞子のう群
②オオクジャクシダ、葉身上部の胞子のう群
オオクジャクシダ、羽片




キヨズミオオクジャク Dryopteris namegatae
オシダ科 オシダ属

富山市と七尾市で中軸下部の鱗片のようすが違う2typeを確認した。中軸下部の鱗片は複数観察しその特徴を載せている。違う種かもしれない。それぞれ掲載します。中軸下部の鱗片のようすを比較するためイワヘゴ(埼玉県小川町)を掲載します。

七尾市上沢の株
石灰岩シルト岩地帯。ウエットなスギ林床に生育点在しながら群生していた。葉の大きさは大きいものでは1mに達する。鱗片は黒に近い黒褐色。中軸下部の鱗片はやや幅があり辺縁にはまばらに鋸歯が見られる。葉の表面で葉脈に沿って窪む。胞子のう群は中間につく。
ウエットなスギ林床に生育するキヨズミオオクジャク。2024年12月15日 七尾市 上沢
ウエットなスギ林床に生育するキヨズミオオクジャク

キヨズミオオクジャク、大きな株では葉の長さは1m程度になる。2024年12月15日 七尾市 上沢
ウエットなスギ林床に生育するキヨズミオオクジャク

キヨズミオオクジャク、葉柄基部の鱗片。2024年12月15日 七尾市 上沢 キヨズミオオクジャク、葉柄基部の鱗片。2024年12月15日 七尾市 上沢
①②キヨズミオオクジャク、葉柄基部の鱗片

キヨズミオオクジャク、中軸下部鱗片は幅がやや広く突起はまばらであるがそれなりに長い。2024年12月15日 七尾市 上沢 キヨズミオオクジャク、キヨズミオオクジャク、中軸下部鱗片(やや下側)は幅がやや広い。2024年12月15日 七尾市 上沢
①②キヨズミオオクジャク、中軸下部鱗片

キヨズミオオクジャク、羽片。2024年12月15日 七尾市 上沢 キヨズミオオクジャク、羽片表面では葉脈に沿って窪む。2024年12月15日 七尾市 上沢
①キヨズミオオクジャク、羽片
②キヨズミオオクジャク、羽片表面のようす

キヨズミオオクジャク、胞子のう群(葉身下部)。2024年12月15日 七尾市 上沢 キヨズミオオクジャク、胞子のう群(葉身中部)。2024年12月15日 七尾市 上沢 キヨズミオオクジャク、胞子のう群(葉身上部)。2024年12月15日 七尾市 上沢 
①キヨズミオオクジャク、胞子のう群(葉身下部)
②キヨズミオオクジャク、胞子のう群(葉身中部)
③キヨズミオオクジャク、胞子のう群(葉身上部)





富山市猪谷の株
林道に面したやや開けた沢。スギや夏緑広葉樹が生育するウエットな沢の入り口の林縁にキヨズミオオクジャクとオオクジャクシダが点在して生育していた。葉の大きさは70~80㎝。葉柄基部鱗片はっ艶のある黒に近い色。中軸下部の鱗片は細長く辺縁にはまばらに弱い鋸歯が見られる。葉の表面で葉脈に沿って窪む。胞子のう群は中間につく。
ウエットな沢の入り口の林縁に生育するキヨズミオオクジャクとオオクジャクシダ(左上)2024年12月13日 富山県 猪谷周辺
ウエットな沢の入り口の林縁に生育するキヨズミオオクジャクとオオクジャクシダ(左上)

ウエットな沢の入り口の林縁に生育するキヨズミオオクジャク。2024年12月13日 富山県 猪谷周辺 キヨズミオオクジャク、葉身。2024年12月13日 富山県 猪谷周辺
①ウエットな沢の入り口の林縁に生育するキヨズミオオクジャク
②キヨズミオオクジャク、葉身

キヨズミオオクジャク、葉柄基部には光沢のある黒色に近い黒褐色の鱗片がつく。2024年12月13日 富山県 猪谷周辺 キヨズミオオクジャク、葉柄基部には光沢のある黒色に近い黒褐色の鱗片がつく。2024年12月13日 富山県 猪谷周辺
①②キヨズミオオクジャク、葉柄基部の鱗片

キヨズミオオクジャク、中軸下部の鱗片は幅が狭く細長く辺縁の突起は少く短い。2024年12月13日 富山県 猪谷周辺 キヨズミオオクジャク、中軸下部の鱗片は幅が狭く細長く辺縁の突起は少く短い。2024年12月13日 富山県 猪谷周辺
キヨズミオオクジャク、中軸下部の鱗片

キヨズミオオクジャク葉身下部、羽片表面は葉脈に沿って窪む。2024年12月13日 富山県 猪谷周辺 キヨズミオオクジャク、羽片表面は葉脈に沿って窪む。2024年12月13日 富山県 猪谷周辺
①キヨズミオオクジャク、葉身下部
②キヨズミオオクジャク、羽片

キヨズミオオクジャク、葉身下部の胞子のう群。2024年12月13日 富山県 猪谷周辺 キヨズミオオクジャク、葉身下部の胞子のう群。2024年12月13日 富山県 猪谷周辺
①②キヨズミオオクジャク、葉身下部の胞子のう群

キヨズミオオクジャク、葉身上部の胞子のう群。2024年12月13日 富山県 猪谷周辺 キヨズミオオクジャク、葉身上部の胞子のう群。2024年12月13日 富山県 猪谷周辺 
①②キヨズミオオクジャク、葉身上部の胞子のう群




イワヘゴ Dryopteris atrata
オシダ科 オシダ属

比較のため、最近再調査で訪れた埼玉県小川町の個体を掲載いたします。
スギ植林地内で観察。葉の大きさは45~60㎝。
スギ植林地内に生育するイワヘゴ。2024年12月29日 埼玉 小川町
スギ植林地内に生育するイワヘゴ

スギ植林地内に生育するイワヘゴ。2024年12月29日 埼玉 小川町 イワヘゴ、羽片。2024年12月29日 埼玉 小川町
①スギ植林地内に生育するイワヘゴ
②イワヘゴ、羽片

イワヘゴ、葉柄下部。2024年12月29日 埼玉 小川町 イワヘゴ、葉柄基部の鱗片。2024年12月29日 埼玉 小川町 イワヘゴ、葉柄下部。2024年12月29日 埼玉 小川町
①イワヘゴ、葉柄下部
②③イワヘゴ、葉柄基部の鱗片

イワヘゴ、中軸下部の鱗片。2024年12月29日 埼玉 小川町 イワヘゴ、中軸下部の鱗片。2024年12月29日 埼玉 小川町
①②イワヘゴ、中軸下部の鱗片

イワヘゴ、中軸下部の鱗片。2024年12月29日 埼玉 小川町
イワヘゴ、中軸下部の鱗片

イワヘゴ、葉身中部の胞子のう群。2024年12月29日 埼玉 小川町 イワヘゴ、葉身上部の胞子のう群。2024年12月29日 埼玉 小川町
①イワヘゴ、葉身の胞子のう群
②イワヘゴ、葉身上部の胞子のう群




ベニシダの仲間 Lepisorus nigripes
オシダ科 オシダ属

高い岩の上で手が届かず良い写真が撮影できなかった。小羽片が長く伸びるベニシダと思われるがトウゴクシダあるいはハチジョウベニシダの可能性も考えられ、機会があれば胞子を観察してみたい。小羽片は細長く柔らかい。沢沿いに広がるウエットな林床にはほとんど生育せず、沢沿いの巨岩の上に群生していた。
沢沿いの巨岩の上に群生するベニシダの仲間。2024年12月14日 小松市 大杉谷川
沢沿いの巨岩の上に群生するベニシダの仲間

沢沿いの巨岩の上に群生するベニシダの仲間。2024年12月14日 小松市 大杉谷川 
沢沿いの巨岩の上に群生するベニシダの仲間




ウラボシ科の仲間

クロノキシノブ Lepisorus nigripes
ウラボシ科 ノキシノブ属

人家から山に入るとクロノキシノブが見られるようになる。
山間の人家の庭先の気に着生するクロノキシノブ。2024年12月14日 小松市 大杉谷川
人家の庭先の気に着生するクロノキシノブ

クロノキシノブ、根茎からやや間隔を空けて葉をつける。葉柄は明瞭で黒っぽい。2024年12月14日 小松市 大杉谷川
クロノキシノブ、葉柄




タジマノキシノブミカワノキシノブ Lepisorus mikawanus
ウラボシ科 ノキシノブ属

能登へ行く途中に以前確認したタジマノキシノブの生育地似立ち寄る。
古い石組みに生育するタジマノキシノブ。2024年12月13日 神岡鉱山
古い石組みに生育するタジマノキシノブ

根茎から間隔を空けて幅の広い葉をつけるタジマノキシノブ。2024年12月13日 神岡鉱山 タジマノキシノブ、葉の裏側には鱗片が多くつく。2024年12月13日 神岡鉱山
①根茎から間隔を空けて幅の広い葉をつけるタジマノキシノブ
②タジマノキシノブ、葉の裏側の鱗片




オシャグジデンダ Polypodium fauriei
ウラボシ科 エゾデンダ属

ウエットな空気に包まれた渓流沿いなどに生育する夏緑広葉樹の大木の樹幹に着生していた。
横向きに倒れかかる夏緑広葉樹の大木の樹幹に着生するオシャグジデンダ。2024年12月13日 富山市 猪谷
夏緑広葉樹の大木の樹幹に着生するオシャグジデンダ

夏緑広葉樹の大木の樹幹に着生するオシャグジデンダ。2024年12月14日 小松市 大杉谷川 
夏緑広葉樹の大木の樹幹に着生するオシャグジデンダ

オシャグジデンダ、葉身。2024年12月14日 小松市 大杉谷川 オシャグジデンダ、胞子のう群。2024年12月14日 小松市 大杉谷川
オシャグジデンダ、葉身
オシャグジデンダ、葉身裏側

オシャグジデンダ、胞子のう群と中軸上の毛。2024年12月14日 小松市 大杉谷川
オシャグジデンダ、胞子のう群と中軸上の毛