湿原に点在する池とう。2023年7月20日 北アルプス北部 
北アルプス北部にある高層湿原の周辺を歩いてきました。観察した花やシダを紹介いたします。

ホソバトウゲシバ
トウゲシバに比べ、葉(長さ5~8mm・幅2mm)は短く細い。狭い間隔で古い「むかご」や胞子のうがついている。標高の高いところで見られることがある。
オオシラビソなどが生える林床に群生するホソバトウゲシバ。2023年7月20日 北アルプス北部 ホソバトウゲシバ、葉は1cmに達しない。幅は2mm程度。2023年7月20日 北アルプス北部  
①オオシラビソなどが生える林床に群生するホソバトウゲシバ
②ホソバトウゲシバ、葉は1cmに達しない。幅は2mm程度

古い胞子のうやむかごをつけたホソバトウゲシバ。2023年7月20日 北アルプス北部 ホソバトウゲシバ、胞子のうや「むかご」を狭い間隔でたくさんをつける。2023年7月20日 北アルプス北部
③古い胞子のうやむかごをつけたホソバトウゲシバ
④ホソバトウゲシバ、胞子のうや「むかご」





イヌスギナ Equisetum palustre.
湿原の水辺に生育。葉の大きさは60㎝程度。葉の先端にツクシ(胞子のう穂)をつけ、側枝の付根の関節の長さが主軸の葉鞘より短い。
湿原の水辺に生育するイヌスギナ。2023年7月20日 北アルプス北部 湿原の水辺に生育するイヌスギナ。2023年7月20日 北アルプス北部 
①②湿原の水辺に生育するイヌスギナ

イヌスギナ、葉の先に胞子のう穂をつける。2023年7月20日 北アルプス北部 イヌスギナ、側枝の付根の関節の長さは主軸の葉鞘より短い。2023年7月20日 北アルプス北部 
①イヌスギナ、胞子のう穂
②イヌスギナ、側枝の付根の関節の長さと主軸の葉鞘の長さ





オオバショリマ Thelypteris quelpaertensis.
陽光を好むシダ。湿原の木道のそばに群生する。胞子のう群は円形、辺縁寄りにつく。
明るい木道沿いに群生するオオバショリマ。2023年7月20日 北アルプス北部 オオバショリマ、中軸の鱗片。2023年7月20日 北アルプス北部 
①明るい木道沿いに群生するオオバショリマ
②オオバショリマ、中軸の鱗片





ヤマソテツ Plagiogyria matsumureana.
樹林帯林床に普通にみられる。
樹林帯林床に普通にみられるヤマソテツ。2023年7月20日 北アルプス北部
①オオシラビソ林内に普通にみられるヤマソテツ




ヤマイヌワラビ Athyrium vidalii.
湿原ではあまり目にせず、山地でわずかに見られた。葉柄・中軸はえんじ色。包膜の辺縁にはわずかに鋸歯がある。
山地の林縁で見られたヤマイヌワラビ。2023年7月20日 北アルプス北部 ヤマイヌワラビ、包膜の辺縁にはわずかに鋸歯がある。2023年7月20日 北アルプス北部
①山地の林縁で見られたヤマイヌワラビ
②ヤマイヌワラビ、包膜





タカネサトメシダ Athyrium pinetorum.
林縁や高茎草本に混ざって生育している。2回羽状複葉。葉の大きさは50~70㎝。葉身は25~35㎝でサトメシダの仲間に中では小形。葉柄は葉身より長い場合がある。葉柄・中軸は淡緑色。
林縁にほかの草本と一緒に生育するタカネサトメシダ。2023年7月20日 北アルプス北部 タカネサトメシダ、葉柄は淡緑色、淡褐色・膜質の鱗片がつく。2023年7月20日 北アルプス北部
①林縁に生育するタカネサトメシダ
②タカネサトメシダ、葉柄

タカネサトメシダ、羽片。2023年7月20日 北アルプス北部 タカネサトメシダ、包膜に辺縁はほつれる。2023年7月20日 北アルプス北部
③林縁に生育するタカネサトメシダ
④タカネサトメシダ、葉柄
 


標本2
林縁に生育するタカネサトメシダ。2023年7月20日 北アルプス北部 タカネサトメシダ、葉身。2023年7月20日 北アルプス北部
⑤林縁に生育するタカネサトメシダ
⑥タカネサトメシダ、葉身

タカネサトメシダ、葉柄基部には褐色の鱗片をつける。2023年7月20日 北アルプス北部 タカネサトメシダ、包膜の辺縁はほつれる。2023年7月20日 北アルプス北部
⑤タカネサトメシダ、葉柄基部の鱗片
⑥タカネサトメシダ、包膜




ミヤマメシダ Athyrium melanolepis.
湿原ではよく目にするシダ。40㎝~80㎝。葉柄の鱗片は黒色に近い。
ミヤマメシダ。2023年7月20日 北アルプス北部 
①ミヤマメシダ





オクヤマワラビ Athyrium distentifolium
湿地の周りよりも岩場や岩が露出するところで観察。新葉が展開したばかりであった。ミヤマメシダによく似ているが、比べると葉が細かく分かれているためかより繊細な感じを受けた。葉柄の鱗片は淡褐色・膜質。葉は3回羽状複葉、黄緑色~鮮緑色。小羽片にも短柄があり、裂片は独立し深裂する。

岩場や岩が露出するところに生育するオクヤマワラビ。2023年7月20日 北アルプス北部 岩場や岩が露出するところに生育するオクヤマワラビ。2023年7月20日 北アルプス北部 
①②岩場や岩が露出するところに生育するオクヤマワラビ

オクヤマワラビ、葉柄は葉身の半分ほどで淡褐色・膜質の鱗片をつける。2023年7月20日 北アルプス北部 オクヤマワラビ、小羽片。2023年7月20日 北アルプス北部
③オクヤマワラビ、葉柄の鱗片
④オクヤマワラビ、小羽片





カラクサイノデ Polystichum microchlamys.
大形のイノデ類はこの1種のみ見られた。やや明るい林縁に群生。夏緑性。
林縁に生育するカラクサイノデ。2023年7月20日 北アルプス北部 カラクサイノデ、葉柄の鱗片。2023年7月20日 北アルプス北部
①林縁に生育するカラクサイノデ
②カラクサイノデ、葉柄の鱗片

カラクサイノデ、小羽片には鋭い鋸歯がある。2023年7月20日 北アルプス北部 カラクサイノデ、胞子のう群。2023年7月20日 北アルプス北部
③カラクサイノデ、羽片
④カラクサイノデ、胞子のう群





シラネワラビ Dryopteris expansa.
林内や湿原の周辺に普通にみられる。
林縁に生育するシラネワラビとミヤマワラビ(手前)。2023年7月20日 北アルプス北部
①林縁に生育するシラネワラビとミヤマワラビ(手前)





シノブカグマ Arachniodes mutica .
苔むしたオオシラビソの林床に普通にみられる。
オオシラビソの林床に普通にみられるシノブカグマ。2023年7月20日 北アルプス北部
①オオシラビソの林床に普通にみられるシノブカグマ





ヒオウギアヤメ ・ イワショウブ
湿原に群生するヒオウギアヤメ。2023年7月20日 北アルプス北部 湿原に生育するイワショウブ。2023年7月20日 北アルプス北部
①湿原に群生するヒオウギアヤメ
②湿原に生育するイワショウブ

ミヤマカラマツの仲間 ・ ミヤマカラマツ
不明種。ミヤマカラマツの個体変異か。2023年7月20日 北アルプス北部 林縁や湿原の周辺でよく目にするミヤマカラマツ。2023年7月20日 北アルプス北部
③不明種。ミヤマカラマツの個体変異か
④林縁や湿原の周辺でよく目にするミヤマカラマツ

サンカヨウ ・ シラネワラビ
林縁に生育するサンカヨウ。2023年7月20日 北アルプス北部 林縁に生育するシラネワラビ。2023年7月20日 北アルプス北部
⑤林縁に生育するサンカヨウ
⑥林縁に生育するシラネワラビ

オオバタケシマラン
林縁に大きな葉を広げるオオバタケシマラン。2023年7月20日 北アルプス北部
⑦林縁に大きな葉を広げるオオバタケシマラン