てんから釣りの人と豆焼沢に入る。手作りの毛バリで美しいイワナを釣ってはリリースされていた。およそ標高1200mの沢。豆焼沢は一部石灰岩地帯を流れ下る。シダを中心に紹介いたします。
ホソバコケシノブ Hymenophyllum polyanthos
コケシノブ科 コケシノブ属
ウエットな岩壁に群生する。
ウエットな岩壁に群生するホソバコケシノブ
ヒメコケシノブ Hymenophyllum coreanum
コケシノブ科 コケシノブ属
あまりウエットではない切り立った崖に生育。
あまりウエットではない切り立った崖に生育するヒメコケシノブ
オウレンシダ Asplenium tenuicaule
コバノイシカグマ科 イヌシダ属
崖や岩屑の堆積地に群生する。
ウエットな崖に生育するオウレンシダやツルデンダ
イワトラノオ Asplenium tenuicaule
チャセンシダ科 チャセンシダ属
岩壁などに見られる。
岩壁に生育するイワトラノオ
岩壁に生育する小形のイワトラノオ
ヒメイワトラノオ Asplenium capillipes
チャセンシダ科 チャセンシダ属
切り立った石灰岩の割れ目に生育する。
切り立った石灰岩の割れ目に生育するヒメイワトラノオ
①②ヒメイワトラノオ、むかご
オサシダ Spicantopsis amabilis
シシガシラ科 シシガシラ属
おもに切り立た岩壁に生育している。
シシガシラ Spicantopsis niponica
シシガシラ科 シシガシラ属
岩場の浅い腐植の痩せた林床では小形化したシシガシラが観察された。
イワハリガネワラビ Coryphopteris musashiensis
ヒメシダ科 オオハシゴシダ属
岩壁や岩壁下岩屑が堆積した場所に生育。
イワハリガネワラビ
①イワハリガネワラビ、葉柄
②イワハリガネワラビ、葉柄の鱗片
①②イワハリガネワラビ、包膜上の毛と突起
タカネサトメシダ Athyrium pinetorum
メシダ科 メシダ属
沢のそばの林床に生育。葉柄は淡緑色で葉身と同長。葉身は三角形~長い三角形、2回羽状複葉、小羽片は中裂~深裂する。包膜は胞子のう群をはみ出して覆いその辺縁は激しくほつれる。
①タカネサトメシダ、葉柄
②タカネサトメシダ、葉柄下部の鱗片
①タカネサトメシダ、葉柄および葉柄の鱗片
②タカネサトメシダ、葉身
①②タカネサトメシダ、包膜
イワイタチシダ Dryopteris saxifraga
オシダ科 オシダ属
山中の岩壁や崖に生育。葉の大きさには幅があり10~25㎝、白緑色。葉柄~中軸には鱗片を開出してつける。包膜は全縁。
岩壁にホソバコケシノブと共に生育するイワイタチシダ
①②イワイタチシダ、包膜
毛深い大形のトヨグチイノデ Polystichum ohmurae
オシダ科 イノデ属
石灰岩地帯の沢沿いの崖に生育葉の大きさは45~60㎝、葉の表面には毛が密生する。
標本1 大形(葉の大きさ40~50㎝)
①トヨグチイノデ、羽片
②トヨグチイノデ、胞子のう群
トヨグチイノデ Polystichum ohmurae
オシダ科 イノデ属
葉の大きさは15~20㎝、小さくても胞子のう群をつける。小形の株は石灰岩地帯ではやや普通に見られる。よく成長すると毛深い大形の個体になるんであろうか。
渓流沿いの崖に生育する小形のトヨグチイノデ
①非常に小さな葉にも胞子をつけるトヨグチイノデ
②トヨグチイノデ、胞子のう群
ミヤマウラボシ Selliguea veitchii
ウラボシ科 ミツデウラボシ属
川沿いの切り立った岩壁にまとまって生育していた。個体数はそれほど多くない。
川沿いの切り立った岩壁にまとまって生育するミヤマウラボシ
ミヤマウラボシ、胞子のう群
ナガオノキシノブ Lepisorus rufofuscus
ウラボシ科 ノキシノブ属
沢沿いの岩場や急峻な山地の岩場に生育する。
沢沿いの岩場に生育するナガオノキシノブ
①根茎から間隔を空けて葉をつけるナガオノキシノブ
②ナガオノキシノブ、胞子のう群
沢沿いの岩場に生育するナガオノキシノブ
ミヤマノキシノブ Lepisorus ussuriensis var. distans
ウラボシ科 ノキシノブ属
林内の岩上にしばしば群生する。