荻ノ入川本流沿いで観察されたヒメサジラン。荻ノ入川 2024年5月25日
荻ノ入川とその支流でシダを中心に見て歩きました。撮影した写真を紹介いたします。林床に生えるシダ類は非常に少なく、シカの食害によるものと思われます。


ヒカゲノカズラ Lycopodium clavatum

ヒカゲノカズラ科 ヒカゲノカズラ属

川と森に挟まれたウエットな空気に包まれた日当たりのよい屋敷跡に群生していました。
日当たりのよい屋敷跡の石垣に生育するヒカゲノカズラ。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①日当たりのよい屋敷跡の石垣に生育するヒカゲノカズラ

日当たりのよい林縁の屋敷跡に群生するヒカゲノカズラ。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 ヒカゲノカズラ、胞子のう穂。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①日当たりのよい林縁の屋敷跡に群生するヒカゲノカズラ
②ヒカゲノカズラ、胞子のう穂




ハイホラゴケの仲間について

外観の異なるいろいろなハイホラゴケの仲間が観察されたが、胞子が実る季節ではなかったため外観のみの観察となる。外観による判別の試みとする。あらためて胞子が実るころ訪れ観察してみたい。


イズハイホラゴケか Vandenboschia orientalis

コケシノブ科 ハイホラゴケ属

大形のハイホラゴケの仲間。葉の大きさは25㎝程度、葉身は幅が狭いの大きなハイホラゴケの仲間。羽片は平面的で込み合ってつく。胞子のようすは確認できなかった。有性生殖種か雑種か不明。外観からはイズハイホラゴケに見える。ミウラハイホラゴケにも似てるが、ミウラハイホラゴケはイズハイホラゴケよりやや小さく羽片はそれほど混まない。
参考画像
イズハイホラゴケ(万城の滝)
ミウラハイホラゴケ(三浦半島森戸川)ミウラハイホラゴケ(三浦半島田浦)

谷沿いの岩壁に群生するハイホラゴケの仲間1(イズハイホラゴケか)。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 

谷沿いの岩壁に群生するハイホラゴケの仲間1(イズハイホラゴケか)。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①②谷沿いの岩壁に群生するハイホラゴケの仲間1(イズハイホラゴケか)胞子を観察していないので雑種の可能性もある。





セイタカハイホラゴケ(オオハイホラゴケ×ハイホラゴケ)か Vandenboschia kalamocarpa × V. striata

コケシノブ科 ハイホラゴケ属

中形のハイホラゴケの仲間。20㎝近くある大きなハイホラゴケの仲間。前後の羽片は間隔が広い。胞子のようすは確認できなかった。有性生殖種か雑種か不明。
参考画像
セイタカホラゴケ河津七滝
セイタカホラゴケ西伊豆
葉の大きさは20㎝程度の大きなハイホラゴケの仲間1(セイタカハイホラゴケか)。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①葉の大きさは20㎝程度の大きなハイホラゴケの仲間1(セイタカハイホラゴケか)

谷沿いの岩壁に群生するハイホラゴケの仲間1(セイタカハイホラゴケか)。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 ハイホラゴケの仲間1(セイタカハイホラゴケか)、葉身。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①谷沿いの岩壁に群生するハイホラゴケの仲間1(セイタカハイホラゴケか)
②ハイホラゴケの仲間1(セイタカハイホラゴケか)、葉身

ハイホラゴケの仲間1(セイタカハイホラゴケか)、羽片は間隔を空けてつける。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①ハイホラゴケの仲間1(セイタカハイホラゴケか)、羽片




ハイホラゴケか Vandenboschia kalamocarpa

コケシノブ科 ハイホラゴケ属

小形のハイホラゴケの仲間。林内の薄暗い切り立った崖に群生していた。葉の大きさは7~10㎝、葉は平面的。ハイホラゴケと思われるが、胞子のようすは確認できなかった。有性生殖種か雑種か不明。胞子のようすによっては雑種のコハイホラゴケ(ハイホラゴケ×ヒメハイホラゴケ)の可能性もある。
参考画像
ハイホラゴケ河津七滝
ハイホラゴケ浄蓮の滝
ハイホラゴケの仲間3(ハイホラゴケか)。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①ハイホラゴケの仲間1(ハイホラゴケか)

ハイホラゴケの仲間3(ハイホラゴケか)。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 
①ハイホラゴケの仲間1(ハイホラゴケか)

林内の薄暗い切り立った崖に群生するハイホラゴケの仲間3(ハイホラゴケか)。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 林内の薄暗い切り立った崖に群生するハイホラゴケの仲間3(ハイホラゴケか)。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①②林内の薄暗い切り立った崖に群生するハイホラゴケの仲間3(ハイホラゴケか)




ハイホラゴケか Vandenboschia kalamocarpa

コケシノブ科 ハイホラゴケ属

小形のハイホラゴケの仲間。ハイホラゴケの仲間 3よりはやや大きい。林内の薄暗い切り立った崖に群生していた。葉の大きさは10㎝程度、葉は平面的であるが葉柄・中軸は著しく波打つ。ハイホラゴケと思われるが胞子のようすは確認できなかった。有性生殖種か雑種か不明。
葉柄・中軸は著しく波打つハイホラゴケの仲間4(ハイホラゴケか)。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①葉柄・中軸は著しく波打つハイホラゴケの仲間4(ハイホラゴケか)

林内の薄暗い切り立った崖に群生葉柄・中軸は著しく波打つハイホラゴケの仲間4(ハイホラゴケか)。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①林内の薄暗い切り立った崖に群生する葉柄・中軸は著しく波打つハイホラゴケの仲間4(ハイホラゴケか)

葉柄・中軸は著しく波打つハイホラゴケの仲間4(ハイホラゴケか)、葉柄。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 葉柄・中軸は著しく波打つハイホラゴケの仲間4(ハイホラゴケか)、中軸。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①葉柄・中軸は著しく波打つハイホラゴケの仲間4(ハイホラゴケか)、葉柄
①葉柄・中軸は著しく波打つハイホラゴケの仲間4(ハイホラゴケか)、中軸





オオハイホラゴケ Vandenboschia striata

コケシノブ科 ハイホラゴケ属

川の支流を遡ると滝があり滝の裏側にホウビシダなどと共に群生していた。伊豆ではオオハイホラゴケは滝の裏側など非常にウエットな所で生育する。やはりこの季節、胞子を観察することはできなかった。
滝の側面や裏側・側面・上部には多様なシダが生育していた。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 滝の側面。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
いろいろなシダが生育する滝。上部などまだ未調査。

滝の裏側の岩場に群生するオオハイホラゴケ。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
滝の裏側の岩場に群生するオオハイホラゴケ

滝の裏側の岩場に群生するオオハイホラゴケ。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①滝の裏側の岩場に群生するオオハイホラゴケ

オオハイホラゴケ。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 オオハイホラゴケ。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①オオハイホラゴケ
②オオハイホラゴケ、羽片

オオハイホラゴケ、根茎には黒褐色の鱗片が密生する。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 オオハイホラゴケ、胞子のう群。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①オオハイホラゴケ、根茎
②オオハイホラゴケ、胞子のう群




イズイシカグマ(仮称)オドリコカグマ Microlepia sinostrigosa

コバノイシカグマ科 フモトシダ属

※その後、研究者の方が倍数性を調べられ2倍体であると聞いている。2倍体有性生殖種であれば外観が異なるこのシダはオドリコカグマ(4倍体)とは別種となる可能性がありとりあえずイズイシカグマ(仮称)としておく。
荻ノ入川へ向かう途中に立ち寄る。以前、伊豆半島中央部天城山の山中、浄蓮の滝での観察会の時に群生地に出会う。周辺の森はシカによる食害が深刻であったが、この生育地は、人家にや道路で隔離された林(スギ植林地)であったため維持されていると思う。今後も生育し続けるために採集禁・写真撮影のみで維持されればよいと願います
葉は黄緑色でイシカグマよりも薄く・柔らかく、羽片基部小羽片は羽状に分かれるがイシカグマよりも切れ込みが浅く、包膜は葉縁よりもやや内側につく。イシカグマは黄緑色~濃緑色、葉の質はやや硬く切れ込みが深い。フモトカグマは上下の羽片がもっと接近している。
人家にや道路で隔離された林に生育するオドリコカグマ。天城 2024年5月25日
①人家にや道路で隔離された林に生育するイズイシカグマ(仮称)オドリコカグマ

人家にや道路で隔離された林に生育するオドリコカグマ。天城 2024年5月25日 人家にや道路で隔離された林に生育するイズイシカグマ(仮称)<del>オドリコカグマ</del>。天城 2024年5月25日
①②人家にや道路で隔離された林に群生するイズイシカグマ(仮称)オドリコカグマ

イズイシカグマ(仮称)<del>オドリコカグマ</del>、葉身。天城 2024年5月25日 イズイシカグマ(仮称)<del>オドリコカグマ</del>、葉身。天城 2024年5月25日
①②イズイシカグマ(仮称)オドリコカグマ、葉身

イズイシカグマ(仮称)<del>オドリコカグマ</del>、羽片。天城 2024年5月25日 イズイシカグマ(仮称)<del>オドリコカグマ</del>、羽片。天城 2024年5月25日
①②イズイシカグマ(仮称)オドリコカグマ、羽片

イズイシカグマ(仮称)<del>オドリコカグマ</del>、包膜。天城 2024年5月25日 イズイシカグマ(仮称)<del>オドリコカグマ</del>、包膜。天城 2024年5月25日
①②イズイシカグマ(仮称)オドリコカグマ、包膜

イズイシカグマ(仮称)<del>オドリコカグマ</del>、包膜。天城 2024年5月25日 イズイシカグマ(仮称)<del>オドリコカグマ</del>、包膜。天城 2024年5月25日
①②イズイシカグマ(仮称)オドリコカグマ、包膜

イズイシカグマ(仮称)<del>オドリコカグマ</del>、胞子数は54個程度確認。大きさ・形が整い有性生殖種と推定できる。天城 2024年8月1日 イズイシカグマ(仮称)<del>オドリコカグマ</del>、胞子数は54個程度確認。大きさ・形が整い有性生殖種と推定できる。天城 2024年8月1日
①②イズイシカグマ(仮称)オドリコカグマ、1つの胞子のうを壊したようす、胞子数・大きさ・形など正常

イズイシカグマ(仮称)<del>オドリコカグマ</del>、胞子数は54個程度確認。大きさ・形が整い有性生殖種と推定できる。天城 2024年8月1日
イズイシカグマ(仮称)オドリコカグマ、胞子の形




イヌシダ Sitobolium hirsuta

コバノイシカグマ科 イヌシダ属

片側に開けた明るい崖に生育。
片側に開けた明るい崖に生育イヌシダ。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日




オオバノハチジョウシダ Pteris terminalis

イノモトソウ科 イノモトソウ属

荻ノ入川本流沿いではほとんどがオオバノハチジョウシダであった。幼株には白い斑は入らない。
渓流沿いの林に生育するオオバノハチジョウシダ。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①渓流沿いの林に生育するオオバノハチジョウシダ

渓流沿いの林に生育するオオバノハチジョウシダ。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 オオバノハチジョウシダ、頂小羽片は短い。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①渓流沿いの林に生育するオオバノハチジョウシダ
②オオバノハチジョウシダ、頂小羽片

オオバノハチジョウシダ、幼株。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 オオバノハチジョウシダ、幼株。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①②オオバノハチジョウシダ、幼株

参考画像
オオバノアマクサシダの幼株(南足柄市狩野)




イヌチャセンシダ Asplenium tripteropus

チャセンシダ科 チャセンシダ属

上部を樹冠に覆われたややウエットな崖や岩壁に生育していた。中軸に3つの翼がありチャセンシダと区別できる。
岩が露出する崖に生育するイヌチャセンシダ。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①岩が露出する崖に生育するイヌチャセンシダ

岩上に生育するイヌチャセンシダ。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 イヌチャセンシダ、胞子のう群および中軸の背軸側に見られる翼。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①岩が露出する崖に生育するイヌチャセンシダ
②イヌチャセンシダ、胞子のう群および中軸の背軸側に見られる翼




コタニワタリ Asplenium scolopendrium

チャセンシダ科 チャセンシダ属

川のそばの高い石組に生育。1株出会っただけである。
川のそばの石組にイヌイワヘゴなどほかのシダと共に生育するコタニワタリ。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①川のそばの石組にイヌイワヘゴなどほかのシダと共に生育するコタニワタリ

川のそばの石垣にイヌイワヘゴなどほかのシダと共に生育するコタニワタリ。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 コタニワタリ(石垣の下から撮影)。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①川のそばの石組にイヌイワヘゴなどほかのシダと共に生育するコタニワタリ
②コタニワタリ(石垣の下から撮影)




ヒノキシダ Asplenium prolongatum

チャセンシダ科 チャセンシダ属

針葉樹林内、大きな岩が積み重なったような崖に広範囲に群生していた。風通しの良い場所。
積み重なった岩上に群生するヒノキシダ。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①積み重なった岩上に群生するヒノキシダ

積み重なった岩上に群生するヒノキシダ。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 積み重なった岩上に群生するヒノキシダ。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①②積み重なった岩上に群生するヒノキシダ

積み重なった岩上に群生するヒノキシダ。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①ヒノキシダ、胞子のう群




アオガネシダ Asplenium wilfordii

チャセンシダ科 チャセンシダ属

ヒノキシダが群生する岩場の最上部に群生していた。風通しの良い場所。葉の大きさは50㎝に達する。雑種の可能性はないかと思い胞子を見たが有性生殖種と推定できた。
積み重なった岩上にヒノキシダと共に群生するアオガネシダ。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①積み重なった岩上にヒノキシダと共に群生するアオガネシダ

アオガネシダ、葉は50㎝に達する。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 アオガネシダ、羽片。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①アオガネシダ、葉身
①アオガネシダ、羽片

アオガネシダ、胞子数は53個確認・大きさ・形とも整い有性生殖種と思われる。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①アオガネシダ、1つの胞子のうを壊したようす

アオガネシダ、胞子上面。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 アオガネシダ、胞子側面。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①アオガネシダ、胞子上面
②アオガネシダ、胞子側面




ホウビシダ Hymenasplenium hondoense

チャセンシダ科科 ホウビシダ属

滝の裏側や流れのそばのウエットな岩壁に生育。ナンゴクホウビシダのような羽片も見られたが胞子のう群を確認できなかった。
滝の裏側、オーバーハングした岩壁に群生するホウビシダ。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①滝の裏側、オーバーハングした岩壁に群生するホウビシダ

渓流の切り立った苔むした岩壁から新芽を伸ばすホウビシダ。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①ホウビシダ、新芽




コゲジゲジシダ Phegopteris decursivepinnata

ヒメシダ科 ヒメシダ属

道端で普通に見かけるシダ。ほとんどの葉脈は辺縁に達していたが、胞子のう群に伸びる葉脈などは葉縁に達しないことがある。比較:オオゲジゲジシダ
道端に生育するコゲジゲジシダ。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①道端に生育するコゲジゲジシダ

コゲジゲジシダ、ほとんどの葉脈は辺縁に達していたが、胞子のう群に伸びる葉脈などは葉縁に達しないことがある。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 コゲジゲジシダ、ほとんどの葉脈は辺縁に達していたが、胞子のう群に伸びる葉脈などは葉縁に達しないことがある。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①②コゲジゲジシダ、葉脈




メシダ属の仲間 Athyrium

メシダ科 メシダ属

ヒロハイヌワラビ、タニイヌワラビ、ホソバイヌワラビなどが見られた。ただシカによる食害なのか林床では小さな株が少し見られただけで、元気に育っているものは崖などに生育していた。




ミヤマノコギリシダ Diplazium mettenianum

メシダ科 ノコギリシダ属

林内、高く切り立った崖面に生育していた。
林内の高く切り立った崖面に生育するミヤマノコギリシダ。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①林内の高く切り立った崖面に生育するミヤマノコギリシダ

林内の高く切り立った崖面に生育するミヤマノコギリシダ。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 ミヤマノコギリシダ、胞子のう群。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①林内の高く切り立った崖面に生育するミヤマノコギリシダ
②ミヤマノコギリシダ、胞子のう群




ヒカゲワラビ Diplazium chinense

メシダ科 ノコギリシダ属

明るい林縁の水辺に生育していた。1株しか出会っていない。
水辺の林床に生育するヒカゲワラビ。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①水辺の林床に生育するヒカゲワラビ

ヒカゲワラビ、羽片。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 ヒカゲワラビ、中軸および胞子のう群。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①ヒカゲワラビ、羽片
②ヒカゲワラビ、中軸および胞子のう群




オニヒカゲワラビ Diplazium nipponicum

メシダ科 ノコギリシダ属

支流の深い沢沿いの林床で点在して生育していた。個体数は多い。
林床や川沿いのガレ場に生育するオニヒカゲワラビ。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①林床や川沿いのガレ場に生育するオニヒカゲワラビ

渓流沿いの大岩の間に生育するオニヒカゲワラビ、葉柄。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 オニヒカゲワラビ、葉柄。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①オニヒカゲワラビ、葉柄
②オニヒカゲワラビ、胞子のう群

オニヒカゲワラビ、羽片。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 オニヒカゲワラビ、胞子のう群。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①オニヒカゲワラビ、羽片
②オニヒカゲワラビ、胞子のう群




ヤブソテツ(テリハヤマヤブソテツ) Cyrtomium fortunei

オシダ科 ヤブソテツ属

葉縁に鋸歯が目立つヤブソテツ(テリハヤマヤブソテツ)。雑種の可能性はないかと思い胞子を観察したが、無融合生殖種であった。
葉縁に鋸歯が目立つヤブソテツ(テリハヤマヤブソテツ)。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①葉縁に鋸歯が目立つヤブソテツ(テリハヤマヤブソテツ)

葉縁に鋸歯が目立つヤブソテツ(テリハヤマヤブソテツ)、羽片。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 葉縁に鋸歯が目立つヤブソテツ(テリハヤマヤブソテツ)、羽片の先。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①葉縁に鋸歯が目立つヤブソテツ(テリハヤマヤブソテツ)、羽片
②葉縁に鋸歯が目立つヤブソテツ(テリハヤマヤブソテツ)、羽片の先

葉縁に鋸歯が目立つヤブソテツ(テリハヤマヤブソテツ)、羽片。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 葉縁に鋸歯が目立つヤブソテツ(テリハヤマヤブソテツ)、羽片の先。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①葉縁に鋸歯が目立つヤブソテツ(テリハヤマヤブソテツ)、葉身先の羽片
②葉縁に鋸歯が目立つヤブソテツ(テリハヤマヤブソテツ)、葉身先の羽片裏側

葉縁に鋸歯が目立つヤブソテツ(テリハヤマヤブソテツ)、胞子数は31個程度確認。無融合生殖種と推定される。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 葉縁に鋸歯が目立つヤブソテツ(テリハヤマヤブソテツ)、胞子数は32個程度確認。無融合生殖種と推定される。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①②ヤブソテツ(テリハヤマヤブソテツ)、1つの胞子のうを壊したようす




イワヘゴ Dryopteris atrata

オシダ科 オシダ属

川沿いの林床に生育。艶のある緑色。下部羽片は短縮。中軸の鱗片には鋸歯がある。
川沿いの林床に生育するイワヘゴ。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①川沿いの林床に生育するイワヘゴ




イヌイワヘゴ Dryopteris cycadina

オシダ科 オシダ属

針葉樹林内の崖、大きな岩が積み重なった岩上に生育。イワヘゴに比べ、葉は大きいことが多く、下部羽片はそれほど短縮せず、葉面の艶は乏しく、中軸の鱗片は明るい黒褐色で鋸歯は弱い。
針葉樹林内、大きな岩が積み重なった崖に生育するイヌイワヘゴ。右下はヒノキシダ。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①針葉樹林内、大きな岩が積み重なった崖に生育するイヌイワヘゴ




ノキシノブ Lepisorus thunbergianus

ウラボシ科 ノキシノブ属

渓流に架かる橋の側面に生育。
渓流に架かる橋の側面に生育するノキシノブ。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①渓流に架かる橋の側面に生育するノキシノブ

ノキシノブ、胞子や根茎の鱗片を観察した株。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 ノキシノブ、根茎から葉を込み合ってつける。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 
①ノキシノブ、胞子や根茎の鱗片を観察した株 
①ノキシノブ、根茎からの葉の出方

ノキシノブ、胞子のう群。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 
①ノキシノブ、胞子や根茎の鱗片を観察した株

ノキシノブ、根茎の鱗片。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 ノキシノブ、根茎の鱗片。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①②ノキシノブ、根茎の鱗片(スケールの1目盛りは1mm)

ノキシノブ、根茎の鱗片。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 ノキシノブ、根茎の鱗片。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①②ノキシノブ、根茎の鱗片(スケールの1目盛りは1mm)

ノキシノブ、根茎の鱗片。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 
①ノキシノブ、根茎の鱗片(スケールの1目盛りは1mm)

ノキシノブ、胞子数は63個程度観察。胞子の大きさ・形は整い有性生殖種と推定。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 ノキシノブ、胞子数は61個程度観察。胞子の大きさ・形は整い有性生殖種と推定。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 
①②ノキシノブ、1つの胞子のうを壊したようす




フジノキシノブ Lepisorus kuratae

ウラボシ科 ノキシノブ属

川沿いのサクラの幹に着生する。葉の幅が広く、艶が乏しい。根茎の鱗片は中央が栗褐色・辺縁に鋸歯がある基部が膨らんだ披針形である。ノキシノブと比較すると、フジノキシノブは①葉の長さに比べ幅が広く艶が乏しい。②根茎鱗片基部の膨らみは大きくその部分の鋸歯が発達する。
生育環境にもよるが普段は多少萎れた姿で、葉の薄さ・柔らかさがわかる。葉の色は白っぽい緑色で光沢はないが、雨の後などは、植物体が水分を吸収するため葉は厚みを増しノキシノブと同様な厚みをもつ姿に変わる。色も緑色が増し、艶も見られる場合もある。
川沿いのサクラの幹に着生するフジノキシノブ。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①川沿いのサクラの幹に着生するフジノキシノブ

川沿いのサクラの幹に着生するフジノキシノブ。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 フジノキシノブ、根茎から葉を込み合ってつける。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①川沿いのサクラの幹に着生するフジノキシノブ
②フジノキシノブ、根茎からの葉のつけ方

水分を吸収したフジノキシノブ。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 フジノキシノブ、葉の裏側。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①水分を吸収したフジノキシノブ
①フジノキシノブ、葉の裏側

フジノキシノブ、根茎の鱗片。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 フジノキシノブ、根茎の鱗片。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 
①②フジノキシノブ、根茎の鱗片(スケールの1目盛りは1mm) 

フジノキシノブ、根茎の鱗片。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 
①フジノキシノブ、根茎の鱗片(スケールの1目盛りは1mm)

ヒジノキシノブ、胞子数は63個程度観察。胞子の大きさ・形は整い有性生殖種と推定。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 フジノキシノブ、胞子数は63個程度観察。胞子の大きさ・形は整い有性生殖種と推定。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 
①②フジノキシノブ、1つの胞子のうを壊したようす




ヤノネシダ Lepisorus buergerianus

ウラボシ科 ノキシノブ属   [#h48998b0]

川沿いの歩道の縁石上に生育。
川沿いの歩道の縁石上に生育するヤノネシダ。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 
①川沿いの歩道の縁石上に生育するヤノネシダ

川沿いの歩道の縁石上に生育するヤノネシダ。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 
①川沿いの歩道の縁石上に生育するヤノネシダ




イワヤナギシダ Loxogramme salicifolia

ウラボシ科 サジラン属

渓流沿いに生育する照葉樹の大木の樹幹に群生していた。
渓流沿いに生育する照葉樹の大木の樹幹に群生するイワヤナギシダ。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 
①渓流沿いに生育する照葉樹の大木の樹幹に群生するイワヤナギシダ

渓流沿いに生育する照葉樹の大木の樹幹に群生するイワヤナギシダ。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 イワヤナギシダ、葉柄基部は淡緑色。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 
①渓流沿いに生育する照葉樹の大木の樹幹に群生するイワヤナギシダ
②イワヤナギシダ、葉柄基部




ヒメサジラン Loxogramme grammitoides

ウラボシ科 サジラン属

川に面した樹木に覆われた石垣に群生していた。
川に面した樹木に覆われた石垣に群生するヒメサジラン。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①川に面した樹木に覆われた石垣に群生するヒメサジラン

川に面した樹木に覆われた石垣に群生するヒメサジラン。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日 ヒメサジラン、胞子のう群。河津町 荻ノ入川 2024年5月25日
①川に面した樹木に覆われた石垣に群生するヒメサジラン
②ヒメサジラン、胞子のう群